日本財団 図書館


 船梁の差込部は、なるべくキックします。(ガタガタでなく細工を良くするという言葉を使う)従って油を塗って差込みます。差込部の孔開口は、巾を鋸目1枚程(2m/m位)狭く仕上げ、矢を打込む場合、緩まぬ様にとの心使いですが、尚緩い時は矢の先端を更に詰めて(切断)完全に納まる様にします。船梁の取付順序を次に示します。
 
 
(1)まさがいの有る方を先に深く差込み、右端を船首へ寄せ孔に向わせる。
(2)右側の嵌込部に船梁を差込み、左右共、アリ掛に当る迄船首へ寄せる。
(3)左、右の矢を打ち込む。
(4)充分に締めた后(矢を調節して)丸釘でまさがいや矢を固定する。
舷外部分の矢を切断する。
 
二の間船梁及び盤船梁
 之等の材料は腰当などより一段小さくなります。更に上まさがいが付きません。嵌込孔は、腰当船梁と同高さですから、外見では腰当より低く設置された様に見えます。嵌込孔は、全て同一高さとして、外部に更に設置される廻り渕(防舷材)によって各船梁の木口は隠れてます。一の間、二の間船梁は、抜棚面までの長さですが盤船梁丈はけあげ船梁の様に外部へ延し化粧を施します。(之は楢材を必ず使う。)
 
二の間、一の間船梁
 
曳立との連結
 
 二の間、一の間は同じ構造で、盤は材料が楢材 二の間、一の間は椈材です。盤船梁は中心部に曳立が付きます。盤船梁のみ、外面を35m/m程突出させ角面をとり、赤白黒などの化粧を施します。この盤船梁より、やゝ后方から上図の様に廻渕と云う防舷材が付きます。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION