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第八章 外国為替
第五十二条 外資企業の外国為替関連事項は、中国の外国為替管理関連法規に基づいて処理しなければならない。
 
第五十三条 外資企業は工商行政管理機関発行の営業許可証を証拠として、中国国内で外国為替業務を取り扱う銀行で口座を開設することができ、口座開設銀行がその収支を監督する。
 外資企業の外貨収入は、その開設銀行の外貨口座に預け入れなければならない。外貨支出はその外貨口座の中から支払わなければならない。
 
第五十四条 外資企業が生産および経営のために中国国外の銀行に外貨口座を開設する必要があるとき、中国外国為替管理機関の認可を得る。また、中国外国為替管理機関の規定に基づき、定期的に外貨収支状況を報告し、銀行取引明細票を提供する。
 
第五十五条 外資企業内の外国国籍の従業員および香港、マカオ、台湾の従業員の賃金および正当な外貨収益は、中国税法に基づいて納税した後、自由に国外送金できる。
 
第九章 財務・会計
第五十六条 外資企業は中国の法律、法規および財政機関の規定に基づいて財務会計制度を確立し、かつ記録をその所在地の財政、税務機関に報告しなければならない。
 
第五十七条 外資企業の会計年度は西暦の1月1日から12月31日までとする。
 
第五十八条 外資企業が中国税法の規定に基づき所得税を納付後の利益は、準備金と従業員報奨金および福利基金に引き当てる。準備金の引当比率は税引き後利益の10%を下回ってはならない。累計引当金が登録資本の50%に達したとき、それ以上の引当は不要とする。従業員報奨金と福利基金の引当比率は外資企業が自ら決定する。
 
 外資企業は以前の会計年度の欠損を補填する前に利益処分を行ってはならない。以前の会計年度で分配しなかった利益は、本会計年度の可処分利益と一緒に処分する。
 
第五十九条 外資企業の自社製の証票、会計帳簿、会計諸表は、中国語で作成しなければならない。外国語で作成されたものには、中国語の説明をつける。
 
第六十条 外資企業は独立採算でなければならない。
 
 外資企業の年度会計諸表と清算会計諸表は、中国財政、税務機関の規定に基づいて作成しなければならない。外貨で作成された会計諸表の場合、同時に外貨を人民幣に換算した会計諸表を作成しなければならない。
 
 外資企業の年度会計諸表と清算会計諸表は、中国の公認会計士に検証をさせ、検証報告と共に提出しなければならない。
 
 第2項、第3項に規定の外資企業の年度会計諸表と清算会計諸表は、中国の公認会計士の報告をつけて、規定の期間内に財政、税務機関に提出し、かつ記録のために審査認可機関と工商行政管理機関に報告しなければならない。
 
第六十一条 外国投資家は中国または外国の会計士に外資企業の帳簿を調査させることができる。費用は外国投資家が負担する。
 
第六十二条 外資企業は財政、税務期間に年度の貸借対照表と損益表を提出し、かつ記録のために審査認可機関と工商行政管理機関に報告しなければならない。
 
第六十三条 外資企業は企業所在地に会計帳簿を置き、かつ財政、税務機関の監督を受ける。
 
 前項の規定に違反した場合、財政、税務機関はこれに罰金を課すことができ、工商行政管理機関は営業停止を命じまたは営業許可証を取り上げることができる。
 
第十章 従業員
第六十四条 外資企業が中国国内で従業員を雇用する場合、企業と従業員の双方は中国の法律、法規に基づき労働契約を締結しなければならない。契約では、雇用、退職、報酬、福利、労働保護、労働保険などの事項を明確に定めなければならない。
 
 外資企業は少年工を雇用してはならない。
 
第六十五条 外資企業は、責任をもって従業員の業務・技術訓練を行い、勤務評価制度を確立することにより、従業員が生産・管理・技能面で企業の生産と発展に適応するようにしなければならない。
 
第十一章 労働組合
第六十六条 外資企業の従業員は《中華人民共和国労働組合法》の規定に基づき、労働組合を組織し、労働組合活動を行う権利を有する。
 
第六十七条 外資企業の労働組合は従業員の利益代表であり、従業員を代表して企業と労働契約を締結し、かつ労働契約の執行を監督する権限を有する。
 
第六十八条 外資企業の労働組合の基本的任務は、中国の法律、法規の規定に基づき、従業員の合法的権益を守り、企業に協力して従業員の福利、報奨金を合理的に計画、使用する。
 
 従業員を組織して政治、科学技術、業務知識を学習し、文芸・スポーツ活動を展開する。従業員が労働規律を守り、企業の任務を達成するよう教育する。
 
 外資企業が従業員の賞罰、賃金制度、福利厚生、安全衛生、保険の問題を決議するとき、労働組合代表はオブザーバーとして会議に出席する権利を有する。外資企業は労働組合の意見を取り上げ、労働組合の協力が得られるようにしなければならない。
 
