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8・7 室内照明計算
8・7・1 光束法
 室内の全般照明の平均照度とランプ光束との関係は光束法の式で表される。この場合照明分布は一様であることが望ましいので灯具数が多い場合がよい。
(1)平均水平照度
N:ランプ数、U:照明率、F:ランプ1個の全光束〔lm〕
M:保守率、A:室の面積〔m2
 同一ランプを使用するものとする。
 又は、F.U.N=E.A.D
D:減光補償率
 保守率Mは
 照明施設のある時期が経っての照度を初期照度で割った値である。
 減光補償率Dは
 電灯の光度は使用するに従って次第に低下し、灯器の効率もほこり等の付着で低下する。従って設計に際して最悪状態でも所要の照度を確保するためにあらかじめ光束を増加しておくための係数である。
参考:1. 照明率Uは各社の製品カタログ記載事項による。
2. 光源の光束は次による。
 
Fの値(白色蛍光ランプの場合)
容量〔W〕 全光束〔lm〕
40 3,000
20 1,140
15 730
10 480
8 410
 
Mの値
装備場所 蛍光灯 白熱灯
居住区、暴露甲板 0.77 0.83
機関室、缶室、補機室 0.66 0.77
調理室 0.58 0.66
 
(2)ランプ1個あたりの光束
 
Dの値
参考:
灯具 直接照明 間接照明
白熱電灯 1.2〜1.5 1.5〜2.0
蛍光ランプ 1.3〜1.7 1.8〜2.5
 
Uの値
直接照明 間接照明
0.7〜0.8 0.2〜0.4
 
(3)灯具の高さと間隔との関係
 光源の配置は、照度の均斉度によって定まるが、概要次の関係から求めることができる。
(a)天井が高い場合の照明器具
 作業面から天井までの高さの1/5〜1/3ほど天井からつり下げる。
(b)天井が低い場合の照明器具
 天井にじかづけ器具とする。
(c)光源相互の間隔
s≦1.5H
(d)壁ぎわの光源の壁からの距離
壁ぎわを使わないとき SO≦S/2
壁ぎわを使うとき SO≦S/3
 
8・7・2 灯数決定の簡便法
 室の大きさが普通の矩形で天井の高さが2〜3〔m〕のとき、必要とする平均照度の目安を得るには何〔W〕の灯器を用いたかを実績船について調査計測しておけば目安としてこれを求めることができる。
 次にその一例を示す。
 
照度に対するW/m2(蛍光灯の場合)
所要照度〔lx〕 単位床面積あたりのワット数〔W〕
埋込形器具 グローブ付器具 グローブなし器具
50 2.5 2.2 2.0
100 5.0 4.5 4.0
150 7.0 6.5 6.0
200 9.5 9.0 8.0
250 12.0 11.0 9.5
300 14.5 13.5 11.5
 
8・8 投光照明
8・8・1 投光器の位置と取付け高さ
 アメリカ照明学会の推奨により最低取付け高さは、競技面の幅の1/3の点から器具を見上げた角度が30°以上とある。
 
(拡大画面:46KB)
 
8・8・2 投光器数の計算
 光束法により次の計算式がある。
E:所要照度〔lx〕 A:被照面面積〔m2
F:投光器のビーム光束〔lm〕 K:ビーム光束の利用率 M:保守率
(1)投光器のビーム光束はビームの開き間に集まった光束で、投光器の製品カタログによって定めたほうがよい。
(2)保守率は点灯の経過にともなって光束の減少とよごれによる性能の低下を見込んだ値で、一般に次のようである。
投光器と電球 0.75〜0.67
投光器と水銀ランプ 0.67〜0.55
反射形投光電球 0.80〜0.70
反射形水銀ランプ 0.75〜0.67
(3)ビーム光束の利用率
Kの値は100〜40〔%〕投光器の設置場所の選定による。







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