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ホームヘルパー3級養成講座通信 NO.1
協力:日本財団
 
ヘルパーへの道
NPO文化学習協同ネットワーク 2001年9月20日発行
 
9月15日「敬老の日」
「ホームヘルパー3級講座」始まる!
 
 ついに始まりました「ホームヘルパー3級養成講座」。全員の出席で無事スタートすることができました。ヘルパーの仕事に興味のある人、スタッフに言われて気乗りしないままに申し込んでしまった人、「なんかあるかも!」そんな期待に胸ふくらませて参加した人。いろいろあったと思います。その気持ちが初日にどう変化したのか楽しみです。
開講式
 今回のヘルパー講座のもう一つの主催団体「日本労働者協同組合連合会センター事業団」の三浦さんの司会で、開講式が始まりました。センター事業団と講師の方の紹介、受講者の自己紹介のあと、講座での諸注意がありました。
 
レクリエーションの視点と実際
 次に「レクレーションの視点と実際」の講義がありました。講師は杉並区で作業療法士をしている堀川進さん。
転職が天職に
 堀川さんは、作業療法士の仕事の内容と、転職して作業療法士になったというお話をしてくれました。今では作業療法士の仕事が天職だと思っているそうです。楽しそうに話すその姿に「うらやましい」なんて感想も聞こえてきました。
リハビリも楽しくなくちゃね
 講義の後半は実際にお年寄りとやっているレクレーション「一億円ゲーム」「リハビり体操」「風船バレー」をやりました。お互いに知り合うためには物理的な距離をちぢめる事がポイントと堀川さん。「一億円ゲーム」では自己紹介+握手もあり、初めはぎこちなかった受講生も、肌にふれることで少しずつ心も身体もほぐれた様子でした。「リハビリ体操」では、お年寄り向けのメニューにもかかわらず、苦しげなメンバーも。「トレーニングなどは一人で家でやっていたのではつらくて続かない。だからみんなで集まって楽しくやるんだ。」との言葉に納得が言った様子の受講者でした。「風船バレー」は、3つのチームに分かれて戦いました。一見簡単そうなゲームでも、チームワークや身体のいろんな筋肉を使うことが要求されたり、競争心をかき立てられたりと、リハビリの要素がたくさん盛り込まれたゲームだということでした。
 堀川さんの場をなごませる話し方にすっかり緊張がほぐされ、楽しんで講義を受けることができました。感想に「こういう仕事をしている人は、笑顔も話し方も優しい」という言葉があったのが印象的でした。ありがとうございました。
 
 
 介護概論
 午後の講義は「介護概論」。杉並区の保健婦をしている檜谷照子さんが講師で、優しい笑顔と温かい声で講義が始まりました。
人と人をつなぐ仕事
 檜谷さんも、保健婦の仕事についていくつかのケースを紹介しながら説明してくださいました。「保健婦は人と人とをつなぐ仕事、何でも屋。」と語る檜谷さん。地域の中で赤ちゃんが生まれたお母さん達をつないだり、生活の中で困っている人に対して「どんな事が必要なのか」ということを考え、作業療法士さんや理学療法士さん、看護婦さんとチームを組んで支えたりしているということでした。
老人って大変なんだ・・・
 その後お年寄りの疑似体験や車イスの体験をしました。身体を動きにくくするサポーターを腕と膝とかかとにつけ、耳には耳栓、目にはメガネ、両足首には重りをつけました。「高齢者が全身の不調で外に出るのがおっくうだというのが実感できた。」「耳が聞こえないということがこんなに不安になるとは思わなかった。閉塞感があった。」など、お年寄りの気持ちをちょっと感じることができました。車イスの体験も「建物の中、街の中、びっくりするほど危険でバリアフリーの片鱗もない。」「車イスに乗る人と押す人の信頼関係が大切だと思った。」などの感想がでました。お年寄りや身体の不自由な人の立場に立ってみることの大切さを実感できたのではないでしょうか。
看護=手と目で人を護る(まもる)=介護
 最後に、「介護とは生活のニーズに対して手助けしていくこと」という話がありました。介護が必要な人達一人一人のニーズを見極めながら必要な支援をしていけば、その人の心が少しずつ開かれ、外に出ていこうという意欲が生まれるということでした。そのために地域の人が手をつなぎ合う大切さも語られました。
 「(檜谷さんは)優しそうな方で安心できる」とは感想にあった言葉ですが、あったかい講義本当にありがとうございました。「高齢者が全身の不調で外に出るのがおっくうだというのが実感できた。」「耳が聞こえないということがこんなに不安になるとは思わなかった。閉塞感があった。」など、お年寄りの気持ちをちょっと感じることができました。車イスの体験も「建物の中、街の中、びっくりするほど危険でバリアフリーの片鱗もない。」「車イスに乗る人と押す人の信頼関係が大切だと思った。」などの感想がでました。お年寄りや身体の不自由な人の立場に立ってみることの大切さを実感できたのではないでしょうか。 看護=手と目で人を護る(まもる)=介護
 最後に、「介護とは生活のニーズに対して手助けしていくこと」という話がありました。介護が必要な人達一人一人のニーズを見極めながら必要な支援をしていけば、その人の心が少しずつ開かれ、外に出ていこうという意欲が生まれるということでした。そのために地域の人が手をつなぎ合う大切さも語られました。
 「(檜谷さんは)優しそうな方で安心できる」とは感想にあった言葉ですが、あったかい講義本当にありがとうございました。
 
