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2002年8月号 さぁ、言おう
さわやか福祉財団
 
表紙絵から
●グンカンドリ●
 
『さぁ、言おう』投稿募集
あなたの意見を社会へ生かそう
『さぁ、言おう』は皆様の声を社会につなげる問題提起型情報誌です
トークアンケート
 巻頭の投稿用紙にご記入の上、編集部へお送りください。
今月のテーマ 【夫婦別姓】
 ここ何年となく盛り上がっては下火になり、という繰り返しの夫婦別姓論議。「夫婦は別々の姓を名乗れるのか?」―根強い保守派の反対もあり、また、この問題は年齢や性別、地域によっても考え方は様々だ。そこで皆様に率直なところをお尋ねするのが今回のアンケート。 あなたは別姓に賛成ですか反対ですか?
常設テーマ
地域の助け合い活動について
 ふれあいボランティアやNPOの活自から得たとっておきのエピソード、あるいは活動上の問題・疑問など。
制度・施設について
 この制度・施設ここがいい、ここを直してほしいなど、体験談や具体的なアイデアなど。
投稿の方法
●字数や回数制限はありません。ただし、掲載にあたっては誌面の都合上、編集要約する場合がありますので予めご了承ください。
●一般投稿は形式は問いません。本誌添付の投稿ハガキなどもご自由にご利用ください(ただし原稿はお返しできません)。
●投稿は、事情が許す限り本名でお願いします。ただし掲載時には匿名、あるいはペンネームの使用も可能ですので、その旨お書き添えください。
●投稿時には、お名前のほかにご住所、連絡先お電話番号をご記入ください(内容により質問させていただく場合があります)。性別、年齢もよろしければお書き添えいただければ、大変参考になります。
送付先
〒105−0011
東京都港区芝公園2−6−8
日本女子会館4階
財団法人さわやか福祉財団
『さぁ、言おう』編集部宛
FAX 03(5470)7755
E-mail pr@sawayakazaidan.or.jp
 
挑戦―幸福(しあわせ)づくり
堀田 力
さわやか福祉財団理事長
構造改革の先の社会
21世紀に目指すべき社会は、一人ひとりがその能力を生かしていきいきと暮らす社会であろう。
今、そういう暮らし方を現にしているのが、ボランティアであり、NPOのメンバーである。
とすると、構造改革によってつくり出すべき社会を、ボランティアやNPOは先取りして実現しているといえよう。
 
 構造改革は抵抗勢力によって停滞気味であるが、痛みに耐えて改革したあとの社会の姿が見えないことも、推進力を欠く大きな原因になっている。総理は、経済の回復を言っており、それは正しいと思うが、経済の回復がバブル以前に戻るというイメージであれば、痛みに耐えるほどの魅力はない。
 冷戦終結後グローバル化が進む厳しい世界経済の中で、たしかに、日本は、非効率性を温存する保護主義では、競争に勝てず、失速するばかりであろう。地方の公共事業の廃止からリストラまで種々の痛みに耐え、グローバルな競争に勝てる企業が自ら育つ環境を整えなければならない。
 しかし、そのような環境整備に伴って大量に出てくる失業者をどうするのか。
 そこで、もう一度構造改革を進める原点に戻って考えてほしい。
 どんな改革も、時代に合わなくなって国民に幸せをもたらさなくなった制度を廃止し、幸せをもたらす新しい制度をつくることが目的である。そして、歴史の現段階における日本国民の幸せは、単に国民の平均的な経済生活水準が高いというだけでなく、すべての人々が、それぞれの能力を生かし、生きがいをもって暮らせるということであろう。
 それを可能にするのは、福祉や医療、教育や各種相談事業のように、個々の人を対象とする事業である。そういう事業は、外貨は稼がないが、困っている人々、助けを必要とする人々に、直接「安心」や「能力の向上」をもたらす。それと同時に、グローバルな企業と異なり、さまざまな能力を生かせる。お年寄りの介護や不登校児に対する教育には、学業優秀、効率一辺倒の人ではなく、ゆったりとした心を持つ高齢者などの人間力の方が向いている。
 現に、福祉や教育など、人を直接相手とするNPOでは、グローバル経済では生かされないさまざまの能力が生かされ、活動者は、いきがいを得て、活動時間を自由に選びながら幸せに暮らしている。そして、グローバル企業では出来ない人々の幸せを産み出しているのである。
 世界的競争力のある産業の発展と合わせて、“人に直接幸せをもたらす事業”が幅広く生まれ、誰もが、自分に合ったところで働ける社会を目指す。それによって初めて“痛みに耐える”のに必要な希望が持てるのではなかろうか。







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