(6)運輸事業振興助成交付金制度の概要
(1)制度の概要
昭和51年度の税制改正による自動車関係諸税の改正は、営業用自動車の公共性を配慮しつつ行われたが、その際軽油引取税の改正(30パーセント引上げ)については、この趣旨に沿い、影響の大きいバス事業及びトラック事業(通運事業を含む)に対し、輸送力の確保、輸送サービスの改善、安全運転の確保等を目的とする運輸事業振興助成交付金(以下「交付金」という。)として、軽油引取税の引上げ分の2分の1に相当する額が各都道府県から交付される制度が自治省及び運輸省の通達により設けられた。
この交付金は、性格的に補助金であり、交付金の対象者はバス事業者又はトラック事業者によって構成される都道府県を単位とする公益法人(都道府県バス協会又は同トラック協会)、並びにバス事業を行う地方公共団体である。なお、全国的な事業の用に資するため都道府県バス協会は、日本バス協会へ交付金20パーセント(57年度まで40%、2年度まで30%)を、都道府県トラック協会は、全日本トラック協会へ交付金の30パーセント(全日本トラック協会は、一部を全国通達連盟に管理委託)を出損することとされている。
この制度は、当初は昭和51年度と52年度の2年間の暫定措置として発足したが、昭和53年度の税制改正において2年間延長され、昭和54年度の税制改正においては、軽油引取税が25パーセント引上げられたことに伴い、交付金の額もそれにスライドしアップされると同時に緊急に整備を要する事業費として若干上積みされ、総額200億円程度の規模となった。そして昭和54年度中に、この制度が創設された趣旨をふまえつつ、交付金制度に代わる他の方法について自治省との間で検討したが、実行上種々困難な点があることから、本制度を現行の暫定税率が適用される昭和57年度まで3年間延長とすることとなった。
また、昭和58年度税制改正において、軽油引取税の暫定税率が昭和59年度まで2年間延長されたことに伴い、本制度も同様に延長された。しかし、交付金総額については、58年度及び59年度は都道府県の財政状況から10パーセントの削減がなされ、概ね180億円程度となった。
さらに、昭和60年度及び昭和63年度税制改正において、軽油引取税の暫定税率が延長されたことに伴い、本制度も同様に平成4年度まで延長された。また、平成5年度の税制改正により軽油引取り税の暫定税率が平成5年12月より平成9年度まで引き上げられた(7円80銭/l)ことに伴い本制度についても、5年度については概ね185億円、平成6年度以降については概ね200億円程度で、平成9年度まで継続され、さらに平成14年度までの延長が認められた。
本制度は、運送事業の発展に大きく寄与していることは勿論、社会的にも有意義な制度であり、これによる各種の事業も定着してきているところから、引き続き関係省庁と十分協議し、将来にわたって安定的な制度として存続させる必要があり、15年度からも現行制度の5年間延長が認められた。
なお、本交付金については、都道府県の補助金として交付されているものであり、その額も相当の規模になってきているので、その使途についてさらにその内容の充実を図り、厳正に実行させなければならないところである。
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(7)運輸事業振興助成交付運用状況(交付金ベース)
(平成13年度)
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(注)バス協会関係のみ。中央事業出損金除く。
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