(5)蓄電池の設置要件
鉛蓄電池は、過酸化鉛を陽極、多孔性の鉛を陰極とし、密度1.25の希硫酸を電解液に用いたもので、新旧を問わず充放電中、爆発性の水素ガスを発生するが、特に充電終期には、その量が多くなり電解液が減少する。
この水素ガスの滞留によって、爆発事故に至る危険性が潜在していることを十分留意しなければならない。
小型船舶等の場合は、室内スペースが狭いため特に鉛蓄電池の設置場所については注意が肝要である。
また、鉛蓄電池は電解液として希硫酸が使われているので、その漏洩による船体構造物等の腐食損傷を防止するための防食措置についても考慮を払わなければならない。蓄電池の設置要件については、小型船舶安全規則第90条及び小型漁船安全規則第43条(電気設備についての小型船舶安全規則の準用)によって換気、防食措置、並びに他の電気設備及び火気からの隔離について規定している。
蓄電池の設置場所における換気要件について、その詳細を表2.2.2に示す(JCI細則)。
表2.2.2 蓄電池の設置場所の換気要件
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(注)蓄電池の設置場所で充電を行わない場合は、適当な換気口(1個でもさしつかえない)が設けられていること。
船内電源(発電機電源)を使用しないで、船外(陸上)からの電源を受電して船内の各負荷に給電するもので、船の停泊場所で受電できる電源を確認する必要がある。AC200V、3φの船外電源の場合はMCCB、相順指示器などを備え、AC100V、1φの場合はMCCB、電源表示灯などを備える。
両電源共に配電盤内のMCCBとの相互インターロックをとるか、切替器により、電源を選択するかして、船内電源との並行運転を防止するための回路を設けなければならない。
一般的には船外給電箱として単独に装備する場合が多いが、小型船の場合には配電盤に上記の回路を組込んだり、船内にレセプタクルを、陸上にプラグを設け、簡素化し、船外(陸上)電源を受電する場合もある。
小型漁船等にあって、漁撈機器用として大容量の交流発電機を装備し、併せて居室内等の照明用に給電する場合に変圧器を装備することが多い。
最近、プレジャーボートの大型化と共に船内への電気機器類の装備が増え、これらに輸入品を搭載する船が多くなっている。この場合、使用電圧の違いから変圧器(交流220V/100V)が装備されることがある。今後この種の用途が増えると予想される。
変圧器の容量は、接続される負荷の所要容量により決定される。また船の動揺、傾斜及び火災の危険を考慮して油入変圧器の使用は避け、乾式変圧器の使用が望ましい。
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