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1995/11/08 毎日新聞朝刊
新防衛計画大綱の原案<要旨>
 
 七日の安全保障会議に示された新「防衛計画の大綱」の原案要旨は次の通り。
一、趣旨
 冷戦の終結等により国際情勢が大きく変化し、大規模災害への対応や国際平和協力業務の実施など安定した安全保障環境構築への貢献の分野でも自衛隊の役割に対する期待が高まってきたことをかんがみ新たな指針を明示する。
二、国際情勢
 領土問題や宗教上の対立、民族問題の対立は顕在化し、大量破壊兵器の拡散など新たな危険が増大し依然として不透明・不確実。わが国周辺では軍事態勢の変化がみられるが、朝鮮半島は緊張が継続し不透明・不確実。
三、わが国の安全保障と防衛力の役割
 <防衛の基本方針>略。
 <防衛力の在り方>日米安全保障体制がわが国の安全と周辺地域の平和と安定に引き続き重要な役割を果たすとの認識に立てば、今後とも「基盤的防衛力構想」を踏襲するのが適当。主たる任務は防衛であることを基本に、大規模災害等の事態にも備え、適時適切な役割を担う。機能の充実、質的向上を図り、多様な事態に有効に対応し、適切な弾力性を確保する。
 <日米安保体制>わが国の安全と周辺地域の平和と安定のために必要不可欠。(1)情報交換、政策協議等の充実(2)共同研究、共同演習・訓練、これらの相互協力の充実を含む運用面の協力態勢を構築(3)装備・技術面での幅広い相互交流(4)在日米軍駐留のための各種施策の実施――が必要。
 <防衛の役割>わが国の防衛=日米安保と相まって侵略を未然防止。核の脅威は縮減しつつ米国の核抑止力に依存。間接侵略や軍事力の不法行為には即応して早期に事態収拾。直接侵略は即応して行動し米国との協力の下、極力早期に排除。
 <大規模災害各種の事態への対応>略。
 <より安定した安全保障環境の構築への貢献>略。
四、わが国が保有すべき防衛力の内容
(1)陸上自衛隊=地理的特性等に従い均衡ある配置をされた師団と旅団を保有。即応性の高い予備自衛官を充当など▽海上自衛隊=常時少なくとも一個護衛隊群を即応態勢で維持する一個護衛艦隊を保有するなど▽航空自衛隊=ほぼ全空域を常時継続的に警戒監視し警戒管制できる航空警戒管制部隊を保有。航空偵察、航空輸送等の効果的な作戦支援を実施し得る部隊の保有など。
(2)各種の態勢=略。
(3)防衛力の弾力性の確保=略。
五、防衛力の整備、維持及び運用の留意事項
 将来情勢に重要な変化が生じ、防衛力の在り方の見直しが必要になると予想された場合、情勢に照らして(大綱を)新たに検討など。
 
 
 
 
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