日本財団 図書館


◇制度への疑問−自立支援ができているか
1)時間給/1年
 自立支援とかけ離れていて、利用者の言うとおりのことをハイハイとしていて、“これは自分でできますネ”とでも言えば、利用者は苦情を入れる。
 介護保険制度導入から、利用者は1時間ないし2時間を、あれもこれもと仕事を言う。お金を出しているから、自分でできることも言う。
 
2)時間給/2年
 私自身は、年齢が高くなってから始めたので、現在以上の働きをしようとは思っていないが、ヘルパーという職業に対する一般的な考えでは、もう少し資格の内容を高度にして(例えば簡単な医療行為ができる講習時間を増やす)、社会的地位−身分保障を確立しないと、お年寄りは安心してまかせることができないと思う。
 
3)月給/
 常勤3年目であるが、チーム運営の面で十分な訓練がなく手探り状態。非常勤職ヘルパーからの疑問・不安にも、経験、時間の余裕がなく応えきれていないと思う。
 意欲を持って働けるよう、雇用収入の安定が必要と考える。
 研修、カンファレンス等に当てられる時間が少ない。家事型が多いため、介護の場面でむやみに不安になったり、腰が引けてしまうヘルパーもいる。研修を充実させられるよう望む。
 制度設立の当初にあった家族の介護負担の軽減ということは、どこかへ消えてなくなってしまった。利用者・家族にとっては、先に「枠」があり、それに自分たちの暮らしを合わせることに違和感があると思う。
 枠の存在は制度上、ある程度仕方がないが、現実にそぐわないことが多すぎる。札幌で勤務しているが、これだけ施設の多い都市でも、入所・入院・ショート・デイ共に、順番待ちの大行列である。
 ケアマネージャーは、担当人数が多過ぎて、一人一人の意を汲めるような活動実態ではないようである。また、利用者の意志よりケアプランが優先するかのような物言いをしたり、利用者に対しての尊重の念の欠如を感じさせる対応がみられる。
 現場ヘルパーの意見や、せめて情報をきちっと受け止めて、それを生かした仕事をし、利用者の利益に繋がることを考えてプランを立ててほしい。
 
4)月給/
 介護保険導入により、身体・家事・複合になったが、どの場合で訪問しても、身体だから家事だからと分けて援助しているわけではないのに、金額が違うのはおかしい。どの場合でも精神的に疲れている。
 給料も安い。上司の人は高いのに、現場で仕事しているのはヘルパーだし、現場で事件は起きているはずです。アドバイスしてくれる人も大切ですが、給料の差がありすぎです。
 
5)月給/
 利用者の自立のための支援として本当に機能しているのか疑問。個人対個人の仕事なので、正当に評価されにくい。利用者にヘルパーの役割をきちんと理解してもらわなければ、家政婦と何ら変わらない扱いを受ける。
 明らかに精神疾患と思われる利用者には、もっと上司が深く関わってほしい。なじられ、罵倒され、人格否定され、仕事をしていく気力が失せてしまう。ヘルパーの人権をもっと考えてほしい。
 
6)時間給/
 労働条件は悪くなる一方で、記録記入費はカットされ、もちろん移動時間の賃金はつかない。個別援助計画のための打合せは、どんなに時間が(2時間かかろうとも)かかろうとも1件15分の賃金しかつかず、引継ぎも同様で、あとのかかった時間はボランティアの強要?
 このように考えると空しくなるので、自分のための充実した仕事をするための勉強をさせてもらっているのだと、自分に言い聞かせている。引継ぎ書類作成も家でやっている。お金にならず−
 家事の、特に掃除の時に思うことだが、厚労省のガイドラインが出たが、個々人でライフスタイル、物の価値観が違うので、ヘルパー2級研修でも、介護福祉士の勉強でも、その人なりの生き方を尊重すると、綿棒・爪楊枝を使ったり、浴室の壁を毎回拭いたり、漂白剤を使ったりといろいろで、浴室の掃除に毎回1時間かける、居間の掃除を毎回1時間かけるって必要なの?公的保険でここまでやるの?私達が介護保険を使う時代に、果たしてここまでやってもらえるのかなと思います。
 その人の生き方を尊重すればいいのかなと思い、もっと介護で困っている人がいるのではとも考え、気持ちは複雑です。利用者、利用者の家族に満足してもらえるサービスを提供できるようにと、自分の1コマ1コマを大切にしているつもりで、皆んながんばっていると思うのです。
 一人じゃない、皆んなで、ヘルパーの地位確立、労働条件改善の為に何ができるのか。自分の声を、意見を出し合って上(政治)に届けねばと思います。いつ又辞めたくなるかわかりませんが・・・。今の所、職場の仲間に支えられて、なんとか続いています。
 
