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5.2.4. 中国船舶工業集団の設立−新たな試み
 2001年7月、国家経貿委員会と国防科学技術工業委員会が共同発表という形で、「中船集団試行プラン」を正式に認可し、中国船舶工業集団公司(CSSC)を基礎に中国船舶工業集団が設立された。
 中国船舶工業集団と中国船舶工業集団公司の最大の違いは、中国船舶工業集団公司が資本的つながりを前提としているのに対し、中国船舶工業集団は、定款遵守を約束すれば、必ずしも資本関係がなくても加入できる点である。中国船舶工業集団の定款の要求に合致し、定款を受け入れる法人は、すべて、所定の手続を経て中国船舶工業集団に加入することができ、メンバーとしての権利を有すると同時に、相応の直任を負う。
 なお、中国船舶重工集団公司(CSIC)が、中国船舶工業集団のようにいかなる法人でも加入できるような組織としていない理由は必ずしも明確でないが、CSICは軍関係の仕事が多いことがその一因とする見方もある。
 中国船舶工業集団の設立は、『「国民経済と社会発展のための第10次5ヶ年計画の要綱」で言われている「著名なブランド名、自己の知的所有権を有し、優れた業績の事業を有し、コアコンピタンシーを持つ一群の大企業と企業集団を形成し、産業の集中度と製品開発能力を高める」という要求を貫徹した結果であり、船舶工業の体制改革の深化、船舶工業の企業の戦略的再構築を推し進め、親会社と子会社の体系化の円滑化を図り、現代的企業制度を構築し、「所有・責任の明確化、政府と企業の分離、科学的管理」という企業改革が目標とする重要な道を実現するものである。』とされている。
 新たに設立された中国船舶工業集団は中国船舶工業集団公司を核に同公司と資本関係のある全額出資企業、持ち株企業及び同公司直属の事業単位を主たるメンバーとしている。
 中国船舶工業集団は、自主平等、相互互恵、共同発展の原則に基づき、企業・法人、団体を結ぶものであり、集団の定款を以って共同の行動規範とする構成員を持つ安定した企業法人・経済連合体である。
 中国船舶工業集団発足時のメンバーは55社で、中船集団が全額出資する企業と直属の企業(事業単位)41社が含まれている。持ち株会社は14社(別表参照)。
 
(参考)中国船舶工業集団の構成
 
(地区機構 3)
上海船舶工業公司 広州管理局 九江船舶工業公司
  
 
(企業単位 29)
滬東中華造船(集団)有限公司 上海外高橋造船有限公司
江南造船(集団)有限責任公司 上海船廠 東海船舶修造廠 澄西船舶修造廠
広州広船国際股有限公司 広州文冲船廠有限責任公司 広州黄埔造船廠
中船集団広州控股有限公司 広西西江造船廠 広西桂江造船廠
湖造船廠 江西江州造船廠 江西江新造船廠
南京緑洲機器廠 海鷹企業集団有限責任公司 正茂集団有限責任公司
華南船舶機械廠 上海航海儀器総廠 中国船舶電站設備公司
安慶船用柴油機廠 安慶船用電器廠 九江儀表廠
江西陽電子儀器廠 江西航海儀器廠 九江船用機械廠
江西船用閥門廠 江西朝陽機械廠
  
 
(研究単位 9)
中国船舶及海洋工程設計研究院 船舶系統工程部 総合技術経済研究院
上海船舶研究設計院 広州船舶及海洋工程設計研究院 船舶工芸研究所
中船第九設計研究院 中船勘察設計研究院 九江精密測試技術研究所
  
 
(その他 14)
広州造船廠(広船国際非上場部門) 北京船舶工業管理干部学院
中国船舶工業貿易公司 香港華聯船舶有限公司 中船財務有限責任公司
中船国際貿易有限公司 華海船用貨物通道設備公司
上海瑞舟不動産発展有限公司 上海新興建設工程総請負公司
上海方舟発展公司 上海遠東船務工程公司 上海華芸船舶内装工程公司
中船投資発展有限公司 中船情報科学技術有限公司
  
 
出所:「中国船舶報」2001年9月7日等







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