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7・5・3 力率
 7・5・1の抵抗のみの回路の電力P=EI〔W〕で、直流の場合と同様であるが、7・5・2のインピーダンス回路の電力P=EI cosθ〔W〕でcosθが乗じてある。このcosθを電力を表す率という意味で、電力率、略して力率という。英語でPower factor、略してPfと書く。
 
図7・49
 
 図7・49(a)は、水車の羽根にP点から直角に水があたるときは最も強いが、Q点からθの角度で水があたるときは弱い、これを換言すれば、
OP′=OQ cosθとなる。
即ち、OP−OP′=PP′だけ弱い、
 これをベクトルで説明すれば
 
 
 電圧と電流間に位相差があれば、有効の電力PはE×Iでなく、E×I×cosθとなる。このCOSθを力率という意味が理解できると思う。
 よって、力率をPfで表せば上式は次のようになる。
 
 
 力率cosθのθ=0のとき1、θ=π/2(=90°)〔rad〕のとき0(6・1・5参照のこと。)であり、cosθは1〜0の値であるから一般に少数又は百分率〔%〕で表している。
7・5・4 回路定数と力率との関係
 7・5・3で述べたとおり、力率は電圧と電流の位相差θの値によって変わることから、回路定数R、Zなどによって変わることが理解できる。
 
図7・50
 
 図7・50のとおりR・L直列回路のベクトル図を例にとる。
 これから力率cosθを求めれば
 
 
 一般にインピーダンスがZ〔Ω〕で抵抗R〔Ω〕であるところの直列回路の力率はR/Zとして求めることができる。
 
7・5・5 各種負荷の力率の値
 負荷の種類によって力率の値は異なるが次に参考のため示す。
 
負荷の種類 力率〔%〕
白熱電球 100
ネオン管灯 40〜50
蛍光灯(安定器付) 55〜65
三相誘導電動機 70〜90
単相誘導電動機 60〜80
電熱器 100
卓上扇風機 60〜80
天井扇風機 50〜70







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