7)時間給/7年
 介護認定されても、限度額を利用者が使わない。何が原因なのか。介護予防という考えが、利用者に何もない。
 ケアーマネージャーの力量がない。(経験がない、若すぎる)
 市の介護保険課の職員が勉強不足。
例:40〜64歳迄、15の疾患があれば介護保険が適用になるのだが、病名が違っているだけでヘルパー派遣できずと答えている。
 利用者のニーズが100%とまでいかなくても答えるべきである。ヘルパーはケースバイケース、何をやってもよい。(旅行へ行くこと、カラオケ、酒飲み会、花見、散歩、マージャン、パチンコ)
 
8)月給/3年
 介護保険が導入されてから経営状態が悪化した。手当等の給与面、貸与品等の中止等、多面的に雇用状態が悪くなっている。
 並行して、利用者教育がされていないための、利用者とヘルパー(または事業所)間のトラブルも増えていると思う。
 家事援助に関しては、公的なお金を使って個人のためにこれまでを援助すべきなのかどうか、疑問に思うケースが多々ある。
 本来、家事援助も利用者の現在のADL維持目的に行われるべきなので、介護ととらえるべきだと思う。その上で、掃除等は必要以上の部分に関しては、介護保険と切り離して考えた方が良いと思う。
 
9)時間給/1年
 長期的介護を行う利用者と、ヘルパーの介護への思いが歩み寄り、心豊かな介護が続けられる世の中になるとよいです。
 
10)時間給/1年未満
 ヘルパー資格を1年前に取得。350時間勉強した。しなかった人と比べ、知識も違うし、初対面でも感情からして違う。
 現場もだが、それ以前の機関、学校等も問題あり。人と人が接するのだから、親子、夫婦、友人、知人で問題あって当たり前。その中で、動く介護、また保険制度を見直す方が先だ。すべて、あっちこっちに手をのばすのは中途半端すぎる。
 
11)時間給/2年
 介護の仕事をして、それほど経験は長くない(東京で4ヶ月、北海道で約2年)。その間に介護保険が導入され、感じることがある。「介護保険とは何だろう」ということ。
 地域性もあるのかもしれないが、また一部のことでもあるのだが、介護保険という傘下で、福祉の意味が変化しているように感じることがある。保険下で見えてくるものは、利用する人達の権利、働く者の権利が強く前に出てくるもの。これは質の向上を考えると、大変良いものと思う。
 しかし、ごく一部とは思われるが、利用する人達の考え方により、利用者の自立を阻むことになっているのではないかと感じずにはいられない。利用者には当然権利があるのだが、その権利を使うことにより、利用者自身の自己決定権を介護保険が奪ってしまっているのでは不安になることがある。
 平成12年4月以降、大きな産業が動き始めたように感じている。現在、民間企業の登録ヘルパーとして働いているが、事業所もまだまだ手探り状態で、一貫性のある答えが返って来ない。仕事の内容、賃金、交通費、稼働時間など、不満や質問はたくさんある。決して納得しているわけではないが、利用者も事業所も、ヘルパーにも、まだまだ時間が必要なのではないか。
 
12)月給/5年
 介護保険という制度の利点が見えないところ。仕事の内容が大きく変化する事もあれば、変化ないところの差が大きい。給料に響く仕事もある(訪問先の事情)
 
13)月給/
 介護保険制度導入前より要求度が高くなったし、ケース自身もう少し、精神的に自立してほしい。
 医療側に、必要に応じての往診、訪看施行。必要がないのに、行っていることが目に余る。
 
14)月給/6年
 介護保険制度自体が、利用者にもヘルパーにも見えづらく理解されていないため、もう少しわかりやすくしてもらいたい。また、横のつながり、他機関との関わりに困難を感じるので、その点上手な解決方法があればと思う。
 
15)時間給/
 複合型介護、家事援助の労働はとてもきついのに時間給が安いと思う。1日の稼働(移動も含む)をこなすには大変な部分がある。
 ヘルパーは受身を強要されるので、ストレスがたまり、ヘルパー同士の交流もないので、他のヘルパーがどのようにしているかわからず、家族にも話せないので困る時がある。
 また、財産がありながら介護保険を利用するために、体調を重く見せていることにも憤りを感じる。
 
