8・2・5 反射率、透過率、吸収率
例えば上図のようなガラス面に光束F〔lm〕が入射すると、その一部のFr〔lm〕が反射し、また一部Ftが透過し、残りのFaはガラス内部に吸収される性質がある。よって、それぞれの光束Fr、Ft、Faの入射光束のFに対する比を次のように定義している。
ここでF=Fr+Ft+Faの関係から
ρ+τ+α=1である。
以上述べた反射率、透過率、吸収率は物質によってそれらの値は異なるばかりでなく光源の波長及び反射率も投射角などによって変わるものであるが、ここでは一応100〔W〕昼光電球の光に対する場合につき次に示す。
(1)ガラス及びプラスチック材料の反射率、透過率
材料 |
反射率〔%〕 |
透過率〔%〕 |
正反射 |
拡散反射 |
正透過 |
拡散透過 |
ガラス |
無色透明(2〜5mm厚) |
8〜10 |
− |
80〜90 |
− |
つや消し(2〜5mm厚) |
4〜5 |
6〜12 |
− |
70〜85 |
淡い乳色 |
4〜5 |
10〜20 |
5〜20 |
50〜55 |
濃い乳色 |
4〜5 |
40〜70 |
− |
10〜45 |
乳色すきがけ |
4〜5 |
10〜20 |
− |
40〜45 |
プラスチック |
透明、磨き板 |
20〜85 |
− |
80〜90 |
− |
透明、粗面板 |
− |
− |
− |
60〜80 |
白色、粗面板 |
20〜85 |
− |
3〜60 |
− |
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(2)金属材料の反射率・吸収率
材料 |
反射率〔%〕 |
吸収率〔%〕 |
正反射 |
拡散反射 |
銀 |
92 |
− |
8 |
クロム |
65 |
− |
35 |
アルミニウム(普通品) |
60〜73 |
− |
27〜40 |
アルミニウム(電解研摩) |
みがき75〜84 |
つや消し62〜70 |
− |
ニッケル |
55 |
− |
45 |
ガラス鏡 |
82〜88 |
− |
12〜18 |
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注:1.
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正反射とは入射角と反射角とが等しい場合のとき
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2.
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拡散反射とは粗面で乱反射が行われて光が散乱する場合のとき
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3.
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正透過とはガラスや紙などを光が透過するとき光が拡散しない場合のとき
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4.
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拡散透過とは各方向に光が拡散しながら透過する場合のとき
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〔例題〕すべての方向の光度が一様に1,000〔cd〕の光源がある。これを直径40〔cm〕の完全拡散性球形グローブの中心に点じたとき、その輝きは1〔cm2〕当り0.56〔cd〕となった。このグローブの透過率は何〔%〕であるか。
ただし、グローブ内面の反射は無視するものとする。
〔解〕グローブは完全拡散性であって内面の反射を無視すれば、グローブの光度は光源光度に透過率を乗じたものである。
光を発散している面の明るさの程度を表すのが光束発散度〔記号M又はR〕で、これは光を受けている面の性質に大いに関係する。この単位は1〔m2〕あたり1〔lm〕の光束を発散しているときの光束発散度で単位記号は〔lm/m2又はラドルクスrlx〕である。
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ある光源の発する全光束とそれの入力との比を電灯の効率という。
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作業面(特記ない場合は床上85〔cm〕で室の全体にわたる水平面)に投ずる光束と設備された電球全体が発する光束との比をいう。またこれを利用率ともいう。記号としてはUを用いる。
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照明器具から発散される光束と器具内におさめられた電球の全光束との比を器具効率という。記号としてkを用いる。
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