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生活者の視点に立った活動をしていきたい
 このように、さまざまな形で地域社会に対してアプローチを続けてきた同会だが、来年春には、事務所の南側に痴呆性高齢者のグループホーム「ガーデン柳津」も開設する予定だという。これは、国と県の補助金を受けて建築されるもので、岐阜県NPO初の取り組みである。
 「3年前にスウェーデンに視察旅行に行って以来、グループホームの開設は念願でした。彼の地では街の中にグループホームをはじめとする多くの福祉施設がありましたが、お年寄りはみな、とても穏やかに、楽しげに暮らしていたんですね。それというのも、街中であれば家族も頻繁に訪問してくれますし、学校や保育園も近くにありますから子どもたちの声であふれている。もちろん、買い物だって気軽に出かけられる。そういうふうに、長年住み慣れた地域で今まで通りに生活し続けることができてこそ、最後まで人間らしく生きられる。そう実感したからです」
 建設にあたっては、居心地の良い生活の場を実現するために、「木造でぬくもりのある平屋建てを」との要望を出し、756.68m2の敷地面積に、岐阜県特産の檜をふんだんに使った個室9部屋とLDK(和室付)を備えたホームが建てられることとなった。そして、施設長や従事予定者が痴呆介護研修を受講するなど、開設に何けての準備が着々と進められている。
 「このグループホームを拠点にして、高齢者を地域で支えるという仕組みづくりを、いっそう推し進めていきたいですね。また、実践の中から浮かび上がってきた課題を地域や行政に対して提案し、ひとつずつ解決していければとも考えています。いずれにしても、今後も生活者の視点に立って、安心して暮らせるふれあいの地域社会の実現を目指して頑張っていきたいですね」
 それぞれの人が自分を大切にしながらふれあい、助け合う。そして、今までのさまざまな経験を生かしながら活動し、その体験の中から生きがいの日々をつかんでほしい・・・。それが加藤さん率いる「さわやか岐阜みのじ」の目指すところだという。
 その夢を形にするための第2幕が、もうすぐ開こうとしている。今後の展開にも、ぜひとも注目していきたいものである。
 
 岐阜県羽島郡柳津町に本拠地を置くNPO法人福祉サポートセンターさわやか岐阜みのじは、高齢者及び障害者等に対して福祉サービスに関する事業を行い、『困ったときはお互いさま』という助け合いの精神に基づいたふれあい社会の構築に努め、健康で安心して暮らしていくことのできる生きがいのある長寿社会を形成し、福祉の増進に寄与することを目的として設立されたNPO法人。主な事業内容は、(1)在宅福祉サービス、(2)送迎・移送サービス、(3)ふれあいサロンの運営、(4)介護保険の訪問介護事業、(5)受託事業など。会員になるには、入会金1000円、年会費3000円が必要で、サービスの利用は1時間につき750円。活動に対する謝礼金は同650円(100円は事務手数料)。(→連絡先は最終頁
 
1997年
5月
市民互助型在宅福祉サービス「さわやか岐阜みのじ」設立
1998年
4月
リフト車による移送サービス開始
1999年
6月
独立事務所へ移転
   
ふれあいサロン開設
2000年
5月
NPO法人として「福祉サポートセンターさわやか岐阜みのじ」登記
 
10月
介護保険(訪問介護)指定事業所としてスタート
2001年
4月
柳津町生活支援ホームヘルプ事業を受託
2002年
2月
福祉大学、福祉専門学校の介護福祉士在宅介護実習事業所となる
 
7月
岐阜県青少年社会貢献活動の体験事業所となる
 
8月
グループホーム「ガーデン柳津」建築着工
 
「先進地に学ぼう!」と訪ねたたすけあい遠州(静岡県)にて
 
特別養護老人ホームの夏祭りにボランティア訪問
 
高齢者疑似体験の様子
 
医療福祉財団から贈られた福祉車で、心を込めて移動のお手伝い







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