先に書いたと思われますが矧合せた棚板は両面とも平滑では有りません。それは木挽職が挽いた海具にも挽き方の上手、下手というのか、曲りというのか、厚さに二分位の差が有るものがあります。(部分的に)之等を矧合せる時に全て内面へ逃しますので内面は
の様に凹凸が出て来ますが少々は手斧で落し鉋がけとしますが、時には斜に面取り程度で終える事もあります。そのため前に申した様、戸立部や舳部の相手方は取付ける場所は平滑に均す必要がある訳です。
下棚は中央部を先に通り前の摺合せを終えて、この部を先に固着した后に・を取付け、最も手間の掛る
部を最后に取付けます。上棚は
の三ツ角をしっかりと合せ釘止の后、順次・側へ曲げて仮止し、通り前を摺合せの上、登りを固定し
から・に向って順ぐりに釘止を行います。土海船は三ツ角を合せてから、順次、・へ曲げ、袋が出来ない様仮止め、摺合せの上、
から釘止とします。以下にこの作業の事を図で説明します。