日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 社会 > 成果物情報

情報誌「さぁ、言おう」 2002年11月号

 事業名 高齢者のためのボランティア普及啓発活動
 団体名 さわやか福祉財団 注目度注目度5


特集 新しいふれあい社会を考える
山口県東和町 千葉県浦安市
それぞれが抱える“高齢化”
日本一老老介護の島と若者が集うディズニーランドの町
 高齢化率が50.1%に達する日本一の過疎高齢地はご存じ山口県東和町。一方、千葉県浦安市の高齢化率は8.1%で10万都市としては日本一若い。しかし東京ディズニーランドで全国に知られたこの町にも実は忍び寄る「老い」への不安がある。両者を対比しながら、高齢化に対する住民と行政の取り組みを探ってみた。
東和町
生涯現役の気概と地域ぐるみで「日本一の老い」を支える
 東京と江戸川を隔てた浦安市と、瀬戸内海に浮かぶ島にある東和町は日本の縮図である。前者は急速な経済成長によって膨張した大都市のベッドタウンとして発展した人工都市。後者は、大都市に若い労働力を吸い取られて過疎高齢化が極端に進んだ町である。1991年、高齢化が極端に進んだ地域社会の素顔を知りたいと考えた私は、すでに高齢化率が日本一になっていた東和町を訪れた。
 当時、この町の高齢化率はすでに42%。オールドタウンの悲哀という浅薄な予想は裏切られた。お年寄りたちの多くは明るく元気で生き生きと働き、生活を楽しんでいる。その様子を私は、こうレポートした。「自立心おう盛 表情も明るく 仕事で心身ともに健康 住民参加で広がる福祉の輪」(1991年9月13日付日本経済新聞)と。タバコ屋と菜園で働く94歳の男性に健康長寿の秘訣を聞くと、「仕事を持ってアンキ(コセコセせず)に暮らすこと」と語っていたことを思い出す。生涯現役こそPPK(ピン・ピン・コロリ)の秘訣というわけである。
 もう一つ感銘を受けたことは老老介護の実践である。民生委員、老人クラブ、自治会など旧い住民組織を老人見守りネットワークとして活用し、元気なお年寄りが隣近所の独居老人や高齢者世帯を支えていた。都会の核家族の中で家族だけで背負う「閉ざされた老老介護」は悲惨だが、地縁で結ばれた地域ぐるみの「開かれた老老介護」には暗さは微塵もなかった。
 それから11年。今年の7月に東和町を再訪すると高齢化率は50%へと8ポイントも上がっていたが、生涯現役・自立の意気込みと老老介護は健在だった。
 老老介護のための各種ネットワークを集落単位につなぐ「福祉会」は、町内22の全集落に張り巡らされている。1992年から始まった全国初の365日宅配弁当サービスは、調理から配達までお年寄り自身が担っていた。毎朝5時から弁当を調理する84歳の女性(写真上)は「10年間、この仕事を病気で休んだことは一度もない」と笑う。
 
高齢化率80%を超える東和町の沖家室地区(上)と、町を根っこで支えてきたお年寄り
 
 一方、町の財政は火の車という現実がある。
 歳入のほとんどを国・県の補助金と地方交付税交付金に依存している。生き残る道は久賀町など同じ周防大島内にある他の3町との合併である。ただし合併相手である3町の高齢化率はそれぞれ38〜43%。4町合わせた高齢化率は43%で、他の3町の励政状況も東和町と似たり寄ったり。
 西木宏町長は「合併しても福祉サービスは高く住民負担は低く維持する」と町民に公約していたが、合併が過疎高齢のくびきを解き放つことができるかどうかは定かではない。
 
 
西木宏東和町長
浦安市
財政はディズニーランド景気で潤い自立度は全国トップクラスに
 一方、千葉県浦安市は高齢化率が日本一低い町だ。面積は約17平方キロメートル、人口は約14万人。高齢化率8.1%。東和町に比べると面積は半分以下(44%)ながら、人口は25倍という東京湾の湾岸都市。東京ディズニーランドがある町として全国に知られている。また埋め立てによって市の面積が4倍にも増えた日本有数の人工都市でもある。
 
ディズニーランド、ディズニーシーのお客でにぎわうJR京葉線舞浜駅
 
 東和町の人口は毎年100〜200人ずつ減っているが、浦安市は1978年から10年間に1万人ずつ人口が膨張してきた。バブル経済の崩壊後いったん終息したあとも再び増加ぺースは速まっている。
 ディズニーランドとディズニーシーという2つの人気テーマパークを経営するオリエンタルランド社が市に納める税金は40億円を超え、市税収の10%に達する。地方交付税、国・県補助金依存率は6%台と低く、財源は日本一豊かな都市の一つに数えられている。県外で働く人の数も全国有数。多くの市民が東京都の千代田・中央区などの大企業に通勤する。両テーマパークに来る客は1日平均6万8000人(年間2200万人。2001年度実績)だから、それだけでも総人口の半数に相当する人々が毎日、江戸川を越えて東京間を往来するという流動都市だ。
 だが、この町にも高齢化のさざ波がヒタヒタと寄せている。日本一若い都市にも独居老人や呼び寄せ老人が増えているといのだ。真夏のある日、それを確かめようと埋立地の一角に建つ日の出公民館を訪れた。







サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら

日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
2,984位
(33,821成果物中)

成果物アクセス数
2,499

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2021年11月27日

関連する他の成果物

1.情報誌「さぁ、言おう」 2002年8月号
2.情報誌「さぁ、言おう」 2002年9月号
3.情報誌「さぁ、言おう」 2002年10月号
4.情報誌「さぁ、言おう」 2002年12月号
5.情報誌「さぁ、言おう」 2003年1月号
6.情報誌「さぁ、言おう」 2003年2月号
7.情報誌「さぁ、言おう」 2003年3月号
8.情報誌「さぁ、言おう」 2002年4月号
9.情報誌「さぁ、言おう」 2002年5月号
10.情報誌「さぁ、言おう」 2002年7月号
11.情報誌「さぁ、言おう」 2002年6月号
12.「ワールド シー ワールド 春」写真
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から