第1分科会 家族会と市町村
スムーズな連携を図るために
熊本県有明保健所保健指導係長 萩原ひとみ
1. 有明地域の概要
管内市町:2市8町
人口:181,125人 世帯数:61,547世帯(H13.3.31現在)
精神保健通院医療費公費負担受給者数:1,340人(人口万対77人)
精神保健福祉手帳保持者:637人(人口万対36人)(H14.3.31現在)
精神科病院 4ヶ所 診療所1ヶ所
共同作業所 2ヶ所
グループホーム 1ヶ所
福祉ホーム(B型) 1ヶ所
地域生活支援センター 1ヶ所
通所授産施設 生活訓練施設 平成15年度開所予定
2. 有明地域の精神保健医療福祉のあゆみ
S |
53 |
年 |
荒尾保健所、玉名保健所で社会復帰相談指導事業(デイケア)開始 |
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玉名郡市地域精神障害者家族会発足(市町分会5市町) |
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通院患者リハビリテーション事業開始 |
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玉名地域精神保健連絡協議会設置 共同作業所「玉名きぼうの家」開所 |
H |
4 |
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精神保健ボランティア「里いもの会」発足 |
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5 |
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荒尾・長洲地域精神障害者家族会発足 |
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7 |
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共同作業所「荒尾きぼうの家」開所 |
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9 |
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回復者クラブ「虹の会」発足 |
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10 |
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有明地域保健医療福祉連携協議会精神小委員会設置 有明地域精神保健医療福祉連絡協議会設置 |
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11 |
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有明地域精神保健福祉計画策定 |
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13 |
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有明地域こころのネットワーク推進事業実行委員会設置 |
3. 有明地域の精神保健医療福祉活動
(1)家族会活動と市町村行政
(2)市町村の精神保健福祉活動
(3)ともに生きる地域づくり
○住民会議による有明地域精神保健福祉計画「ともに生きる明日へのメッセージ」策定
○ハートフルクリスマスコンサートin ARIAKEの開催
第1分科会 家族会と市町村
スムーズな連携を図るために
福岡市しののめ福祉会会長(家族会) 藤島芙美子
130万人が暮らす福岡市に、未だに精神障害者授産施設と生活支援センターが無いということは本当に恥ずかしいことなのですが、敢えてその実情を知っていただき、施設づくりを目標に行政と共に歩んでいる今の姿を皆様に知っていただきたいと思います。
家族会が、しののめ法人化をすすめる会を建ち上げたのは、1999年(平11)6月のことです。つくるに際しては、市有地の無償貸与を申し出まして、翌年からは請願署名活動にも取り組み、3千数百名の署名と募金を集め提出しました。2年後の8月、しののめ福祉会単独ではなく、全作業所で取り組んでほしい旨の、市から申し入れがあり新体制で設立準備委員会をつくり直し、今日まで継続検討準備を重ねてきました。
一方、2002年6月には、福岡市南区大楠一丁目の児童相談所跡地が精神障害者社会復帰施設設立に活用されるとの市側の説明会が開催されました。設立について地域の中で賛否両論入り乱れたことは言うまでもありません。
精神障害者の施設づくりに関して、全国あちこちで未だにその建設に対し反対が絶えないのですが、福岡市大楠地区に於いても同様の状況が起こりました。
最初の説明会の折、冒頭から反対意見が交わされた中、2〜3人の方が賛成の意向を述べて下さり、聞いていてほっとしたことを憶えています。8月以降、精神障害についての学習会や、施設見学等が急遽始められたのですが、大楠地区の中で強硬に反対する人が何人か居られるということを知らされました。そのことはまさに精神障害者を理解する為の啓発が行き渡っていなかったということであり、その要因の一つに、地域に小規模作業所が無かったことが大いに影響しているのではないかと考えています。精神保健に長く関わってきた者として、啓発活動の遅れについて、自責の念に耐えないところです。
その後、昨秋から新年にかけ、大楠地区を四つのブロックに分け、ブロック毎の説明会(学習会)が開かれていまして、“是非、施設をわが町に誘致し、皆で支え合って暮らす街をつくっていきましょう、福祉を発進する町にしていきたい”等々の声が広がりつつあると聞き及んでいます。
福岡市、福岡市民生委員児童委員協議会、市社会福祉協議会、市障害者関係団体協議会等々、多くの団体の力強い応援をいただいていることであり、それに加え、何よりも本当に多くの方々から賛助金が寄せられ続けている待望の施設設立です。気持ちを引き締め、怠りない準備をしていかねばならないことを改めて思う次第です。
難関は、まず公募、それに続く審査、経費、改修工事等々、反対を唱えている少数の方々については、実践の中で少しずつ理解を深めていただくことしかないのではないでしょうか。様々なことから勘案し、スケジュール上設立時期は、「2003年10月」目標です。
新たに創り上げていく施設では、ユーザーの力を生かしていくことを基本におき、人と人との交流の場としての機能を果たしていきたいものです。
第2分科会 当事者
隠さない生きかた!
長崎県精神障害者団体連合会会長 貴島幸信
私は発病して15年程になります。病名は統合失調症で、陰性症状が残り、うつ病でもあります。
発病後、何度か就職し働きましたが、長続きしませんでした。その後長崎県精神障害者団体連合会発足と同時に患者会活動に参加し始めて、病識をもち、病気のことを受容できました。何年か前までは、健常者になろう、近づこうとしていました。しかし1日8時間働くというのは私にとって無理なこと。これからは精神障害者として生きていくつもりです。今現在、ピアカウンセリングをしたり、作業所で指導員をしています。指導員といっても指導はしません。出来るだけ皆の話を聞くようにしています。なまけた指導員です。友達にも病気のことを話していますが深いことは私には聞きません。
私は病気を克服したとか、病に打ち勝ったとは思っていません。病と上手に付き合っていくようにしています。ちょっと悪いなあと思えば、2泊3日、3泊4日位で入院しています。
これからも病者として、精神障害者として生活していく所存です。
第2分科会 当事者
隠さない生きかた!
福岡県精神障害者連絡会 事務局長 山梨宗治
I 本来の自分を隠さず自分らしく生きるためには
多くの当事者は、自分を見出せないような環境の中で生きている。かくされてしまった、本来の自分を見つけることから隠さない生き方ができる。
また、私自身、精神障害者セルフヘルプグループ(当事者会)も運営しているが、当事者同士の相互支援の中で、本来の自分に価値観を見つけ、結婚し、現在6ヶ月の子供とともに生活をしている。
今まで、自分の本来の姿を見つけることができず、暗く隠れてきた人生を歩んできたかを当事者活動のなかで考えてみた。
II 本来の自分を隠してしまう、精神障害者を取り巻く社会構造
(資料1を参照)
III 当事者の活動をすることで見つける、隠さない生き方(自然体)
1ピア(仲間)とともに歩む
福岡県精神障害者連絡会の自然体
(資料2参照)
第2分科会 当事者
隠さない生きかた!
うき同志会代表(熊本県) 江崎公一
1. 精神障害者として仕事をした体験発表
(1)隠して就職した場合。
(2)精神障害者として就職した場合。
(3)途中で精神障害者であることがばれた場合。
体験を通しての精神障害者の就労問題に関する私の考え方。
2. 精神障害者の自立
(1)金銭管理の重要性
(2)遊びの重要性(ストレス解消法)
(3)相談を受けた事例発表
3. 当事者会活動
(1)仲間会「りんどう」代表徳山さんとの出会い。
(2)うき同志会の現状
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