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喜・涙・笑 ふれあい活動奮戦記
レベルを上げ、力をつけて地域住民の期待に応じられる団体を目指したい
NPO法人ふれあい福祉北九州(福岡県)
 
 「当会を立ち上げてからこの10月で丸8年を迎えましたが、私は自らのライフワークともいえるこの活動に出会えたことで、社会人歴60年の中で、今が、もっとも充実していると感じています。日々の活動においては、会員の皆さんがやりがいを持って励む姿に元気づけられますし、古い友人や知人から相談を受けたときに役に立てるという喜びもある。また研修会等を通して、全国各地でNPO活動にかかわる方たちと出会い、共に学び、交流する中では、たくさんのエネルギーももらえる。そして何よりも、我々が努力すれば、介護の世界を良くするだけでなく、社会をも変えていく旗手にもなりうるわけですから、その使命感がまた、明日の活動への原動力にもつながっていく。ありがたいことに、周囲からもまだ10年は頑張ってほしいと言われてますので、ぜひとも生涯現役、生涯青春でいきたいですね」
 
 御年75歳とは思えない若々しさでこう語るのは、「ふれあい福祉北九州」の代表を務める永田秀雄さん。
第2の人生の生きがいを求めて
 永田さんは、1993年2月、4期16年間務めた北九州市議会議員を65歳11か月で引退したが、「まだまだ心身ともに元気。趣味だけでは飽きたらない」と、第2の人生の生きがいを模索。その課程で、同年9月、当財団の堀田理事長の著書『再びの生きがい』に出会ったことが、現在のNPO活動へとつながっていったという。
 「市議時代は、6年間福祉関連の委員会に所属していたことあって、恵まれない人たちや力の弱い人たちが、隅のほうに追いやられていることを実感した。だから、こうした問題を解決するためにも、引退後は福祉関連の活動をしたいと考えていました。ただ、具体的に福祉の何に取り組んだらいいものかと、いろいろ模索していたんです。そんなときに堀田理事長の本と出会い、“新しいふれあい社会をつくろう”という、その呼びかけに、共鳴しましてね。これこそが自分の探し求めていたものだと思い、さっそく、さわやか福祉推進センター(現さわやか福祉財団)の会員となったわけです」
 
事務所前にて前列中央が代表の永田さん
 
 リーダー研修会の参加を経て、翌年2月には、友人・知人に呼びかけて10余名で設立準備委員会をスタート。地域の公民館で週1回の打ち合わせをしながら、手探り状態で進めた6か月だったが、8月には会員募集を開始。だが、いざ動き始めると、各方面からさまざまな中傷、批判が起きた。「永田はそんな金儲けを始めたか」「ボランティアをするのになぜ、入会金がいるのか」「OB議員としての組織利用ではないのか」等々。「予想だにしない多難な船出となりましたが、身にやましいことなど一つもない。ここまできたら、もう前に進むしかないと、腹を決めました」
 そして、10月29日。小倉南市民センターで「ふれあい福祉北九州」の発足総会を開催。現役引退から1年8か月を経て、永田さんは第2の人生の船出を果たしたのである。







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