4.5 無線設備の取付け要領
4.5.1 一般
無線設備は航行水域等による法的規則によって搭載設備内容が変わるが、ここではVHF無線電話とMF/HF無線電話の取付けについての要点を記す。
妨害雑音については船舶電子機器装備工事ハンドブックを参照のこと。
(1)空中線
空中線は船外のできうる限り見通しの良い高い場所のポール等に取付け、ボルトで固定する。船体振動、衝撃等でよじれたり、といつまでも動揺することがないよう、しっかりとした構造物に取付けること。
空中線の取付け上の注意事項
(1)空中線は他の無線設備、航海機器との相互電波干渉を避けるべく、できうる限り他の無線設備、航海機器の空中線と離れた場所に取付けること。
(2)空中線同軸ケーブルは他の無線設備、航海機器との相互雑音妨害を避けるべく、できうる限り他の無線設備、航海機器ケーブルとの平行布設を避けること。
空中線の取付け例を図3.4.17に示す。
空中線整合器及び送受信機の取付け上の注意事項
(1)周囲にヒータ等の高温物がないこと。
(2)保守点検に必要なスペースを確保すること。
(3)取付け部は平らでひずみがないこと。
(4)送受信機には磁性体部品を使用しているので、磁気コンパスに影響を与えることのないようコンパス安全距離を保こと。
送受信機の取付け例を図3.4.17に示す。
(1)空中線
空中線は船外の出来うる限り見通しの良い高い場所のポール等に取付け、ボルトで固定する。船体振動、衝撃等でよじれたり、いつまでも動揺することが無いよう、しっかりとした構造物に取付けること。また、空中線ワイヤーは絶縁貫通碍子を使い船内へ引き込むこと。
(1)空中線は他の無線設備航海機器との相互電波干渉を避けるべく、できうる限り他の無線設備、航海機器の空中線と離れた場所に取付けること。
(2)空中線ワイヤは他の無線設備、航海機器との相互雑音妨害を避けるべく、できうる限り他の無線設備、航海機器ケーブルとの平行布設を避けること。
空中線の取付け例を図3.4.17に示す。
空中線整合器及び送受信機の取付け上の注意事項
(1)周囲にヒータ等の高温物がないこと。
(2)保守点検に必要なスペースを確保すること。
(3)取付け部は平らでひずみがないこと。
(4)空中線整合器及び送受信機には磁性体部品を使用しているので、磁気コンパスに影響を与えることのないようコンパス安全距離を保つこと。
空中線整合器及び送受信機の取付け例を図3.4.17に示す。
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図3.4.17 VHF及びMF/HF無線電話の配置ならびに取付け(例)
漁ろう設備は非常に多種多様の広範囲になるので、いか釣の集魚灯について記載する。
魚群探知機等については、別冊の船舶電子機器装備ハンドブックを参照のこと。
(1)ワイヤ
ワイヤの位置及び高さは船型や漁ろう長の経験により決定される。
通常、集魚灯固定用ワイヤ2本及び電線用ワイヤ1本で構成される。
各ワイヤは集魚灯や電線の重さによりワイヤが垂れるので、微調整できる構造が望ましい。小型船の場合、ポストにシャックル付のターンバックルを設け、ワイヤを設置する場合が多い。振動や衝撃などで振れないようにしっかり固定する。
灯数の少ない場合は電線用ワイヤは設置しないで、固定用ワイヤに電線を這わせる場合がある。固定用ワイヤは舷側に設置し、電線用ワイヤは固定用ワイヤの内側上部に設置する。
上下2本のワイヤを取付けた後、灯具のソケットホルダーのボルトを利用して、上部と下部に2本のワイヤをそれぞれ挟み込む。ソケットとソケットの間隔は使用するランプの本数及びランプの寸法に注意して取付ける。実際にランプを取付けた場合、左右のランプが接触する場合がある。ランプの本数や位置は舷側への光の入射角度を考慮し、漁ろう長の指示により設置されることが通常であるので、ワイヤの取付けと共に十分な打合せが必要である。
ソケットヘの配線は水滴が灯具内に浸水するのを防ぐために、電線に十分弛みを持たせ、舷側の内側上部の電線用ワイヤへ導く。端末結線はB型スリーブ端子で結線するのが一般的である。
ワイヤの取付け例を図3.4.18に、集魚灯の取付け例を図3.4.19に、小型船の場合のワイヤ位置の例を図3.4.20に示す。
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図3.4.18 ワイヤの取付け例
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図3.4.19 集魚灯の取付け例
図3.4.20 小型漁船のワイヤ位置の例
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