XII 自動車の安全、公害対策の現況
1. 安全対策の概況
(1)自動車事故防止のための法体系
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(1)制度の目的
自動車は、使用過程において時間の経過に応じ又は使用状況に応じて確実に、構造・装置の性能、機能等の劣化が進むものであり、これに伴う事故、路上故障及び公害の未然防止を図るとともに、自動車を経済的に使用するためには、自動車の構造・装置の状態について自動車ユーザーによる不断の注意と適時、適切な点検・整備が必要である。
このため、自動車ユーザーの負担軽減に配慮しつつ、効果的な安全確保、公害防止の手段として、定期的に自動車を点検・整備することとした制度が設けられている。
自動車の点検制度には、日常点検整備(道路運送車両法第47条の2)及び定期点検整備(同法第48条)がある。
・日常点検整備は、自家用乗用自動車等は、自動車の使用実態から判断し適切な時期に、事業用自動車等は一日一回、運行の前に行うように規定されている。
・定期点検整備は、自家用乗用自動車等は1年点検及び2年点検を、事業用自動車等は3ヶ月、12ヶ月点検を、その他の自動車等については6ヶ月、12ヶ月点検を行い必要により整備をするよう規定されている。
・点検の基準は自動車点検基準に規定されている。
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(1)目的
整備管理者制度は、自動車の使用者の規模が大きい場合には、使用者が自動車の点検・整備について直接に管理することが困難な場合や管理責任者が曖昧な場合があるため、整備管理者制度を設けることにより、自動車の点検・整備に関する管理・責任体制の確立を図り、自動車の点検・整備の適切な実施を確保しようとするものである。
自動車の種類 |
自動車の使用者 |
整備管理者の選任を要する場所 (自動車数) |
自家用自動車 |
乗車定員11人以上の自動車の使用者 |
自動車の使用の本拠ごと |
乗車定員10人以下で車両総重量8トン以下の自動車の使用者 |
5両以上の自動車の使用の本拠ごと |
その他の自動車の使用者 |
10両以上の自動車の使用の本拠ごと |
自動車事業用 |
乗車定員11人以上の自動車の使用者 |
自動車の使用の本拠ごと |
乗車定員10人以下の自動車の使用者 |
5両以上の自動車の使用の本拠ごと |
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次の各号の一に該当する者でなければ、整備管理者となることができない。
ア 自動車の整備又は改造に関して5年以上実務の経験を有する者
イ 第55条の規定による自動車整備士技能検定のうち運輸省令で定める種類に合格した者
ウ 学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学又は高等専門学校(1日専門学校令(明治36年勅令第61号)による専門学校又は旧大学令(大正7年勅令第388号)による大学を含む。以下単に「大学」という。)において、機械に関する学科を修得した者であって、1年以上自動車の整備又は改造に関する実務の経験を有する者
エ 学校教育法による高等学校(旧中等学校令(昭和18年勅令第36号)による工業学校を含む。以下単に「高等学校」という。)において、機械に関する学科を修得した者であって、3年以上自動車の整備又は改造に関する実務の経験を有する者
※ 注: |
道路運送車両法の一部が平成14年7月17日改正・公布され、国土交通省令に基づく整備管理者の選任及び資格の要件について見直しが行われることとなっている。 |
(1)目的
運行管理者制度は、従来の車両の安全性中心から運転保安を重点とした諸施策が推進されるようになったことに伴い規定されたもので、異常気象時における措置、運転者の過労防止、点呼の実施、運転基準図の作成、運行経路の調査及び運行管理者の選任等、事業内において規律ある的確な業務処理を行うことによって輸送の安全が確保され、ひいては事業の健全な発展を期待するものである。
選任営業所 及び選任場所 |
運行管理者 |
バス・タクシー(事業用) |
トラック(事業用) |
・バス・・・1両以上 ※管理する車両数30両以上は複数選任(乗合・特定は40両以上) ・タクシー・・・5両以上 ※管理する車両数40両以上は複数選任 |
・運行車・・・1両以上 ※管理する車両数30両以上は複数選任 ・その他・・・5両以上 ※管理する車両数30両以上は複数選任 |
選任資格 |
運行管理者資格者証の 交付を受けている者 |
運行管理者資格者証の 交付を受けている者 |
運行管理者資格者証の交付要件 ○運行管理者試験に合格した者 ※受験資格があります。 ○運行管理者資格要件を備えた者 ※資格要件があります。 |
運行管理者資格者証の交付要件 ○運行管理者試験に合格した者 ※受験資格があります。 ○運行管理者資格要件を備えた者 ※資格要件があります。 |
注:他の営業所の運行管理者を兼務することはできません。 上表中、バスに係る運行管理者の配置基準は貸切を示す。 |
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(1)交通事故発生状況
平成13年中に全国で発生した交通事故の発生件数は、前年に比べて1.6%増加し947,169件で,死者数は8,747人(−3.5%減)、負傷者数1,180,955人(2.2%増)となっています。全国の発生件数は、9年連続、負傷者数は4年連続して過去最悪を更新したものの、死者数は昭和56年以降、20年ぶりに9,000人以下となっている。九州(沖縄除く)においては、発生件数110,530件(1.3%増)、死者数945人(4.6%減)、負傷者数140,117人(2.9%増)となっている。
〔表−1〕事故件数及び死傷者数等
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全国、九州地区の事故件数及び死傷者数は九州管区警察局資料による。 |
〔表−2〕県別発生状況
県 |
事故発生件数 |
死者数 |
負傷者数 |
福岡 |
49,545 |
334 |
61,891 |
佐賀 |
10,584 |
84 |
13,824 |
長崎 |
8,530 |
74 |
10,916 |
熊本 |
12,988 |
141 |
16,869 |
大分 |
8,094 |
93 |
10,751 |
宮崎 |
7,424 |
91 |
9,482 |
鹿児島 |
13,365 |
128 |
16,384 |
計 |
110,530 |
945 |
140,117 |
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※事故件数及び死傷者数は九州管区警察局資料による。 |
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