第3編 電気艤装工事
1. 一般
1.1 電気艤装工事の種類
工事の種類の概略を次に示す。
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工事の順序は概ね表3.1.1の配列順であるが、準備工事、付帯工事も含めた作業の流れは、次のようになる。
(1)工事予定表の作成(表3.1.1参照)
(2)工作用図面の入手及び調査
(3)工事用諸材料の入手及び搬入
(4)工具の準備、搬入及び設置
(5)電路及び機器の位置出し
(6)電路材料及び機器台の溶接取付け及び塗装
(7)ケーブルの入手、切断、搬入及び配置
(8)ケーブルの布設、隔壁貫通、バンド掛けなどによる固定、接地及び塗装
(9)機器の入手、搬入、設置、取付け固定及び接地
(10)ケーブルの機器内導入、線端処理及び結線
(11)試験用材料の準備、搬入及び設置
(12)点検、調整、試験計測、検査及び運転
(13)海上試運転
(14)予備品引渡及び完成
以上の順序は工事の都合で多少変ることもある。
表3.1.1 工事予定表の例
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2.1 材料及び部品の概要
材料と部品の区別は、生産管理による工事方法及び材料、部品の標準化の程度が各社ごとに異なるので、明確に区別できないが、大よそ消耗品的なものを材料とし、その他を部品として扱っている。その概略を次に示す。
用途 |
材料及び部品 |
ケーブル固定用 |
ケーブル押えバンド、ケーブル巻バンド、バンドバックル、樹脂バンド |
ケーブル支持用 |
電線馬、ケーブルハンガ、導板、ダクト、トランク、線桶、クリート |
ケーブル貫通用 |
コーミング、ブッシング、電線貫通金物、ケーブル貫通箱、防水材料、充填材 |
ケーブル保護用 |
電線管、電線管用付属金物、フレキシブルチューブ |
機器へのケーブル接続用及びケーブルとケーブルの接続用 |
圧着端子、テープ、チューブ、熱収縮性塩化ビニールチューブ、防水材料、はんだ、ペースト、自動車用電線端子、自動車用コネクタ |
装備工事用 |
機器台(床取付形、壁取付形、天井取付形)、防振ゴム、防波箱、照明器具取付台、手提灯用引掛フック |
接地工事用 |
接地金物、接地線 |
防食工事用 |
ジンクロメート、ジンクロメート座金 |
その他 |
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各工事用 |
小ねじ、ボルト、ナット、座金 |
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小型船舶及び小型漁船では機器へのケーブル接続用あるいはケーブルとケーブルの接続用として自動車用電線端子(JIS
D 5403:89)や自動車用差込形プラグ等が使用されることがある。代表的な自動車用電線端子の種類と概要を表3.2.1及び 付図1〜 6に示す。
ケーブルとケーブルの接続用には自動車用電線端子のうち定格電圧35ボルト以下の電路に用いられるぎぼし形端子(スリーブ等で完全に絶縁されているもの)が小型船に一般に使用され、また平形端子の集合タイプで抜け止め装置を有する自動車用差込形プラグも使用されている。自動車用差込形プラグ及びぎぼし形端子用絶縁スリーブについては標準化の程度が各社異なるので参考として、その一例を 付図7〜 9に示す。
機器とケーブルの接続用としては、自動車用電線端子のうち丸形板端子 (付図1)が一般的に使われている。
自動車用電線端子を使用する際は、次の点に十分留意しなければならない。
(1)端子表面にさびや傷などがないこと。
(2)ケーブルと電線端子の圧着が十分であること。
(3)差込式のものは確実に根元まで差込み、スリーブやプラグで絶縁すること。
表3.2.1 自動車用電線端子の種類と記号
(注) |
記号のあるものは、JIS D 5403:89による。 |
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