2−2−3 資金
資金ワーキングでは、前年度に引き続き、様々な資金を社会から集め、NPOへ提供するシステムの開発を行った。
具体的には、
(1) |
社員募金を募ってNPOへ寄付を行う仕組み。1社単独ではなく、企業間の協働による相乗効果のあるシステム構築。 |
(2) |
クレジットカードによる寄付の仕組み。 |
(3) |
自動口座振替による寄付の仕組み。 |
といった仕組みの検討を行った。また、これらの仕組みを支えるシステムとして、振込手数料減免の検討や、寄付金控除制度等など税制面の調査・検討なども併せて実施した。
その結果、
・ |
上記(2)として、日専連仙台・(株)日専連ライフサービス両社の協力により、クレジットカード利用額の一部がNPO支援の基金に寄付される「日専連NPOカード基金」 |
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上記(3)として、宮城労働金庫による「宮城ろうきん NPO寄付システム」 |
の2つのシステムを構築することができた。また、この他にも、宮城労働金庫より200万円、仙台青葉ライオンズクラブより30万円の助成金をいただき、NPOへ提供することができた。詳細は、 資金提供システムの試験運用の項(2−5−3節)を参照のこと。
今後のシステム開発の課題として、上記(1)の社員募金のシステムの開発や、金融機関と連携した事業の展開などがある。これからの運用の中で、これらのシステム構築を進めていきたい。
2−2−4 人材・ノウハウ
人材・ノウハウワーキングでは、(1)NPOと企業の人材交流についての企業内の状況調査、(2)企業とNPOの連携プログラムの検討、の2点について協議を行った。
このうち(1)については、2001年7月に、ワーキングメンバーが、宮城ゼロックス(株)へのヒアリングを実施、
(1) |
社会貢献へのスタンス、取り組みの状況 |
(2) |
社会貢献活動から得られるもの |
(3) |
NPOとの連携(人材・ノウハウの交換)において必要なこと |
といったポイントについて、代表取締役杜長の橋本達郎氏よりお話を伺った。
(2)の連携プログラムについてはテストケースとして、せんだい・みやぎNPOセンターの自主事業として開催されている、企業とNPOの交流サロン「PONPO−Net」にワーキングメンバーが参加し、交流・連携の方向性について検討した。
今後の課題として、企業とNPOの実際の人材交流・ノウハウ交流に向けたシステムづくりを進める必要がある。これについては、2002年度に着手したいと考えている。
2−3 資金・資源提供者の開拓のためのセミナー
企業・団体など、NPO・市民活動団体の(潜在的な)支援者向けに、サポート資源提供システムについての告知を行い、システムの活用を呼びかけることを目的としたセミナーを2001年8月2日に開催した(会場:ハーネル仙台(宮城県仙台市青葉区本町2−12−7))。
「企業が動くと社会が変わる! 21世紀型企業とNPOの新しい関係性を探る!」と題したこのセミナーは3部構成で行われた。
第1部は、東北大学大学院経済学研究科教授の大滝精一氏から「企業とNPOの新しい関係に向けて」をテーマに基調講演をいただいた。(1)近年、どうしてNPOが注目されているのか?、(2)企業にとってNPOと提携することの意義はなにか、(3)企業とNPOをつなぐ中間支援組織の役割、といったポイントについてお話いただいた。
続く第2部では、ヤマト運輸(株)宮城主管支店の大友優子氏、東北経済産業局総務企画部長の清水康弘氏の両氏をパネリストに、また、経営デザイン研究所の川村志厚氏をコーディネーターとして、鼎談「企業が動くと社会が変わる!」を行った。経済産業省としてNPOに期待すること、企業におけるNPOとの連携の事例紹介、企業にとってNPOと連携する意義などといったポイントについて議論が行われた。
最後の第3部では、せんだい・みやぎNPOセンター代表理事・常務理事の加藤哲夫より、サポート資源提供システムの意義や開発経緯、活用法といったことについて説明を行った。
セミナー当日には、企業関係者を中心に、50数名の参加があった。参加者のアンケートからは、NPOについての情報提供を求める声が多く見られた。
なお、セミナーの告知にあたっては、(社)東北経済連合会、(社)仙台青年会議所、(社)宮城県情報サービス産業協会等の協力により、仙台市内の企業約1,000社への告知・資料送付を行うことができた。
当初の事業計画では、この資金・資源提供者の開拓のためのセミナーは、2回行うことになっていたが、2002年4月までには1回の開催にとどまった。これは、後述の成果発表シンポジウム、東北巡回フォーラムが、主に企業向けの内容となったため、企画の重複を防ぐ意味があった。ただ、2002年夏以降のシステムの本格運用を前に、企業向けの広報・PRを行う必要性を現在強く感じており、2002年7月に、さらに1回、試験運用成果報告を兼ねた企業・団体向けのセミナーの実施を計画している。
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