第II部 整備構想実現化方策の検討
第4章 事業収支の試算
4−1 試算の前提条件の検討・想定
4−1−1 マリーナ関連施設利用者数の検討・想定
(1)PB保管
(1)第1案および第2案
「第1案」、「第2案」ともにPB等の計画保管可能隻数は、大型(ヨットクルーザー等)が52隻、小型(モーターボート等)が28隻で、合計80隻の保管が可能となっている(「提言書」の計画隻数より)。
保管艇数の契約計画としては、以下のとおり想定する。
□ |
開業後3年で計画保管隻数が満隻になると想定する。 |
□ |
開業後3年目までの保管契約数と保管艇数の想定は、下表のとおりとする。 |
表 「第1案」、「第2案」におけるPB保管契約数の想定
(2)第3案
「第3案」では、PB等の計画保管可能隻数は、大型(ヨットクルーザー等)が44隻、小型(モーターボート等)が16隻で、合計60隻の保管が可能となっている(「提言書」の計画隻数より)。
□ |
「第3案」においても他の2案と同様に開業後3年で保管隻数が満隻になると想定する。 |
□ |
開業後3年目までの保管契約数と保管艇数の想定は、下表のとおりとする。 |
表 「第3案」におけるPB保管契約数の想定
(3)保管料金
保管料金は、ポイント「L」敷地に隣接するマリーナの料金体系に準ずるものとする。なお想定する設定料金は、下表のとおりである。
表 想定料金
メートル |
利用料/年間 |
預り保証金 |
揚降料/1回 |
船台 |
〜8(小型) |
170,000円 |
170,000円 |
5,500円 |
210,000円 |
8〜(大型) |
250,000円 |
250,000円 |
9,000円 |
280,000円 |
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(2)簡易係留施設(ビジターバース)
(1)利用件数
簡易係留施設(ビジターバース)の利用件数の想定にあたっては、当該施設(バース)の稼働率より想定するものとする。なお、稼働率の設定に関しては各案とも同様のものと想定する。
□ |
年間300日営業 |
□ |
平日、土日・休日すべての平均で3割の稼働率と想定 |
□ |
なお、各案とも防波堤型の係留施設1本は、地域海上アクセスでの海上バス等に利用され、ビジターバースとしての機能を有さないとする。 |
□ |
各案ごとのビジターバースの利用件数は、下表のとおり総定する。 |
□ |
ビジターバースを利用する艇の大きさの割合は、大型(8m〜)・小型(〜8m)、それぞれ半数ずつとする。 |
表 各案別ビジターバース利用件数の想定
(単位:隻、日)
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ビジター係留可能隻数 |
営業日数 |
稼働率
(係数) |
利用想定件数
(年間) |
第1案 |
24 |
300 |
0.3 |
2,160 |
第2案 |
15 |
300 |
0.3 |
1,350 |
第3案 |
9 |
300 |
0.3 |
810 |
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(2)利用料金
ビジターバース等の利用料金は次のとおり想定する。
□小型(〜8m):¥2,000/日
□大型(8m〜):¥4,000/日
(3)海上タクシー(クルージング等)
(1)利用件数
□年間300日営業
□年間平均3割の稼働率と想定
□各平均2時間のクルージングと想定
□利用件数:300日×0.3×2時間=180時間
(2)利用料金
□利用料金を1時間あたり3,000円と想定する
(4)舟艇販売
□年間3,000万円の売上げがあると想定する(ヒアリングより)
□原価率9割(ヒアリングより)
(5)無線講習
(1)利用件数
□年1回受講生数50人と想定
(2)利用料金
□1人あたり受講料18,000円と想定
□原価率5割
(6)観光漁業等(フィッシング等)
(1)利用件数
□年間300日営業
□年間平均3割の稼働率と想定
□各回10人利用と想定
□利用件数:300日×0.3×10人=1,000人日
(2)利用料金
□1回あたり1人10,000円と想定
(7)地域水上アクセス(水上バス等)
(1)利用者数
本施設(海上バス等)は、基本的に伊勢神宮などへの本マリーナ施設が「海からのゲートウェイ」であるとの考えから利用されるものであると思われる。このため伊勢市在住者の日常的な足としての利用というよりも、伊勢市および二見町への県外からの観光客により利用され本マリーナとその付属施設へ訪問してもらうという意味合いが強くなると考えられる。
このため、利用者数の想定にあたっては次の考え方をもちいるものとする。
□ |
伊勢市および二見町への県外からの観光入込客数×マリーナ来訪係数×本施設利用係数 |
□ |
伊勢市、二見町への県外からの観光入込客数:670万人 |
・伊勢市:530万人(平成11年度実績)
・二見町:140万人(平成11年度実績)
□ |
複合施設であるマリーナ(とくに和船資料館)への来訪者係数は、一般にもちいられる係数0.08に、伊勢神宮を有している地域特性、港湾地域での立地、マリーナを主体とした複合施設であることなどを勘案し、1/4水準の0.02をもちいる。 |
□ |
さらに地域海上交通(海上バス等)によるアクセスをおこなう来訪者として係数0.05をかける。 |
□ |
想定利用者数は、6,700人(年間)と想定する(1日あたり約22人)。
670万人[伊勢市および二見町の県外観光入込客数]×0.02×0.05=6,700人(年間) |
(2)運賃
利用運賃は、現状ではしっかりした算出根拠が示せないため、¥500/人と想定する。
(4)その他事業
マリーナ事業では、PB等の保管・係留以外にも観光漁業の実施や海を体験する各種イベントなどの企画により収益の見込める事業展開が考えられるが、本検討内における収支計画には、見込まない。
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