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第四章 出資
第二十二条 出資は、資金のほか、建築物、工場建屋、機械設備その他の現物、工業所有権、ノウハウ、土地使用権等でもよい。建築物、工場建屋、機械設備その他の現物、工業所有権、ノウハウで出資するときは、合弁の各当事者の公平・合理的な協議、又は双方が合意した第三者たより評価する。
 
第二十三条 合弁の外国側相手方が出資する外国通貨は、払込日に中国人民銀行が発表した基準相場で人民元に換算するか、クロスレートを使って約定した外国通貨に換算する。
 
 中国側が出資した人民元現金を外国通貨に換算する必要があるときは、払込日に中国人民銀行が発表した基準相場で換算する。
 
第二十四条 合弁の外国側相手方が出資する機械設備その他の現物は、合弁企業の生産に不可欠なものとする。前条で行なった機械整備その他の現物の評価価格は同種の機械設備その他現物のその時点での国際市場価格を上回るものであってはならない。
 
第二十五条 外国側相手方が現物出資する工業所有権又はノウハウは、次の各号のいずれかに合致していなければならない。
 
(1) 在来製品の性能、品質を著しく改善し、生産能率を高めるものであること。

(2) 原材料、燃料、エネルギーを大幅に節約できること。
 
第二十六条 外国側相手方が工業所有権又はノウハウで出資するときは、合弁契約の添付書類として当該工業所有権又はノウハウの関係資料を提出する。資料には特許証書・商標登録証書のコピー、有効性、技術的特性、実用価値、評価計算の根拠及び中国側と結んだ評価取り決め等の関係書類を含む。
 
第二十七条 外国側相手方が出資する機械設備その他の現物、工業所有権又はノウハウは、政府機関の認可を受ける。
 
第二十八条 双方は契約に定める期間にそれぞれの出資額の払い込みを完了する。期間を過ぎても払い込みがないか、払い込みが完了しないときは、契約の規定に従って延滞利子を支払い、又は損害を賠償する。
 
第二十九条 合弁の双方が出資額を払い込んだ後、中国の公認会計士が払込を証明する報告書を発行する。合弁企業はこれを基に合弁企業の名称、合弁企業の創立年月日、合弁者の名称(又は氏名)とその出資額、出資年月日、出資証明書の発行年月日を明記した出資証明書を作成する。
 
第五章 取締役会等
第三十条 取締役会は合弁企業の最高機関であり、合弁企業の全ての重大な問題を決定する。
 
第三十一条 取締役会の構成員は3名を下回ってはならない。取締役会の構成は、双方の当事者が出資比率を参考にして協議・決定する。
 
 取締役の任期は4年とし、再任を妨げない。
 
第三十二条 取締役会は少なくとも年一回、会長が招集、主宰して開催する。会長が招集できないときは、会長が副会長その他の取締役に招集、主宰を委任する。臨時取締役会は、3分の1以上の取締役の提案により開くことができる。
 
 取締役会は、3分の2以上の取締役の出席を必要とする。ただし、委任状を提出して代理人を傘下させることを妨げない。
 
 取締役会は原則として合弁企業の法定所在地で開催する。
 
第三十三条 次の事項は取締役会に出席した取締役の全員一致によらなければ決議できない。
 
(1) 合弁企業定款の修正

(2) 合弁企業の期間中途での解散、清算

(3) 合弁企業の資本金の増額、減額

(4) 合弁企業の合弁、分離
 
 その他の事項は合弁企業の定款に明記された議事運営規則に従い決議する。
 
第三十四条 会長は合弁企業の代表であり、会長が職責を果たせない時は、副会長その他の取締役に合弁企業を代表する権限を与える。
 
第三十五条 合弁企業には企業の日常の経営を担当する機関を設置する。機関には社長1名と副社長若干名を置く。副社長は社長を補佐する。
 
第三十六条 社長は、合弁企業の日常の経営管理を組織、指導して取締役会の諸決議を執行する。対外的には、合弁企業を代表し、対内的には部下の任免権を有して、取締役会から与えられたその他の職権を行使する。
 
