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情報誌「さぁ、言おう」 2002年8月号

 事業名 高齢者のためのボランティア普及啓発活動
 団体名 さわやか福祉財団 注目度注目度5


今 心の教育を考える
(取材・文/中村延夫・伏見明)
会いたくなるボランティア
〜手紙による心の交流〜
千葉県銚子市立猿田小学校
 
(拡大画面:117KB)
2002年5月28日付毎日新聞
 
 快晴の5月27日(月)に、茨城県取手市いきいき福祉課の福祉バスに乗り、3時間かけて取手市戸頭地区のお年寄り23名と戸頭地区民生委員・児童委員20名が、千葉県銚子市立狼田小学校にやって来た。お年寄りたちが招き入れられたのは、猿田小学校の体育館。そこには『ペンフレンド』である3〜6年生をはじめとした全校児童56名が待っていた。
 
 体育館には6年生が作った「ようこそさるだ小へ」と書かれた大きな看板と、全校児童で分担して作ったアジサイの絵の飾りやプログラムが張り出されている。プログラムに書かれたタイトルは、「戸頭地区のおじいちゃん、おばあちゃんとの交流会」である。交流会は児童会活動として行われたので、進行は小学生が中心。会は3年生の柴桃子さんの歓迎の言葉と、校歌を歌う全校児童の元気な歌声で始まった。
 今回のドラマは、さわやか福祉財団が2000年度社会福祉・医療事業団(子育て支援基金)助成事業として、“手紙による心の交流事業”をスタートさせたところから始まる。最初に財団職員が銚子市教育委員会真久孝昭学校教育課長(当時)を訪ねると、初対面ではあったが趣旨に賛同していただき、市内の小・中学校の校長宛に、事業に参加しませんかと依頼文で呼びかけてくれた。
 打てば響くで、いの一番に手を挙げてくれたのが、当時の猿田小学校教頭長谷川育子先生。猿田小学校では元々地域の老人施設との交流など、福祉教育への取り組みがあった。そこで、子どもたちの視野を広げるために、他の地域で文通相手を探すことにした。財団が取り持ち、利根川を遡った取手市戸頭地区のお年寄りたちに白羽の矢が立った。小学校からの手紙を一括して受け取るのは、地区の民生委員・児童委員協議会副会長の高橋満子さん。そして、文通をしているお年寄りの内、多くは一人暮らしである。高橋さんをはじめ、何人もの委員が、安否確認を兼ねて小学生の手紙を一人ひとりに配ってくれている。
 
世代を超えた“ペンフレンド”との交流。会場中ににぎやかな会話の声がはずむ
 
 「銚子の孫」と会うのは、お年寄りたちの夢の実現である。いつもの旅行先を決める時、文通相手の猿田小学校に行こうというアイデアにみんながすぐに賛同した。感激の初対面の後、お年寄りと小学生がペアになって座り、楽しい対話がはずむ。小さな手を握るお年寄りもいる。ところどころで涙が光った。
 小学生たちは、事前に調べておいた学校の歴史や猿田町の自然について、学年ごとに発表した。そして、56名が知恵を出し合って作ったジャンボカルタで、カルタ取りゲームを楽しんだ。カルタが読まれるとお年寄りと小学生が手をつなぎ、体育館に広げられたジャンボカルタの間を探し回る。走るペアもあれば、ゆっくりゆっくり探しているペアもある。
 
チームを組んで手作りジャンボカルタゲームを楽しむ
 
 4月から1年ぶりに校長として着任した長谷川育子校長は、「楽しい、素晴らしい、夢のある交流会でした。そして子どもたちの心の変容がよくわかるので、手紙の交流は続けますよ」と会を結んだ。
 交流会の後、3年生の加瀬はる香さんは、「わたしは、とりでの方が入場する時、誰がよねかわさんかなあ。休みかなあ。と心ぱいでした。でも、ちゃんと来てくれました。自分から話しかけられるようになれてうれしかったです」と感想文を書いた。また、今まで文通をしていなかった1・2年生からも、文通したいと声が上がっている。
 交流会が終わり、学校を後にする一行を小学生たちは見えなくなるまで見送った。その中から1人の男子児童が、自転車でバスを追いかけ始めた。バスの中では「あれは私が文通してる子よ」。1人のお年寄りが誇らしげに声を上げた。
 今回の交流会は朝日・毎日・産経・千葉日報の4紙が取材し、各紙いずれも写真入りで大きく報道した。これを読み、銚子市内のある小学校では、手紙の交流の実施を検討し始めた。財団も、さらに手紙の交流が始められるよう、働きかけていきたい。
 
コラム
一通の手紙から心の交流を始めませんか
〜指導される方へ〜
 私は、4月から財団へ研修に来ています。土・日は地元でボーイスカウト活動をしています。以前、隊長に「高齢者施設の訪問をしませんか?」と言ったところ、「どうせ1回しか来ないんでしょう」とお年寄りに言われたことがあって、今はやめているそうです。
 財団に来て、手紙の交流を知りました。手紙なら、行事や活動の感想文を手紙にして送れば、年に何回もお年寄りに喜んでもらうことができます。年間の計画が決まった後でも、予算が少なくても、工夫次第で心に残る交流が行えます。例えば、手紙の届け方を、手渡し、郵送、誰かが取りまとめて配達など、その地域の状況に合わせる必要はあります。しかし、大切なのは子どもたちやお年寄りの気持ちに沿いながら、交流を続けていくことです。
 学校だけでなく、地域のさまざまな場面で、一通の手紙から始めませんか。私もまた、隊長に提案したいと思います。
(社会参加システム推進G 伏見 明)







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