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 海具は杉材の手挽のものですが、木挽職人の方は、造船所の要求に依り、厚い板や薄い板、巾の広いもの、狭いものなどに分けて、或いは次図の様に色々の挽き方をしたのではないかと思います。磯舟や土海船の様な二枚矧型 起船や三伴船の様な四枚矧型も通り前となる所は良い材料を選び上棚より下棚の方は多少吟味し節の小さな方を・・・とします。上縁(上棚の上縁)は多少、白太が有るものも、耳(面)の有るものでも、可・・・とします。之は抜棚で隠れて終まうからです。
 
 
内舷の墨付(内部より見たもの)
戸立内面の高さ(持ち)点を基準として各材の 面(又は 面)の位置を記入と之の印に従って、各材の取付位置が決り、それぞれの材料が取付けられて行く。(床(トコ)は抜棚以前に取付)
 
投げ墨
 墨壺の糸は本来直線を画く道具ですが、之を使って曲線を画く方法です。
A. 目の壺糸を必要としますが墨水を含んだ糸をつまんで弧を画こうとする方向に糸を弾ませて(投げて)曲線を引く方法
B. 画こうとする材料をあらかじめ撓ませておき曲線を画こうとする方向に糸を弾く方法。
 







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