(8)着艇
セールから風を逃がしてやると推進力がなくなり止まることがわかりました。ブレーキのないヨットは、風にヨットのバウを向けることで惰性がなくなり止まります。この原理がわかれば、着艇は、セールをゆるめて滅速をして、自分の止めたい場所でヨットを風位にたててやればいいことになります。さらにセンターボードとラダーを海底にぶつけてこわさないように上げます。早く上げ過ぎると横流れをしたり、舵取りができなくなります。砂浜ならちょうど太ももくらいの深さで立てる深さ、桟橋なら移れる距離で止まれなければなりません。最初は大人に受け止めてもらっていいですが、艇速があり過ぎるとお父さんやコーチに激突してしまいます。少なくても風向きを考えて減速、停止の原理を使い、スローダウンして着艇しましょう。
図32 いろいろな風向と着艇
二人乗り8の字コースの基本帆走に慣れてきたら、一人乗りに挑戦です。風のあまり強くない時が挑戦のチャンスです。今まで二人で分業していたラダーの操作、セールの操作、バランスの操作を一人で行います。衝突や沈をしないようにセーリングしましょう。一人乗りのため新しく、タックの時に風上サイドヘの座り換えと、ティラーとシートの持ち替え技術が入って来ます。陸上でも椅子を並べてシュミレーションできます。座り替えるたびに座る位置が後ろに移動しないように気をつけましょう。
図33 タック動作
(1)ティラーを押す、ヨットが回って、ブームがセンターに寄ってくるのを待つ。
(2)ブームをくぐって立ち上がる。この時エクステンションティラーを立てて、前を見ながら座り換える。ティラーを持つ手とシートを持つ手は体の前後で、よじれたままである。このままでも舵取り操作ができるように練習しましょう。
(3)座り換えたら、シートを持つ手を、(シートを引く張力はそのままで、)滑らせて、ティラーを持つ手まで持っていき、シートとティラーを交換する。
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図34 陸上シュミレーション
(上三角コースで進路変更の練習)
8の字の基本コースをスムーズに走れるようになったら、少し風上にもう一つマーク(2)を増やします。新しいマークのところで、風下への進路変更を練習します。風下方向(セールの出ている側)への進路変更をベアリングアウエー(ベア)といいます。
進路の変更には、船の進路を変えるためのラダー操作が必要ですが、これと同時にセールも出し、再トリム(調整)して正しいセーリングを意識して練習します。
図35 ベア(ベアリンアウェー)
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