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II 研究内容・実施経過
 緩和ケアチームの基本母体は緩和医療科所属の医師、臨床心理療法士と看護師らである。緩和医療科との連携の強い診療科は、リハビリテーション科 歯科口腔外科とWOCであった。治療面で専門医師への相談と治療依頼の多い診療科は放射線治療科、整形外科、循環器内科や腎内分泌代謝科などであった。
 緩和医療科内でのチーム医療の内容は上述したので、ここでは省略する。本研究に直接協力した、リハビリテーション科、歯科口腔外科、WOCと臨床心理療法士らの研究内容の概要について述べる。
1、リハビリテーション科での依頼内容と訓練目的は(1)安全な日常生活動作の習得、(2)浮腫の改善痛みの緩和、(3)免荷杖歩行の習得、(4)廃用による四肢筋力低下および関節拘縮の改善(5)在宅準備(自宅の環境評価とアドバイス、ホームプログラムの習得)、(6)安全な栄養摂取の手段確立、コミュニケーション手段の確立などであった。
2、歯科口腔外科での研究対象は、平成14年9月から平成15年2月末までの半年間に、緩和ケア病棟に入院した患者129名のなかで歯科治療もしくは専門的口腔ケア介入をおこなった28名の患者を対象とした。
 研究方法は、(1)静岡県立静岡がんセンターの電子カルテを使い、平成14年9月から平成15年2月末までに歯科専門的介入をおこなった28名の患者の医師記録、看護師記録、歯科診療録から、患者の年齢、性別などの基本情報、歯科介入を必要とした患者の主訴、ならびに口腔内トラブルの実態、歯科介入処置内容、処置回数、そしてその改善の有無を検討した。
3、WOCケアチームがケアに介入した緩和医療科の患者は27名で、男性15名、女性12名であった。介入したケアの種類は、18名(67%)が褥瘡ケア、6名(22%)がストーマケア、3名(11%)がPEGケアであった。
4、臨床心理療法士;(1)外来における初診アセスメント:緩和医療科外来において、医師、看護師と共に患者/家族の初診アセスメントに参加。心理社会面(病状理解、コーピングスタイル、家族構成、サポート体制、緩和医療科への期待など)のアセスメントを行い、その後の入棟カンファレンスにその結果を反映させる外来初診時より参加することにより、包括的なアセスメントが可能になると同時に、患者/家族に対しても「身体のみならずこころのケアを大切にしている」という診療科の姿勢をメッセージとして送ることができる。具体的な面として、外来における心理社会面フォロー初診時アセスメントにより、継続した心理社会サポートが必要と判断された症例については、再診時も継続して診療に同席し、心理社会面のアセスメント及びサポートを提供する。抑うつ/不安、告知に伴う懸念、告知後フォロー家族内容緊張。(2)緩和ケアチームへの他科依頼:緩和ケアチームに対する他科依頼のうち、心理社会的サポートが必要と判断された症例については、往診に同行してアセスメント及びカウンセリングフォローを行う。(3)他科依頼(心理社会アセスメント/カウンセリング)緩和医療科の入院/外来患者に加え、患者/家族から、或は他科の担当医師や病棟看護師からの依頼を受けて、心理社会アセスメントやカウンセリングを行う。症例によっては病棟看護師の相談に応じるという形で間接的に関わるという形もある、抑うつ/不安、告知に伴う懸念、告知後フォロー、家族内容緊張・長期的な入院生活における心のサポート(特に小児科)、(4)その他、スタッフからの相談依頼に応じてカウンセリングを行う:・職場の人間関係、・燃え付き症候群、不安/抑うつ、(5)緩和ケアコアメンバーの一員としての診療科/病棟運営に関わる。







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