(3)龍・ゆうバス(茨城県龍ヶ崎市)
コミュニティバス
1)龍ヶ崎市の概要
龍ヶ崎市は、茨城県の南部、首都50キロメートル圏内に位置し、竜ヶ崎ニュータウン開発が行われた。人口は約8万人に迫る。
面積は78.19km2、人口は77,665人(平成15年3月31日現在、住民基本台帳による人口)で、65歳以上の高齢者人口は10,795人(13.9%)である
2)龍ヶ崎市コミュニティバスの概要
龍ヶ崎市は、都市交通マスタープランを策定し、在来バスとの役割分担を明示した。福祉施設送迎バスを廃止した上で、公共施設や商業施設、病院等を結び、施設利用者も利用できるコミュニティバスを平成14年7月1日より導入した。
(1)コミュニティバスの導入目的
コミュニティバスの導入目的は、過度の自家用車依存から公共交通への転換を促すことで、環境負荷の軽減を図ることである。また、自家用車が利用できない人や移動困難な人の新しい移動手段である。
(2)コミュニティバスの運行路線
龍ヶ崎市のコミュニティバスは、市内の3つの地区を結ぶ循環ルートである「龍・ゆうバス」のほかに、3路線(Aルート、Bルート、Cルート)がある。図2-49に、龍ヶ崎市コミュニティバスの路線図を示した。
(3)運賃体系
運賃は大人・子供ともにワンコイン100円である(ただし、未就学児は無料)。
また、障害者手帳(身体障害者手帳及び精神障害者手帳)所有者と第1種知的障害者及び第1種精神障害者の介護者は50円となる。
運賃体系が、導入前は送迎バス(無料)や路線バス(170円〜430円)で異なったが、コミュニティバスの導入後、コミュニティバス路線では100円、他路線では市内全線200円均一(日中昼間に限る)となり、利用者から評判も良い。
利用促進のために、コミュニティバスの回数乗車券(11枚つづりで1,000円)を車内で販売している。
図2-49 龍ヶ崎市コミュニティバスの路線図
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注)路線のうち、龍・ゆうバスは循環ルートを指す
(4)昼間のバス運賃割引
平成14年7月1日のコミュニティバスの運行開始とあわせて、バス事業者である関東鉄道(株)の協力を得て、路線バスの昼間割引を実施している。
昼間のバス運賃の割引により、バス利用をしやすくすることで、自家用車交通の発生量を抑制する狙いである。
(5)運行時間帯と運行頻度
コミュニティバスは、年末・年始(12月29日〜1月3日)を除き、概ね午前7時30分から午後5時30分まで毎日運行している。平成15年7月1日からコミュニティバスの時刻が改正され、循環ルートが内回り・外回り共に1日11便に増便された。また、A・B・Cルートでは新たに停留所を増設した。
(6)車両(龍・ゆうバス)
龍ヶ崎市コミュニティバスのなかで、循環ルートである「龍・ゆうバス」路線では、環境に配慮し、CNG(圧縮天然ガス)を燃料としたノンステップバス車両(KUTSENITS社製)を採用した(図2-50)。
そのため、お年寄りから歩幅の小さな幼児まで誰もが安全に乗り降りでき、車いす使用者も備え付けのスロープで乗り降りでき、車内には車いす固定装置が備えられている。
乗車定員は、27名(運転席含む)で、座席数17席(運転席含む)、立席10名である。
図2-50 龍・ゆうバスの車両
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