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4. 中華人民共和国外資企業法
1986年4月12日 第6回全国人民代表大会第4次会議 成立
1986年4月12日 公布(国家出席令第39号)、施行
2000年10月31日 第9回全国人民代表大会常務委員会第18次会議 修正
2000年10月31日 公布(国家出席令第41号)、施行
 
第一条 (目的)
 対外経済合作及び技術交流を拡大し、中国の国民経済の発展を促進するため、中華人民共和国は、外国企業及びその他の経済組織若しくは個人(以下は“外国投資者”という)に中国国内で外資企業を経営することを許可し、外資企業の合法的な権益を保護する。
 
第二条 (定義)
 この法律で外資企業とは、中国の関係法により中国国内に設立され資本の全部が外国投資者によって出資された企業で、外国企業若しくはその他の経済組織の中国における営業所を含まない。
 
第三条 (奨励)
 外資企業を設立する場合は、中国の国民経済に有利に作用しなければならず、また国は製品の輸出及び技術が先進的な外資企業の活動を奨励する。
 
 国家が外資企業の設立を禁止若しくは制限する業種は、国務院が定める。
 
第四条 (保護)
 外国投資者が中国国内に投資し、獲得した利潤と合法的な利益は、中国の法律で保護される。
 外資企業は、中国の法律と法規を守り、中国の社会公共利益を害してはならない。
 
第五条 (国有化と徴収)
 国家は外資企業の国有化と徴収を行わない。特殊な状況において、社会公共の利益のため必要があるときは、外資企業に対しても相当の補償を与え、徴収を行うことができる。
 
第六条 (設立)
 外資企業の設立は、国務院の対外貿易主管部門または国務院が授権した機関が審査・承認する。審査・承認を行うべき機関は、申請が到達後九十日以内に承認するか否かを決定しなければならない。
 
第七条 (登記)
 外資企業の設立を承認されたときは、外国投資者は、承認証書が到達した日から三十日以内に工商行政管理機関に登記を申請し、営業ライセンスを受けなければならない。外資企業の営業ライセンスが発行された日をもって、企業の設立の日とする。
 
第八条 (法人資格)
 外資企業が中国法律の法人の条件に関する規定に適合するときは、法によって中国の法人格を取得する。
 
第九条 (出資)
 外資企業は、審査・承認を行うべき機関が定める期限内に、中国国内に投資しなければならない。期限内に投資しないときは、工商行政管理機関はその営業ライセンスを取り消すことができる。
 
 工商行政管理機関は、外資企業の投資状況について検査と監督を行う。
 
第十条 (変更)
 外資企業の分離、合弁若しくは他の重要事項の変更は、審査・承認を行うべき機関の承認を要し、併せて工商行政管理機関に登記の変更手続を申請しなければならない。
 
第十一条 (活動)
 外資企業は、承認された定款に基づく経営管理活動について、干渉を受けない。
 
第十二条 (労働契約)
 外資企業は、中国人労働者の雇用に際して、法による契約書を作成し、その契約書中に雇用、解雇、報酬、福利、労働保護、労働保険などの事項を記載しなければならない。
 
第十三条 (労働組合)
 外資企業の労働者は、法に従って労働組合を組織し、労働組合活動を行い、労働者の合法的な権益を守る。
 
 外資企業は、その会社の労働組合に必要な活動条件を提供しなければならない。
 
第十四条 (会計)
 外資企業は、中国国内に会計帳簿を備え、独立して計算を行い、規定に従って会計報告書を提出し、財政税務機関の監督を受けなければならない。
 
 外資企業が中国国内に会計帳簿を備えることを拒否したときは、財政税務機関は外資企業を過料に処分することができ、工商行政管理機関は外資企業の営業を停止し、若しくはその営業証を取り消すことができる。
 
第十五条 (購入)
 外資企業は、認可されている経営範囲内で必要とする原材料や燃料等の物資を、公平かつ合理的な原則に基づいて、国内市場若しくは国際市場から購入することができる。
 
第十六条 (保険)
 外資企業の各種の保険は、中国国内の保険会社と契約されなければならない。
 
第十七条 (租税)
 外資企業は、国家の租税に関する規定に従って納税し、減税・免税の優遇を受けることができる。
 
 外資企業が所得税を納税した後の利潤を中国国内に再投資したときは、国家規定に従って既に納付した所得税の再投資部分の還付を申請することができる。
 
第十八条 (外国為替)
 外資企業の外国為替については、国家の外国為替管理規定に従って処理する。外資企業は、中国銀行若しくは国家の外国為替管理機関が指定する銀行に口座を開けなければならない。
 
第十九条 (国外送金)
 外国投資者が外資企業から得た合法的な利潤、その他の合法的な収入及び清算後の資金は、国外に送金することができる。
 
 外資企業の外国籍労働者の給与収入とその他の正当な収入は、法により個人所得税を納付後、国外に送金することができる。
 
第二十条 (経営期間)
 外資企業の経営期間は、外国投資者の申請により、審査・承認を行うべき機関が承認する。経営期間の満了の際、それを延長する必要があるときは、経営期間を満了する百八十日以上前に、審査・承認を行うべき機関に申請しなければならない。審査・承認を行うべき機関は、申請を到達した日から三十日以内に承認か否かを決定しなければならない。
 
第二十一条 (清算)
 外資企業が終了したときは、遅滞なく公告し、法定の手続に従って清算しなければならない。
 
 清算が終了するより前は、清算を執行する目的以外で外国投資者は企業の財産を処理してはならない。
 
第二十二条 (登記抹消)
 外資企業が終了したときは、工商行政管理機関に登記の抹消を行い、営業ライセンスを返納しなければならない。
 
第二十三条 (実施細則)
 国務院対外経済貿易主管部門は、この法律に基づいてその実施細則を定め、国務院に報告しその承認後それを執行する。
 
第二十四条 (施行期日)
 この法律は公布の日から施行する。







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