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2. 指導者の心構え、接し方
(1)基本的な心構え
(1)人格を尊重する
障害のある受講者に尊厳を持って対応することは、接遇・介助において最も重要で基本的なことです。同じ社会に暮らす仲間として、特別視することなく接することが大切です。よくあるのが、介助者が同行している身体障害者と接する際に、介助者の方ばかりに話しかけてしまうことです。もちろん、両方とも大切ですが、介助を必要とする受講者本人に話しかけましょう。
(2)「何ができて」「何ができないか」を確認する
身体障害者の身体機能や障害の程度は、人により様々です。勝手な思い込みや判断をせず、講習の前に「どのような障害を持ち、何ができて、何ができないか」をよく聞くことが大切です。こちらの都合で介助を押し付けるのではなく、相手の立場にたってどんな介助が必要か確認しておきましょう。
(3)自主性に任せる
身体障害者の多くは、自分のことはできる限り自分自身で行おうとしています。通常より多少時間がかかることはありますが、本人の自主的な行動を尊重し、介助は必要な部分だけに留めます。ただし、安全面で介助が必要なときは、受講者が驚かないように声をかけてから介助します。なお、特に実技講習中は、突発的に危険を回避するため、声をかけずに介助することがあることを伝えておきましょう。
(4)プライベートなことは聞かない
身体障害者は、障害を持つに至った様々な理由があります。身体の状況や私的なことを聞かれると不快な思いをすることもあります。講習を安全に行うために必要な事項以外は、聞かないようにしましょう。こうしたマナーは、健常者に接する時も同じです。
(5)その場に適した介助を行う
その場に適した介助を行うためには、まず本人に介助方法を聞くことが大切です。このマニュアルに示された事項はどれも基本的なものです。適切な介助を行うためにはある程度の経験も必要ですが、安全を最優先に状況に合わせて基本事項を応用して介助を行うようにしましょう。
(6)無理なことはしない
指導者が体力面もしくは安全面で無理と思われる介助は、思わぬ危険を引き起こす可能性があります。無理なことは自分だけで対処せず、必要ならば同乗者や周囲の人に協力を求めましょう。
(7)納得するまで聞く
言葉が聞き取りにくい身体障害者を講習するときは、受講者の話しがはっきり聞き取れない状態で勝手な思い込みをせず、分かるまで聞き直しましょう。
(2)事故時の対応
万が一、事故が発生したときは、安全かつ迅速な対応が求められます。状況に応じて同乗者や周囲の人の協力を求めることも必要になります。日頃から緊急時の対処方法(必要な装備も含む)を準備しておきましょう。
(3)国家試験に向けての受講者への指導及び確認事項
(1)実技試験中、安全確保のときを除き受験者から申し出がない限り、試験員からの介助はありませんので、講習中も介助が必要なときは受講者から介助を求めるよう練習しておきましょう。
(2)実技試験で使用される船舶は、原則として身体障害者対応改造船になります。 (13頁参照)全ての試験会場にこの船が配備されていませんので、財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会(試験機関)にあらかじめ確認しておきましょう。
(3)実技試験前には、必ずトイレに行っておくように指導しましょう。講習のときも同じです。
(4)自己管理に必要な用品の持参を忘れないように指導しましょう。また、日常生活で使用している自助具を実技試験で使用できる場合がありますので、事前に試験機関に確認しましょう。
例:雨具、飲料、グローブ、褥創マットなど
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