16)月給/
 介護保険になってからサービス提供内容がシビアになり、事務作業が増えて、帰りが遅く、家族の食事作りができない。
 残業手当の時間が決められているが、それでは仕事をこなせない。仕事の量が増えて、それに見合った賃金はない。
 利用者は、ヘルパーの役割を認識していない。家政婦扱いの人がいても、事務所は解決するまで動いてくれない。担当するヘルパーが体調を崩すこともある。
 行政は、骨組みは成功したと思っているかもしれないが、現場では厳しい労働を強いられている。ヘルパーがつぶされても、お客を優先する制度で良いのか。今の状況では、ヘルパーになる人がいなくなるかも。募集しても来ない。人手不足が目に見えている。
 私は常勤なので安定しているが、非常勤の人達の賃金(収入の不安定)では、意欲が持てないのが現状である。
 
17)月給/1年
 労働と賃金が見合っていないと思う。「身体」でも楽なものもあれば大変なものもある。「家事」は、一般的にどれをとっても大変。「身体」だから大変、「家事」だから楽、だから「身体」が高く、「家事」が低いというのは変だと思う。どちらも大変。
 
18)時間給/2年
 利用者に対して「そこまで要求されるのか」と困惑することがあるが、それに対して事業者からの理解のある言葉はありがたいと思うが、あまりにも利用者を避難する言葉(クールさ)を聞くと、がっかりすることがある。
 ヘルパーは、利用者を理解せずに非難する気持ちが出てしまっては務まらないので、事務所の金銭面的な考えが見えすぎると、むなしくなる。
 
19)時間給/1年
 ヘルパーを始めてやっと1年になったばかりで、仕事や技術を覚えることで精一杯である。利用者の考えは変わらない。家政婦のおばさんと思っている人が多い。時間内を目いっぱい使ってやろうとする人がいて、その利用者に対しては仕事だと割り切れない感情がある。
 自分でできることは、なるべくしてもらうようにしたいが、現実はしない人、できるのにしたくない人が圧倒的に多い。高齢者の生活を変えるのは無理だと思う、今日この頃。
 
20)月給/5年
 他事業所、他機関との連携が重要になってきている。看護職との情報交換や、仕事の理解が不足している。ヘルパーは、お手伝い、掃除の人の様な位置付けで、利用者に対して専門職としてのヘルパーを認識してもらうためにも、身分保障や社会的地位の確立が急がれる。何より、ヘルパー自身の意識も統一されなければならない。
 介護職の認知がなされ、質の良いサービス提供者となりたい。
 ヘルパーの仕事に誤った考えはあるのか。病院関係者等による活動の分配、ケアプラン提供表に、実態に合わないサービス区分、活動内容があるのが残念に思う。
 せっかく良い介護保険制度下においても、利用者本意ではない、事業者の思惑によるサービス提供者選びが行われている。本来、利用者の取り合いがあってはならないのに、セールス的要素が強くなってしまっている。競争の原理も理解できるが、利用者の知識不足を解消していってほしい。
 
21)時間給/1年未満
 ヘルパーになって未だ3ヶ月なので以前とは比べられないが、利用者にとってしてもらいたいことは、してあげたい。移動時間のロスがあるので、時間給が少なくなる。在宅介護をする人にとっては大変お金がかかるので、問題があると思う。
 
22)月給/
 事業所の常勤をしているが、家事援助に対する理解が足りず、できるだけ身体介護の方に力を入れるよう指導される。売り上げ、収入面が、家事と身体ではあまりにも差がありすぎるからで、本来の「自立援助」から家事援助が無くならないと信じている私としては、その際(指導面)の話し合いが不満だ。
 
23)月給/
 介護保険の本来の目的は、あくまでも自立支援だと理解していたが、利用者との意識のズレが大きくなって、お金を支払っているのだから、何でもやってもらってあたり前と感じている人が多く、依存度を増しているような気がする。
 特に、「家事」は、同居している家族がいる場合の線引きが困難。一例をあげると、非常に古い家屋(わらぶき屋根)で、故障して湯沸かし器も使えない厳寒に、かなりの量の鍋や食器を洗う時などは、せめて修理の依頼をヘルパー側からできないのだろうかと考えることがある。(家族は、必要性を感じていないようだが)
 また、仕事に関しては、公平なサービス提供と明確な措置が必要かと考える。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION