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28. なぜヨットは風上の目標に行くことができるのか
 
図61
 
 
 風に吹かれ進むヨットが、なぜ風上の目的地にいけるのかは、不思議な疑問です。飛行機が飛ぶ原理と同じ力を利用しています。飛行機の翼に勢い良く空気がぶつかります(図61)。
 
図62
 
 
 ぶつかった空気は、翼の表と裏に別れます(図62)。翼の角度によりますが、両方の空気が翼の後ろまできれいに流れると、翼の丸い側(表)に翼を持ち上げる力が生じます。この力の原理は、表側の圧力が裏に比べて小さくなることから生じる力です。表は空気の流れは速く圧力が小、裏は空気の流れは遅く圧力は大になります。(ベルヌーイの定理)この翼の上に働く力を揚力と呼び、この力で飛行機は浮き上がるというわけです。
 
図63
 
 
図64
 
 
 ヨットのセールも飛行機の翼のような断面をしています(図63)。そしてセールにあたった風は、セールの裏表に流れ、揚力Aを作り出します。
 このAの力は、ヨットの進行方向の力Bと横方向の力Cに分けることができます。力を分けて考えることは、図64のような荷物を動かす経験から想像してください。このように力は強さと向きがあり、合成したり分解したりできベクトルと呼ばれます。
 また図63に戻りましょう。AはBとCに分けて考えることができます。
 図65を見てください。ヨットの水面下の様子です。ヨットには他の船には見られないセンターボードという長い板が差し込んであります。この板は横方向には大きな面積ですが、正面から見た進行方向の断面積は少しです。
 
図65
 
 
図66
 
 
 センターボードは、ヨットの横方向の力Cに対抗して、その力のほとんどを打ち消してしまいます。また進行方向の力Bにも少しだけ対抗しますが、抵抗はわずかです(図66)。残った進行方向の力bと横方向の力cと合わせるとdの力になります。dの力はヨットをDの方向に進めることになります。風向とDの方向を見ると、風の吹いてくる方向に向かって鋭い角度(40〜45°)で進むことが分ります。実際は船首方向と少しずれて横流れ(リーウェー)をしながら進みます。
 風に対して40〜45°でジグザグに、斜に横切ることをくり返すと、風上の目標物に到達できるわけです(図67)
 
図67
 
 
29. 陸上のプログラム
 
(1)ヨットビンゴ
 個人またはグループで、4×4(5×5)の表を作り、その中にヨットの用語を書き入れます。別にヨット用語を一つ一つ紙に書き、くじとして折り、箱の中に入れておきます。代表がヨットくじを引き、同一の名称が当たれば、自分たちの表の名前を消していき、立て横、斜にそろえば上がりです。上がりの早さを競うゲームです。残り一つで上がる時、つまり4つ並んだら「ビンゴ」と声をかけます。友だちの名前や用語の種類を増やすなどでバリエーションを増やすことができます。荒天時にはこんなゲームも楽しいものです。
 
ラダー メインシート ビーチリーチ マスト
クローズボールド バテン ブロック ジャイブ
バウ 友達の名前 センターボード ティラー
ブームバンチ ハイクアウト テルテール
 
図68 ヨットビンゴ
 
 
 その他のプログラムとして、以下のものが研修会では上がりました。
 研修会で紹介したり、情報の交換をしたいとおもいます。
 綱引き、絵書き、アドベンチャートリップ、シュミレーション、ビーチクリーン、ヨット整備、ロープワーク、座学(理論学習)(セーリング、ナビゲーション、気象)
 
参考文献
飯田稔、山下和雄、箱守康之:ジュニアヨットスクールのための教本 ヤマハ発動機1990年
小沢吉太郎:図解コーチヨット 成美堂出版1981年







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