 
 
講義が終わって・・・ みんなの感想
・リハビリと聞くとつらかったりつまらなかったりするイメージがあったが、みんなで筋トレしたり、風船バレーをしたりして楽しかった。ああいうふうなリハビリの方法があるのを発見した。
・作業療法士は老人の力を引き出す仕事だと知った。
・“自分でできることは自分でしてもらう”は「はばたけ(ボランティアをしている共同作業所」と同じだと思った。
・具合の悪かったり、身体が思い通りにいかない苦しさを持っている人を介助するには、真剣ながらもいつもユーモアを忘れない姿勢も素敵。
・ヘルパーになるにはスマイルを大切に、相手の人を楽しませる。自分も楽しむ。
・ダウン症の子どもの生まれたお母さんが落ち込んでしまったという話が印象に残りました。介護が必要な人のいる家族やお母さんを一人にしないのが大切と思いました。
・疑似体験や車イスを押したりして老人への考え方が変わった。
・介護といってもいろんな仕事があるということを知った。もっと群しく知りたい。・保健婦って素敵な仕事ですね。
・自分の仕事を楽しそうに話すことができるのはいいなと思った。
 
JOBコーチから
 偶然「敬老の日」初日を迎えた今回の講座。講座の内容もグットタイミングな“お年寄りの疑似体験”があったりして、いつもとは違った気持ちでお年寄りを大切にすることができたんじゃないでしょうか。
 次回の講座は「高齢者福祉の制度とサービス」と福祉用具の見学です。実際社会にはどのような福祉制度があるのか、介護の現場ではどのような器具が使われているのか見学します。お弁当を忘れずに!(福祉用具の見学はオプションですので、都合の悪い人は言ってください。)
 
ホームヘルパー3級養成講座通信 NO.2
協力:日本財団
ヘルパーへの道
NPO文化学習協同ネットワーク 2001年9月22日発行
 
「高齢者福祉の制度とサービス」終了。
 突然の気候の変化で、あっという間に秋の気配の漂った9月22日、第二回目の講座「高齢者福祉の制度とサービス」が行われました。講師は三鷹市役所高齢者福祉課の小関さん。
 「難しかった!」「久しぶりに講義形式で話を聞いた。つらかった。」そんな感想の多かった今回の講座。普段”机に向かって話を聞くこと”からちょっと遠のいてしまっている参加者にとっては、結構きつかったかな?でも、「ほとんど寝ちゃうんじゃないか?」というスタッフの思いを裏切って、結構みんながんばって聞いていたと思う。難しい話にも関わらず、がんばったね!自分をほめてあげてください。
 講義の内容は、市役所の仕事について、超高齢化に向かう日本の社会について、ここ最近の高齢者を取り囲む制度やサービスの増加について、介護保険についてなどなど・・・。市役所には1200人ほどの人が働いていて、事務職の他にも給食調理の人やゴミ収集の人や土木作業をする人などもいることや、日本は現在14%以上が高齢者で「高齢社会」と言われること、受講生がほぼ高齢者になる50年後には三人に一人が高齢者という「超高齢社会」になるだろうということなどが話されました。また、高齢者を取り巻く制度やサービスは年々整備されてきていて、新しい施設の建設や、ホームヘルパーを増やす計画が進んでいるとのこと。福祉の分野は需要が増えているので、“就職にねらいめ!”なんて話もありました。介護保険は高齢化社会を国民全体で支えていくための制度ということでしたが、実際の利用者は多くはなく、感想に「元気ということだけではなく他の何らかの理由で利用できないのではないか。」「制度のマイナスの面についてももっと知りたい。」という感想も出ました。
 全体的に、参加者にとっては自分の身近な問題として考えにくいこともあって、講師の小関さんが「できるだけわかりやすくしよう」と話してくださった内容でも、ちょっと頭の中に入りにくかったようです。でも、講座後の感想交流ではするどい意見も多く、「日本の福祉レベルはどれほどなのか」といった質問や、感想用紙には「介護保険についての勉強会もおもしろいかも。」なんてのもありました。
 
 
 
講義が終わって
・3年ぶりの講義っぽい講義を受けて、かなりつらかったけどがんばった。
・一口に介護制度・サービスと言っても色々なものがあることがわかった。
・介護サービスを受けるのに思っていた以上にお金がかかることがわかった。介護を受けている3/4以上が女性だということに驚いた。・介護者が高齢になっていること(老老介護)が印象に残った。
・高齢化社会の問題は今自分達の身近にあり、考えていかなければいけない問題というのを実感した。
・(ヘルパーの)3級をとったら何が出来るかわかった。自分にできることで人の役に立てるかなぁと思う。
 
 
 
福祉機器展示場の見学に行って来ました。
 午後はオプションの「福祉機器展示場」に行って来ました。参加者が半分くらいに減ってしまっていたのがとっても残念なところ。展示場には、ベットやお風呂場での介護用品リモコンで操作できるドアや二階にあがるリフト、何十種類ものおむつや車イスがありました。実際に操作できるものがほとんどで、電動の車イスに乗ったり、リフトで運ばれたりしました。驚いたのは、食事の時のはしやスプーンも本人の使いやすいように変形できる形状記憶タイプのものがあるということ。包丁なども変形タイプのものがありました。今ある道具を「使えない」として介助してしまうのではなく、利用者が使いやすいように道具の方を変えていく発想法に自立を促す福祉のあり方を見ました。







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