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ハイテク産業化
<ハイテク・先進技術による技術改良で伝統産業のレベルアップを図ることについての実施意見>
 2002年4月、国家経済貿易委員会は「ハイテク・先進技術による技術改良で伝統産業のレベルアップを図ることについての実施意見」(以下「実施意見」という)を公布した。
 
(目的)
 「国民経済と社会発展のための第10次5ヶ年計画要綱」で打ち出している目標と任務を全面的に実現し、国民の経済構造の戦略的調整と産業構造の最適化・レベル向上を実現し、ハイテク・先進技術を用いて、伝統産業のレベルアップを図り、情報化で工業化を牽引し、我が国の伝統産業の刷新能力と国際競争力を高め、社会的生産力を格段に向上するため、ハイテク・先進技術による技術改良で伝統産業のレベルアップを図ることについての実施意見を提出する。
 
(実施事項)
 ハイテク・先進技術による技術改良で伝統産業のレベルアップを図るために実施する事項は(1)から(12)のとおり。
 ハイテク・先進技術による技術開発で伝統産業の改革・レベルアップを図ることは、システムエンジニアリングのひとつであり、政府関連部門は地域、業界、企業と協力して、積極的に実行可能な政策措置を取り、また業界団体は仲介という組織の役割を十分に発揮して、着実に伝統産業の改革とレベルアップを図る。
 
(1)改革と制度の刷新を引続き深化させ、伝統産業の改編と構造最適化を推進する。
(2)3つの「行動計画」(注)を実施し、積極的に伝統産業の改造・レベルアップを図る。
注)
「情報技術の応用により伝統産業のレベルアップを図る行動計画」
「研究開発に重要な技術及びプロセス改革により伝統産業のレベルアップを図る行動計画」
「主導的製品と設備改造の研究開発により伝統産業のレベルアップを図る産業行動計画」
(3)試行を積極的に実施し、伝統産業の改造・レベルアップへの方法を探る。
(4)重点設備の建設と重点技術改良プロセスにより重点技術開発設備の研究開発・応用を支援する。
(5)企業を主体とするイノベーションシステムを強化し、伝統産業の刷新能力を強化する。
(6)イノベーションへの投入を増やし、リスク保険への投資メカニズムを探る。
(7)税の優遇制度を十分に活用し、企業のハイテク・先進技術によるレベルアップを奨励・支援する。
(8)立法と法の執行を強化する。
(9)知的財産権の保護意識を高め、複合型人材を育成する。
(10)標準化作業を進め、国際的な標準化管理に近づける。
(11)WTO規則に適応し、業界発展の対応措置を策定する。
(12)対外開放を進め、外資を利用して伝統産業を改革・レベルアップする。
 
(付属文書)
<ハイテク・先進技術による技術改良で伝統産業のレベルアップを図るための重点項目>
 ハイテク・先進技術による技術改良で伝統産業のレベルアップを図ることについての実施意見については、付属文書として、「ハイテク・先進技術による技術改良で伝統産業のレベルアップを図るための重点項目」があるが、この付属文書では、次のように指摘されている。
 
 世界経済・科学技術発展という趨勢と我が国の伝統産業の現状をマッチさせるため、「ハイテク・先進技術による技術改良で伝統産業のレベルアップを図ることについての実施意見」に基づき、第10次5ヶ年計画の時期(2001年〜2005年)に「情報技術の応用により伝統産業のレベルアップを図る行動計画」、「研究開発に重要な技術及びプロセス改革により伝統産業のレベルアップを図る行動計画」、「主導的製品と設備改造の研究開発により伝統産業のレベルアップを図る産業行動計画」の3つの行動計画を策定・実施し、我が国の伝統産業の改革とレベルアップを図る。これにより、船舶、石炭、石油、石油化学、化学、電力、鉄鋼、有機金属、機械、軽工業、紡績、医薬、建設、建材、交通運輸、鉄道、郵政、商業流通などの産業でハイテク・先進技術による技術改良でレベルアップを図る。
 
(船舶工業)
(1)目標
 船舶工業の実施意見での主な目標は、「船舶工業の組織管理のための情報システム技術」、「設計統合システム技術」、「設計・製造統合システム技術」、「船舶建造設備自動化技術」、「船舶工業の基礎技術、現代的造船技術のプロセス統合技術」などを開発し、広く応用することである。
 新船型開発技術、海洋工事・設備技術及び船用設備国産化技術などの開発力を強化し、船舶の設計手段を近代化し、船舶のオファーと設計期間の時間を短縮し、市場への対応速度を早くし、船舶製品の自動化を向上し、建造周期を1/3短縮し、エネルギー・原材料の無駄をなくし、船舶工業の材料利用率を90%にまで高める。
 
(船舶工業の重点項目)
(1)情報技術の応用による伝統産業レベルアップの重点
(1)船舶工業のe・ビジネスのためのプラットフォーム、資材購入等支援のためのコンピューターシステム
(2)造船企業の情報管理システムと船舶建造資材情報のシステム
(3)コンピューター統合建造システム(CIMS)の建造過程での研究と応用
(2)研究開発に重要な技術とプロセス改革による伝統産業レベルアップの重点
(1)造船用ロボット技術
(2)型鋼自動加工ライン技術
(3)船舶管系のフレキシブルライン
(4)船舶建造モジュール化技術、大型船舶構造分折技術など現代的船舶技術と造船基
礎技術
(3)主導的製品と設備改造の研究開発による伝統産業のレベルアップの重点
(1)ハイテク、高付加価値船型
(2)バラ積船、タンカーその他一般船の優良化・システム化、標準化を図り、船型ストックの完備を図る。
(3)新型掘削プラットフォーム及び掘削船、1点・複数係留式のFPSO・海洋工事設備装備
(4)重要舶用設備







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