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3・9 自動化機器
 自動化機器としては電気、電気−油圧、電気−空気など、その装置により種々の方式が採用されることが多く、実際には主機遠隔・自動制御、ボイラの制御、発電機の制御、その他の装置の制御などがあるが、それらは関連部門とよく協議の上作動させる必要がある。
3・9・1 発電機関連試験
(1)原動機自動始動試験
 原動機は設定された配電盤母線の電圧上昇又は低下、原動機の回転速度低下の信号及び母線の無電圧信号により自動始動することを確認する。
(2)発電機自動切換試験
 発電機を運転中、設定された信号条件により他の発電機が自動始動した場合、運転中の発電機が母線から切離され、自動始動した発電機が母線に接続される一連の動作が、計画通り自動的に行われることを確認する。
 また上記に加えてもう一台の発電機が並行運転される計画のものにあっては、自動同期投入装置及び自動負荷分担装置により、支障なく計画通り自動並行運転が行われることを確認する。
(3)自動同期投入装置試験
(a)母線に接続されている発電機と無負荷運転中の発電機をあらかじめ同期投入可能な電圧範囲(定格電圧付近)に調整し、各発電機の周波数には偏差(±3Hz程度)を与えておく。次に自動同期投入信号用スイッチと閉とし、自動揃速の状態、自動同期投入迄の時間、自動同期投入時の系統に与える影響などについて確認する。
(b)自動揃速中、各発電機の周波数は円滑に変化し、2台の発電機の周波数が一致した際にもハンチングなどが生じて同期投入迄の時間が長くかかったり、あるいは同期投入時発電機間に有害な横流を発生しないことを確認する。また指定された電圧及び周波数の偏差内で同期投入できることも確認する。
(c)一般に同期投入可能な電圧と周波数の偏差は次のとおりである。
電圧:2〜10% 周波数:0.5〜1.0Hz
(d)同期投入時、系統に最も影響を与えるものは位相差であるから、同期点に対して、遮断器の投入がマッチングするように自動同期投入信号発生のタイミングを確認する必要がある。(遮断器の投入時間は、信号を出して投入完了まで通常0.1〜0.2秒程度である)
(4)自動負荷分担装置の試験
(a)負荷運転中の発電機に無負荷運転中の発電機を投入し、直ちに自動負荷分担の信号を出す。各発電機の負荷が各発電機の出力に比例した値となる迄の時間と整定した負荷の不平衡値(kW)を確認する。並行運転の解除が自動的に行われる場合は各発電機に負荷を平衡に分担させて並行運転解除の信号を与え、その発電機の負荷が零になる迄の時間と遮断器の引きはずしすることを確認する。
(b)この試験において、発電機の出力と母線周波数の変化が円滑に行われ、許容された範囲内に負荷分担と周波数の制御が行われることを確認する。また負荷が整定した後、系統内の急激な負荷変動(電動機の始動時)に対しても安定に応答することを確認する。なお、一般に負荷と周波数の制御精度は、発電機定格の10%以下、定格周波数の±1%以下が標準になっている。
(5)自動順序始動試験(3・6・5(4)項を参照)
(6)ブラックアウト試験(3・6・5(4)項を参照)
3・9・2 制御・監視・警報装置
(1)一般制御機能試験
 各制御卓及び制御盤に装備されている各種押釦スイッチ、切換スイッチ、ハンドルなどを実際に操作し、各機能が正常に動作することを確認する。この試験は前記各試験と同時に行ってもよい。
(2)監視機能試験
 各制御卓及び制御盤に装備されている各種計器及びその他の監視装置は各装置の作動中、各機能が正常に作動することを確認する。
(3)警報装置
 計画通りの警報点、警報設定値において、ランプ表示、吹鳴装置の警報動作が正常に行われることを確認する。
3・10 通信・計測装置
3・10・1 絶縁抵抗試験
 動作試験前に導体と船体間の絶縁抵抗を計測する。計測は500V絶縁抵抗計により行う。もしトランジスター、ダイオードなど各種半導体を使用している場合は、主回路から切離してテスターで測定する。
3・10・2 動作試験
 自動交換電話、各種電話、ラダーアングルインジケータ、プロペラ軸回転計、エンジンテレグラフ、エンジンモニタ、その他各種通信・計測装置を実際に動作させ、各部機能が正常に作動し、異常のないことを確認する。
3・11 航法装置
3・11・1 絶縁抵抗試験
 動作試験前に導体と船体間の絶縁抵抗を計測する。計測は500V絶縁抵抗計により行う。もしトランジスター、ダイオードなど各種半導体を使用している場合は、主回路から切離してテスターで測定する。
3・11・2 動作試験
 各種航法装置は海上試運転時に実際に動作させ、正常な機能を発揮することを確認すると同時に必要に応じて調整を行う。
(1)ジャイロコンパス:海上試運転時において特に振動、動揺、温度の影響に対し、支障なく動作することを確認する。
(2)オートパイロット:だ輪及び非追従操だ桿による手動操作が支障なく作動することを確認する。自動進路保持操作、自動進路変更動作が支障なく動作することを確認する。
(3)音響測深機:動作試験を行い、その動作及び海図に示される深度との誤差関係に支障のない事を確認する。
(4)ログ又は船速距離計:動作試験を行い、その作動及び試運転速度試験結果との誤差関係に支障のない事を確認する。
(5)風向風速計その他航法装置の動作試験を行う。
3・12 無線設備及び電子機器装置
 下記各装置について動作試験前に導体と船体間の絶縁抵抗を計測する。計測は500V絶縁抵抗計により行う。測定値は3・13・4に示す値以上であることを確認する。なお各種半導体を含む回路についてはテスターで測定する。
3・12・1 無線設備
 ナブテックス受信機、高機能グループ呼出受信機、デジタル選択呼出装置、デジタル選択呼出聴守装置、インマルサット直接印刷電信等の無線設備は、船舶検査の方法及び電気通信監理局の指示に基づき整備、試験を行い合格すること。
3・12・2 無線用配電盤
 計器、スイッチ類の操作及び配電盤としての機能に異常のないことを確認する。
3・12・3 無線方位測定機試験
 実際の受信試験を行うと同時に下記調整を行う。
 本船から半径約1kmの円周上を時計方向及び反時計方向に発信電波源を持つ小形船を回周させ、方位測定機による探知方向を視界により5°単位で求めた探知方向により修正データを作成する。
3・12・4 その他無線電子機器試験
 各装置について実際に作動させ、各部の機能及びその作動に異常のないことを確認する。
(1)レーダー:作動試験を行い、各部の機能及び海図と受信像との誤差などにも異常のない事を確認する。
(2)ロラン及びオメガ:動作試験を行い、各部の機能及びその動作に異常のない事を確認する。
(3)GPS等船位測定装置、ファクシミリ、船内指令装置、娯楽電子機器、ワイヤレスマイク、空中線共用器、その他の電子機器についても同様に動作試験を行い、各部機能及びその作動に異常のないことを確認する。







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