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8・9 航海灯の光度
 1972年国際海上衝突予防規則条約による灯火の最低光度は次式により計算されたものとしている。
I=3.43×106×T×D2×K-D〔cd〕
T:視認の限界係数=2×10-7〔lx〕
D:海里で表した灯火の視認距離
K:大気の透過率、規定された灯火については、気象、視認距離13海里に対応して0.8でなければならない。
 
上式によるI〔cd〕の計算値表
灯火の視認距離〔海里〕 灯火の光度〔cd〕 灯火の視認距離〔海里〕 灯火の光度〔cd〕
1 0.9 6 94.0
2 4.8 7 160.0
3 12.0 8 252.0
4 27.0 9 414.0
5 52.0 10 641.0
ただし、K=0.8とする。
注:1〔海里〕〔浬ともかく〕=1,852〔m〕=6,076〔フィート〕
 
8・10 探照灯の光度(照射距離との関係)
I=3.43×106×E×D2×K-(D+D')〔cd〕
E:目標物の照度〔lx〕
D:光源からの目標物の距離〔海里〕
K:大気の透過率 1海里あたり 0.9〜0.5
D':目標物から観測者までの距離〔海里〕
 観測者が探照灯の位置と同一の所にいるときはD=D'
I=3.43×106×E×D2×K-2D〔cd〕
注:Eの所要値は、海上船舶の場合、次のようにいわれている。
肉眼で 0.4〔lx〕
双眼鏡で 0.2〔lx〕
 
8・11 探照灯の最大光度
最大光度(近似値) I=L×K×A〔cd〕
L:光源の平均最大輝度〔cd/m2
K:反射鏡の反射率、前面ガラスの透過率(8・2・5項参照のこと)など〔小数〕
A:探照灯の実効口径面積又は光って見える部分の口径全面積〔m2
 
8・12 地理学的光達距離
 幾何学的に定められる見通し距離は次式による。
H:灯火の海面上の高さ〔m〕
h:観測者の海面上の高さ〔m〕
 したがって信号灯、探照灯のようなものはこの値より遠距離まで光が到達しなければならない。
 
上式のよるhとHとの関係の見通し距離〔海里〕







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