登りや戸立の所は棚板の木目方向と釘の平面方向とは逆になりますので、この部分の鍔ノミの使い方など少々要領が要りますので、少し話します。鍔ノミは先端が下図の様にになっており、先端で板目を切りながら巾方向で木部をつぶしながら打込まれ、先端の厚味が上方より広いため、抜く時も簡単に抜ける様に造られております。
釘の差込孔の作り方
中心と釘巾に相当する上下の位置に鍔ノミを立て(打込み、孔をあける)后に、(1-2-3の順)中心部に釘の平面方向に鍔ノミを上下に振りながら木目をつぶしながら、打込み進ませて板目と直角に近い長方形の釘孔をあける。 |
鍔ノミの先端は右の図の様な形で鋭利な先端は木目を切って進みます。柔かい杉材などは釘孔は全て之で孔をあけるわけです。
さゝり易く、抜け易く、寒さにも折れず、曲らず日本刀の様な強じんさが要求されます。
先端はやゝ巾広の厚さとなりこの巾寸法が鍔ノミの呼名(寸法)となります。
1分ツバとか1分5厘ツバ・・・の様に |
中心の孔を鍔ノミの替りに9φ位の錐で孔を開け上下の鍔孔を利用し、釘の面に添った鍔を打込み・・・という方法もあります。戸立はやゝ同様の方法で通釘を打込みます。戸立下棚の通釘は長いものを使い充分な尾返しの方法を採って固着します。
下棚も上棚も両舷を取付けてから、水平器で確認し、違っておれば支柱で上下させ修復します。下棚が修正しておれば、之で型受けした上棚は同巾であり。問題は無くなります。事前の型受けで開きを決めてますから、それに依るのですが、多少違って来ます。そのため、小型(板図)に有る下記の寸法を再び確認して修正を行います。之等で同時に多数が造られる船も一様に同寸法に出来る事になります。
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