4.1.4 表現とGellishデータベースとのリンク
今日のデータベース技術によると、どのオブジェクトもそのセマンティックが定義されているエンティティのインスタンスであるとして、表現のセマンテイックな解釈が成される。
例えば、P1が‘pump’エンティティの造成である‘name’のインスタンスである場合、明らかにP1は‘pump’の名前である。この手法は、‘pump’であると暗黙にオブジェクトをクラス分けすることを意味していることに着目しなければならない。
Gellishでは、エンティティの関係をインスタンス化するのではなく、表現要素とGellishライブラリのクラス間の関係を明示的に区分することによって、全てのエンティティを明確にする。これが図10に示されている。
(拡大画面:137KB) |
|
図10 Linking an expression to Gellish concepts through
classification
図10では“P−101 is pumping S−1”を表わしている(in dark yellow)。’pumping
S−1’のプロセスは流体S−1とポンプP101との間の相互作用である。ポンプは、作業機械としてのロールを、流体は汲み上げるプロセスの対象としてのロールを持っている。緑の網掛けがされた部分の青い箱は、Gellishの概念を表わしていて、Gellishデータベース(STEPlib
library)のインスタンスである。それらの青い箱に囲われている明示的なクラスの関係というものは、表現の解釈に対するセマンティックスを提供する。
明るい黄色の箱は、どれも同じ名前“is classified as a”を持っている。しかしながら、それらは異なる特定のクラスの関係である。その個々の関係はユニークな識別子を持たねばならない。網掛けされた箱の名前は、それぞれが(暗示的に)クラスの関係であると“conceptualized”されていることを示している。言葉を変えれば、それらの一つ一つが、“relation”として“is classified as a”されている。
Gellishデータベースに概念を定義するには、図11に示すように、関係の特定化をすることによる。
(拡大画面:169KB) |
|
図11 Definition of Gellish concepts in a specialization
hierarchy
実際問題としては、例えば‘pump’や‘physical object’や‘object’間のspecializationには幾つかのやり方がある。
ISO 103030−221の商法では、上位レベルの概念はAP221データモデルのエンティティを当てるようになっている。これは、LibraryとAP221エンティティ間のインスタンス化の関係が存在することを意味している。それを図12に示す。
(拡大画面:171KB) |
|
図12 Relation of Gellish concepts to AP221 data model
entities.
GellishライブラリのコンセプトをAP221データモデルのエンティティにマッピングする方法は、Gellishライブラリの中に文書化されている。それは、Gellishライブラリの‘class
of product’、‘class of relation’及び‘class of activity’、更に次に述べるようなライブラリのコンセプト間の明示的な‘instantiation
relations’を用いるものである:
−physical object |
is an instance of |
class of product |
−etc. |
|
|
Libraryにある全てのsubtype, sub−subtype等は、エンティティが属する上位型から継承される。例えば、‘pump’は‘class
of product’のインスタンスでもある。
このルールを用いれば、各libraryオブジェクトがどのエンティティに属すのかを知ることが出来る。
しかしながら、実際には、データモデルを使う必要は、先に述べた‘basic semantic axioms’の場合を除いて、全くない。
データモデルを使わなくても、Gellishで表わされたデータを解釈することは可能である。というのも明示的なクラスの関係というのは、関係型に対する表現を解釈する為のルールを提供しているからである。これはオブジェクト型がGellish
library自体に定義されているのと同じである。データベース全体と前述の‘basic semantic axioms’をインスタンス化するだけで良いのである。
図13には、この概念を完璧に定義しているものを示していて、‘individual thing’というbasic semanticの‘king of things’というところまで定義している。
(拡大画面:175KB) |
|
図13 Instantiation in the 'basic semantic axioms'
図13には8ケの‘is a specialization of’を示している、これはクラス間の異なる関係である。上記の‘is
classified as a’関係について記述されている事柄と同じように、このことは‘is a specialization of’という言葉は各々の関係の名前ではなく、Gellish概念(クラス)の名前である。
なので、特定の概念化の関係と‘is a specialization of’と呼ばれるクラスの特定化を分けて考える必要がある。同様に、特定のオブジェクトのクラスに対する特定の概念化の関係と‘is
classified as a’と呼ばれる‘classification concept’を分けておく必要がある。これについての関係のセマンティックのより詳細な定義は、図14に示されている。
(拡大画面:173KB) |
|
図14 dividual conceptualization relations that classify
relations and roles.
概念化の関係(‘is conceptualized as’の関係)はクラスの関係の下位型であり、basic semantic axiomsの一つであるということに注意のこと。これらのbasic semantic axiomの関係はそれ自体を概念化する必要はない、そうでないと再帰的な定義になる。その異なる概念化の関係に全て同じ名前を与えると、同音異義語を作り、その名前は共通の性状を表わす。
|