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6. 付録
 
(1)帆船の種類
 セールに風を受けて走る大型の船を帆船(“ハンセン”と読む)と言います。英語ではSailing Ship、Sailing VesselあるいはTall Shipと言われ、セールとマストの組み合わせ方により、いろいろな型式のものがあります。大きく分けると、セールを船体の前後方向に取り付ける縦帆(ジュウハン)型と、船体の横方向に取り付ける横帆(オウハン)型です
 
 
(資料:『航海図鑑』P.16、独立行政法人(旧運輸省)航海訓練所編、海文堂)
 
 
 
(2)天気に関することわざ
A:動植物に関するもの
1. 雀が水を浴びる→晴
2. 鳥や蜂が木の下の巣を移したり、巣を丈夫にしようとする→暴風雨
3. 猫が頭を耳越しになでる→雨
4. とんびが高く飛ぶ→風
5. 早朝に鳥がなく→雨
6. 夕方遅くまで鳥が食物を探す→雨
7. からすが早く巣に帰る→雨
8. にわとりが不安がる→雨
9. 昆虫が多く飛ぶ→雨
10. ぶよが群がる→雨
11. 蛇が木に登る→雨
12. 魚が水面に踊る→雨
13. 川魚がよく釣れる→雨
14. 雨蛙がしきりに鳴く→雨
15. 樫の根元がしめる→雨
16. 岩石が汗をかく→雨
17. 飯粒が茶碗に付かず、きれいにとれる→雨
 
B:自然現象に関するもの
1. 天気の変化は西より東に移る
2. 前ぶれがなければ天気は変わらない
3. 日がさ、月がさ→雨
4. 朝やけ→雨、夕やけ→晴
5. 朝ぐもり→晴、夕ぐもり→晴
6. 朝にじ→雨、夕にじ→晴
7. 夜明けの星が光る→雨
8. 遠くの山がよく見える→雨
 
 
10. 暗夜に星が光る→雨
11. 遠くの音がよく聞こえる→雨
12. 風がないのに電線がうなる→雨
13. 海鳴りと土用波→台風
14. 波状雲→雨
15. 羊雲→晴 16. 海陸風の乱れ→嵐
17. 雲が走る→強風 18. 笠雲が山にかかる→雨
19. 上層雲と下層雲の方向が違う→風雨
20. 東風→雨、西風→晴 21. 富士山の笠雲→強風吹き出し
 
 
(3)風の強さと波のようす
 帆走を行うときには適切な風の向きと適度な風の強さとが大切なポイントとなります。風の吹いてくる方向を“風向”と呼ぶ。風の強さについて、風の速さで示すときには“風速”(単位は“m/秒”または“ノット”で表わす:1ノット=0.514m/秒)と呼び、その風速をO〜12までの13段階の階級(“ビューフォート風力階級”という)で示すときには“風力”と呼びます。
 天気が穏やかに安定し、風力も一定しているときは、まさしく帆走日和ですが、風が強くなったり弱くなったりしているように、息をしているような風力不安定のときは、帆走の実施に当たり救命胴衣の着用は言うまでもなく、団員の技術的なレベル、リーダーの員数、今後の気象変化、陸上との連絡方法等さまざまな条件を十分に検討する必要があります。
 広い海域で長時間にわたり、強い風が吹くときには、風によってできる波は大きく発達します。風の強さと波のようすについて、次に示す気象庁風力階級表を参考にしながら、帆走海域の風と波の状況を把握しなければなりません。
 
ビューフォート風力階級表
風力階級 説明(海上)
陸上は省略
開けた平らな地面から10mの高さにおける風速 おおよその波高
ノット m/sec m
0 鏡のような海面 1未満 0.0から0.3未満  
1 うろこのようなさざなみができるので、波がしらに泡はない。 1以上4未満 0.3以上1.6未満 0.1(0.1)
2 小波の小さいもので、まだ短いがはっきりしてくる。波がしらはなめらかに見え、砕けていない。 4以上7未満 1.6以上3.4未満 0.2(0.3)
3 小波の大きいもの、波がしらが砕けはじめる。泡はガラスのように見え、ところどころに白波が現われることがある 7以上11未満 3.4以上5.5未満 0.6(1)
4 波の小さいもので、長くなる。白波がかなり多くなる。 11以上17未満 5.5以上8.0未満 1(1.5)
5 波の中位のもので、いっそうはっきりして長くなる。白波がたくさん現われ、しぶきを生ずることもある。 17以上22未満 8.0以上10.8未満 2(2.5)
6 波の大きいものができはじめる。白く泡だった波がしらの範囲がいっそう広くなり、しぶきを生ずることが多い。 22以上28未満 10.8以上13.96未満 3(4)
7 波はますます大きくなり、波がしらが砕けてできた白い泡は、すじをひいて風下に吹き流されはじめる。 28以上34未満 13.9以上17.2未満 4(5.5)
8 大波のやや小さいもので長さが長くなる。波がしらの端は砕けて水けむりとなりはじめる。泡は明らかなすじをひいて風下に吹き流される。 34以上41未満 17.2以上20.8未満 5.5(7.5)
9 大波。泡は濃いすじをひいて風下に吹き流される。波がしらはのめり、くずれ落ち、逆巻きはじめる。しぶきのため規程がそこなわれることもある。 41以上48未満 20.8以上24.5未満 7(10)
10 波がしらが長くのしかかるような非常に高い大波。大きなかたまりになった泡は、濃い白色のすじをひいて風下に吹き流される。海面は全体として白く見える。波のくずれかたは、はげしく衝動的になる。視程はそこなわれる。 48以上56未満 24.5以上28.5未満 9(12.5)
11 山のような高い大波(中小船舶は、一時波の陰にかくれることもある)。海面は、風下に吹き流された長い白色の泡のかたまりで完全におおわれる。いたるところで波がしらの端が吹きとばされて水煙となる。視程はそこなわれる。 56以上64未満 28.5以上32.7未満 11.5(16)
12 大気は泡としぶきで充満される。海面は吹きとぶしぶきのために完全に白くなる。視程は、著しくそこなわれる。 64以上 32.7以上 14(−)
(注)おおよその波高欄で、括弧内はおおよその最大波高を示す。







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