第三十七条 社長、副社長は合弁企業の取締役会が決定する。国籍は中国、外国を問わない。
 
 取締役会が了承すれば、会長、副会長、取締役は合弁企業の社長、副社長その他の管理職を兼任することができる。
 
 社長は重要な問題の処理にあたって、副社長と協議する。
 
 社長又は副社長は、他の営業組織の社長又は副社長を兼任してはならず、また、他の営業組織の一員として自企業のビジネスにかかわってはならない。
 
第三十八条 社長、副社長その他の管理者に不正行為又は重大な職務怠慢があったとき、取締役会は決議により解任することができる。
 
第三十九条 合弁企業が外国、香港・マカオに支部(販売所を含む)を設立するときは、貿易省の認可を受ける。
 
第六章 技術導入
第四十条 この条例において技術導入とは、合弁企業が技術移転により、第3者又は合弁相手から必要な技術を取得することをいう。
 
第四十一条 合弁企業が導入する技術は、適正かつ先進的なもので、その製品に国内的に著しい社会的経済効果を与えるか、国際競争力をもたせるものとする。
 
第四十二条 技術移転の取り決めを結ぶ時は、合弁企業の独立した経営権を守るため、第26条の規定を準用して、技術譲渡側に関係資料の提出を求める。
 
第四十三条 合弁企業が結んだ技術移転取り決めは、政府機関の認可を受ける。技術移転取り決めは次の規定に適合していなければならない。
 
(1) 技術使用料が公平で合理的であること。

(2) 双方に別段の取り決めがある場合を除き、譲渡側は譲受側に製品の輸出地域・数量・価格を制限してはならない。

(3) 技術移転取り決めの期間は原則として10年を超えない。

(4) 技術移転取り決めの期間満了後も、譲受側は、引き続き当該技術を使用する権利を有する。

(5) 技術の相互交換の条件は対等でなければならない。

(6) 譲受側は、自らが適当と認める調達先から必要な機械設備、部品・付属品、原材料を購入する権利を有する。

(7) 中国の法律、法規で禁止された不合理な制限的条項は含まれてはならない。
 
第七章 土地使用権
第四十四条 合弁企業は節約の原則のもと土地を使用する。必要な土地を、合弁企業は所在地の市(県)級の土地主管官庁に申請し、審査・許可の後、契約を締結して土地使用権を取得する。契約には土地の面積、場所、用途、契約期間、土地使用料、双方の権利・義務、契約違反時の罰則等を明記する。
 
第四十五条 合弁企業が必要とする土地の使用権をすでに中国側相手方が有するときは、中国側相手方はそれを合弁企業の現物出資とできる。評価額は同種の土地使用権を取得するのに支払われる使用料と同一とする。
 
第四十六条 土地使用料の基準は、当該土地の用途、地理・環境条件、土地収用・立ち退き費用及びインフラ整備に対する合弁企業の要求等をもとに、所在地の省・自治区・直轄市人民政府が定め、経貿部と国の土地主管官庁に届け出る。
 
第四十七条 農業、畜産業に従事する合弁企業は、所在地の省・自治区・直轄市人民政府の同意があれば、土地使用料を合弁企業の営業収入に一定の率を乗じた額とできる。
 
 経済の未発達な地域での開発事業では、所在地の人民政府の同意があれば、土地使用料を特に優遇する。
 
第四十八条 土地使用料は使用開始から5年間は変更しない。その後の経済発展、需給状況の変化及び地理・環境条件の変化に伴い変更が必要なときも、その間隔は3年以上とする。
 
 中国側の現物出資とする場合、契約期間内は土地使用料を変更しない。
 
第四十九条 合弁企業が第44条により土地使用権を取得したとき、その土地使用料は、契約で定める使用期問が始まった年度から年度ごとに納めるものとし、第1暦年の使用期間が半年を超えたときには半年として計算し、半年に満たないときは免除する。契約期問内に土地使用料が変更された場合は、変更された年から新しい土地使用料を基準に納める。
 
第五十条 合弁企業はこの章の規定により土地使用権を取得するほか、国の他の関係規定に従い土地使用権を取得することもできる。







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