第六十九条 外資企業は、自企業の労働組合活動を積極的に支持し、《中華人民共和国労働組合法》の規定に基づき、労働組合組織のために必要な建物と設備を提供する。労組は、これを事務の他、従業員の福利、文化、スポーツ活動用として用いる。外資企業は毎月企業従業員の実質賃金総額の2%を労働組合経費として支出し、当該企業の労働組合は中華全国労働組合総連合会が定めた労働組合経費に関する管理規則に従って使用する。
 
第十二章 期間、終了、清算
第七十条 外資企業の経営期限は業種と企業の具体的状況に基づき、外国投資家が外資企業設立申請書の中で決定し、審査認可機関の認可を得るものとする。
 
第七十一条 外資企業の経営期限はその営業許可証発行日より計算する。
 
 外資企業の経営期限が満了し、営業期限を延長する必要があるとき、経営期間が満了する180日前に審査認可機関に経営期限延長申請書を送付しなければならない。審査認可機関は申請書を受け取った日から30日以内に認可または不認可を決定しなければならない。
 
 外資企業が認可を得て経営期限を延長するとき、期限延長認可文書を受け取った日から30日以内に、工商行政管理機関に変更登記の手続をしなければならない。
 
第七十二条 外資企業に下記状況の一つがあった場合は、終了しなければならない。
 
(1) 経営期間の満了

(2) 経営不振による大きな欠損

(3) 自然災害、戦争等の不可抗力により重大な損害を被り、経営を継続できない

(4) 破産

(5) 中国の法律、法規に違反し、社会公共の利益に揖害を与えたことによる法に基づく取消

(6) 外資企業の定款に定められたその他の解散事由
 
 外資企業に前項第(2)、(3)、(4)号に示す状況があった場合は、自ら終了申請書を提出し、審査認可機関の審査を受けなければならない。審査認可機関が審査認可した日を企業の終了日とする。
 
第七十三条 外資企業が本実施細則第72条第(1)、(2)、(3)、(6)号の規定に従って終了する場合は、終了した日から15日以内に対外公告し、債権者に通知し、かつ終了公告を出した日より15日以内に清算手順に従い、原則、清算委員会の人選を行い、審査認可機関の審査認可を得た後、清算を行わなければならない。
 
第七十四条 清算委員会は、外資企業の法定代表人、債権者代表および関連管轄機関の代表で構成し、かつ中国の公認会計士、弁護士などに参加を依頼しなければならない。
 清算費用は外資企業の現存財産の中から優先的に支払う。
 
第七十五条 清算委員会は下記職権を行使する。
 
(1) 債権者会議を招集

(2) 企業財産を引き継ぎ、整理し、資産の負債表と財産目録を作成

(3) 財産の評価と計算根拠の提出

(4) 清算案の作成

(5) 債権回収及び債務完済

(6) 払い込まれていない株主の払い込み金を取立

(7) 余剰財産を分配

(8) 外資企業を代表しての起訴および応訴
 
第七十六条 外国投資家は、外資企業の清算が終了する前に、当該企業の資金を中国国外に送金または持ち出し、または、自ら企業の財産を処理することはできない。
 
 外資企業の清算終了後の正味資産額及び剰余財産で登録資本を超える部分は利益と見なし、中国税法に基づき所得税を納付しなければならない。
 
第七十七条 外資企業の清算終了後、工商行政管理機関で登録取消手続きをし、営業許可証を返還しなければならない。
 
第七十八条 外資企業が財産を清算、処理するとき、同等条件下では中国の企業またはその他の中国の経済組織が優先購入権を有する。
 
第七十九条 外資企業が本実施細則第72条第(4)号の規定に基づき終了する場合、中国の関連法律、法規を参照して清算を行う。
 
 外資企業が本実施細則第72条第(5)号の規定に基づき終了する場合、中国の関連規定に従い清算を行う。
 
第十三章 付則
第八十条 外資企業の各種保険は、中国国内の保険会社に加入しなければならない。
 
第八十一条 外資企業と他の公司、企業または経済組織および個人と契約を締結するとき、《中華人民共和国契約法》を適用する。
 
第八十二条 香港、マカオ、台湾地区の公司、企業とその他の経済組織または個人および国外に居住する中国公民が大陸において、全資本を所有する企業を設立する場合、本実施細則を参照して手続きを行う。
 
第八十三条 外資企業の外国国籍の従業員および香港、マカオ、台湾の従業員は、個人的に使用する合理的な交通手段と生活用品を持ち込むことができ、中国の規定に基づき輸入手続きを行う。
 
第八十四条 本実施細則は公布した日より施行される。







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