2−2 サポート資源開発プロジェクト ワーキング
サポート資源の提供メニューの開発のため、前年度に引き続き、提供資源ごとに以下の4つのワーキンググループを結成し、システムの開発を行った。各ワーキングの実施概要については表2−3参照のこと。
表2−3 ワーキング実施概要
ワーキング |
メンバー数 |
会合回数 |
会合日 |
(1)
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物品・場所 |
5名 |
4回 |
5/16、6/12、7/5、7/24 |
(2) |
パソコン・情報 |
8名 |
15回(*) |
5/16、6/15、6/22、7/5、7/19、8/1、8/2、8/30 |
9/12、9/19、11/7、12/25、1/29、2/19、3/19 |
(3) |
資金 |
5名 |
7回 |
5/16、6/11、7/2、7/5、7/31、9/13、10/18 |
(4) |
人材・ノウハウ |
7名 |
5回(**) |
5/16、5/31、6/14、7/5、7/17 |
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(*) |
MISAとの情報連絡会を含む(後述) |
(**) |
PONPO-Netへの参加を含む(後述) |
2−2−1 物品・場所
物品・場所ワーキングでは、主に、オフィス什器・備品や事務用品、消耗品といった物品の提供に向けたシステム開発を行った。また、後述のパソコン提供システムのうち、輸送部分についてもあわせて検討を行った。
物品提供システムの開発のポイントとして、(1)物品の輸送の仕組み、(2)システム運用を支える収入源の確保、の2点があった。(1)については、ヤマト運輸(株)宮城主管支店の協力で、保管場所(物品提供をいただく支援者のオフィスや倉庫など)から、NPOへ物品を直送できる輸送システムを開発することができた。また(2)については、支援者側からの資金支援(物品の廃棄手数料相当分程度の寄付)と、提供を受けるNPO側の一定の実費・手数料負担により、システムの運用を支える仕組みとした。
その後2001年9月以降、システムの試験運用として、実際にオフィス備品などの提供を開始した。実際システムを動かしてみると様々な問題が発生したため、随時システムを見直しながら運営を行った。詳細は、物品提供システムの試験運用の項(2−5−1節)を参照のこと。
2−2−2 パソコン・情報
パソコン・情報ワーキングでは、前年度に引き続き、中古パソコンをNPOへ提供するシステムの開発を行った。
システムの開発を進める中で、情報サービス関連企業の業界団体である(社)宮城県情報サービス産業協会(MISA)でも、NPOへの中古パソコン提供システムの検討を行っていることがわかった。そこで、2001年6月以降、システムの開発を共同で行うことになり、この協働関係が、システムの開発を大きく促進することとなった。
システム開発には大きく以下の4つのポイントがあった。
(1)企業などからのパソコン回収と、ハードウェアのメンテナンス
(2)ソフトウェア、特にOS(オペレーティングシステム)の調達
(3)パソコンの輸送
(4)システム運用を支える収入源の確保
(1)については、MISAとの協議の結果、企業等から中古パソコンを調達してメンテナンスを行うところまでをMISAで、その先の、NPOへの仲介を行う部分をサポート資源提供システムで行う、という役割分担ができ、システムヘの負荷を大きく軽減することができた。
(2)のOSについては、提供企業等からパソコンとあわせて寄贈いただくこととした。
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図2−1 MISAとの協働スキーム
さらに(3)のパソコン輸送については、物品提供システムと同様に、ヤマト運輸(株)宮城主管支店の協力で、輸送システムの開発を行った。MISAの保管・メンテナンス拠点からNPOへ直接配送する仕組みとすることで、サポート資源提供システム側での保管のコストや在庫発生のリスクを回避することができた。
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図2−2 ヤマト運輸(株)宮城主管支店との協働スキーム
また、(4)の収入源については、MISA側とサポート資源提供システム側とで会計を分け、それぞれに資金調達を行うことになった。MISA側では、パソコン提供企業から提供時に一定の手数料(データ消去料)をいただいたり、パソコンの一部を売却したりすることで、保管やメンテナンスにかかる費用を捻出する。一方、システム側では、提供先のNPOから一定の手数料をいただくことで、輸送やシステム管理の支出に充当する。このような仕組みで、継続的にパソコン提供を行うことのできるシステムとした。また、NPOからの手数料受領に際しては、ヤマト運輸のコレクトサービスを活用して、事務コストの削減を図った。
その後、2001年9月より、中古パソコンの提供を開始した。提供の状況やその成果などは、 パソコン提供システムの試験運用の項(2−5−2節)を参照のこと。提供開始に伴い、パソコン・情報ワーキングは発展的に解消し、サポート資源提供システム(せんだい・みやぎNPOセンター)とMISAとの間の「情報連絡会」として継続されることとなった。
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