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(2)NPO法人 さわやかネット(青森県八戸市)
NPO等ボランティア団体
 
1)団体特性
 平成10年2月に、ボランティア団体として移送サービスを開始し、平成12年7月からNPO法人として障害者・高齢者の移動の支援を行っている(表2-21)。
 
表2-21 NPO法人さわやかネットの概要
運行拠点人口 約24万人
常勤運転スタッフ 2人(時給制)
事務スタッフ 20人(うち、約5人が中心となって活動)
登録利用者数 74名(内、車いす使用者61名)
保有車両台数 3台(ストレッチャー収容1台、車いす対応1台、ワゴン1台)
会員資格 日常的に車いすを使用し、バスやタクシーの利用が困難な人
利用回数・目的 特に制限はない
サービス利用可能地域・時間 地域制限なし、年中無休(24時間利用可)
利用料金 基本料金(1,000円)+5キロ以内(50円)+迎車代(300円)
例えば、30分未満5キロ以内の利用の場合は1,350円
市が交付する福祉タクシー券での支払いが可能であり、1枚480円として精算(福祉タクシー券は利用1回につき、1枚のみ使用可能)
 
図2-11 NPO法人さわやかネットの車両
 
2)利用状況
 平成14年度の利用件数は2,705件であり、図2-12に示すように年々増加している。利用者の多くが要介護認定者など重度の移動困難者である。また、知的障害児の養護学校への通学手段として定期的に使われている。
 
図2-12 利用件数の推移
 
 福祉タクシー券での利用は年間996件(平成14年度)であり、全体2,705件のうち約36.7%の利用率である。
 発足当時の趣旨は、移動困難者により多くの自由目的の外出機会を提供することであったが、平成14年現在は「通院」目的の利用(47.0%)が多い(図2-13)。
 
図2-13 移送サービスの利用目的(平成14年度)
 
3)支出(平成14年度)
 移送サービスの年間支出額は、8,443千円である。運転スタッフ2名への支払いは、1人当たり月13〜14万円程度であり、事務スタッフへの支払いを含めた人件費は、年間4,633千円である。
 
4)今後の展望
・常勤運転スタッフへの時間外手当の支給を検討する。
・相乗りでも利用料金が割安にならないため、相乗りでの利用はほとんどない。
・利用者が通院目的だけではなく、社会参加や余暇活動の様々な自由目的での利用ができるように今後対応したい。
・通院手段確保については、行政がより積極的に取り組むことが望ましい。







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