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10. 練習5 微風ジャイブから始めよう
 前のコースに余裕ができたら、風が強くない時に、図36のコースを回ってみましょう。(3)のマークを反時計回りに回ります。タック回りとは逆回りのセールの出ている方に回ります。風軸をすぎてセールが反対側にかわります。この風軸を越えるような風下回りの方向転換をジャイビング(ジャイブ)といいます。風が強い時のジャイブは、ブームが勢い良くかえり、頭を打って(ブームパンチ)危険です。低い姿勢で準備します。
 はじめは風の弱い時だけに行い、練習を重ね上手くなったら、徐々に強風でも挑戦しましょう。強風時のジャイブは、ブームパンチや沈をしやすく、危険性の高いむずかしい技術ですから、すこしずつ熟練度を高めて行きましょう。風向をマスト上の風見で見るとうまくいきますが、上を見ていて、ブームがぶつからないように気をつけましょう。マストの前に風見を取りつけるのもいいでしょう。
 
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図36 ジャイブ(ジャイビング)
 
注意 ブームが返ってくるので、頭をぶつけないように、ジャイブは大きく回ろう
強風時には勢い良く返ったセールの衝撃で沈しないように体重の移動が必要です。
ヘルメットを用意してもいいでしょう。
11. 練習6 進路変更(ラフィングアップ)の操作
(下三角コースで進路変更の練習)
 ラフィングアップ(風上方向の進路変更)、略してラフの練習です。下の図37のコースを走ります。(3)のマークで、風上に進路が変わります。ティラーを押しながら、セールを引き込むことを意識して練習します。
 
図37 ラフ(ラフィングアップ)
 
12. 練習7 ひし形コース
 ヨットが方向をかえると、ラダーの操作と共に、セールも操作をしなければならないことが理解できたら、ひし形のコースを走り、ラフイング、ベアリングの操作を両方練習しましょう。慣れてきたら、逆回りもやってみましょう。(あまり風上にマークを打たないで、平たいひし形がいいですね。)
 
図38 ラフ&ベア
 
 
(1)ヨット鬼ごっこ
 ひし形のコースをスムーズに回れるようになったら、ひし形の中で、鬼ごっこをやってみましょう。柔らかなボールを用意して、ボールを船内に投げ入れられたら、鬼が交代します。海に落ちたボールは投げた人が拾う義務があります。うまく拾えない時や、いつも鬼になってしまう友達には、クモ網をハンデーキャップとしてあげましょう。ボールの大きさや固さなど、ゲームが面白くなるように自分達で話し合って道具やルールを変更してもかまいません。レェフリーをつけたり、ひし形の外に流れたボールは、コーチにスローインしてもらいましょう。
 夢中になって、ブームパンチをもらわないように注意しましょう。ひし形から大きくはみ出ないこと、船をぶつけないように、海の交通ルール(図58〜図60)を勉強しておきましょう。混乱してわからなくなったら、ひし形のどこかの一辺にもどって出直しです。
 
13. 練習8 テルテールセールトリム1
(フリーセーリングのセール操作)
 ヨットを目標に直接向けて走れる時のセールトリムについて練習しましょう。平ひし形のコースを走れるようになり、余裕ができてきたら、より効率的なセール操作を習得して、セーリングの質を高くしましょう。
 図39〜図41は、ヨットが自分の行きたい進路を正しく向いている時のセールの状態です。
 この時、セールの裏表に張りつけてあるリボンを見ます。このリボンのことをテルテールといいます。セールの裏のテルテールは見えにくいですが、透けてみえます。両方が平行に流れている時は、セールを流れる風はきれいに流れ、作り出されるパワーも最高になります。両方がきれいに流れるようにセールを出し入れする操作を習得しましょう。ラダー操作で目標の進路を維持しながら、テルテールが裏表できれいに流れるようチェックしながら走ります。できるだけテルテールに集中して走りますが、他のヨットとの衝突や進路から外れないようにすることは改めて言うまでもありません。
 
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