【ワシントン19日=佐藤龍二】日米両国政府は十九日午前(日本時間同日午後)、米国務省で外務・防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開き、懸案の「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)見直しに向けた中間報告を了承した。朝鮮半島の危機・紛争を念頭に「未然防止・抑止」のための協力の必要性を強調し、今後の協議事項として、米軍活動に対する「後方地域支援」など五項目を挙げている。来年秋をめどに新ガイドラインを策定することでも合意した。
ガイドライン見直しの中間報告は、四月の見直し合意以降の実務者レベルの日米防衛協力小委員会(SDC)の作業結果をまとめたもので、「見直しの目的と考え方」「おもな研究・協議事項」の二章構成。このうち、研究・協議事項は(1)平素からの協力(2)情勢緊迫時を含む日本有事(3)日本周辺の重要事態−の三分野で計十項目を例示した。
とくに、現行ガイドラインで規定されていない日本有事以外の「周辺事態」への対応について「危機発生前から終了後の全段階」を通じた日米協力が「より効果的に(紛争の)未然防止、拡大抑制、収拾を図り得る」と強調、米軍の事前の部隊展開などへの協力体制を構築する方針を明示した。
具体的には、(1)人道的援助活動(2)非戦闘員を退避させるための活動(3)米軍による施設の使用(4)米軍活動に対する後方地域支援(5)自衛隊の運用と米軍の運用−を列挙。「後方地域支援」は、戦闘地域以外での補給などの後方支援策を検討する。
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