3、研究方法
平成14年4月から8月までの期間は静岡がんセンター緩和医療科に直接関連する看護師、心理療法士らとのチーム医療の形態について討議し、次の点に関して合意してきた即ち、多職種による緩和ケアサポートチームを立ち上げて、通院中から入院に至る全てがん患者の緩和ケアに応じる体制を整えることや情報の共有化をはかること。入院中の患者家族に緩和診療科チームや関連する専門診療科が必要に応じてリアルタイムに対応し、各種のサポートを提供する。月1回は関連する診療科と合同カンファレンスをもち全てのがん患者に多方面からの緩和ケアが提供されるように努める。病院スタッフへ緩和医療学の教育学習と実践の普及につとめる。などを決めてきた。
平成14年9月の開院から実行された点は、緩和医療科外来は月曜日から金曜日開き、診療時間は初診1時間、再来15分から30分設けた。他診療科入院患者のコンサルテーションは依頼された時点でリアルタイムに外来担当スタッフで対応し、依頼内容に応じてベットサイドを訪れて緩和ケアを提供した。外来初診段階から、緩和医療科医師、緩和病棟看護師と臨床心理療法士など少なくとも3人体制で患者と家族らと対応し多様なニーズを聞き、説明を行った。必要に応じて診療行為を行った。入院希望患者がいれば、その日の午後4時から、外来担当の緩和医療科医師、病棟・外来看護師、臨床心理療法士らで緩和ケア病棟入棟カンファレンスを行い、入棟基準に適格するか否か、入院治療の希望に対してどのような緩和ケアが提供できるかを検討し重症度と緊急性を考慮して入院日を決定した。入院中患者については毎日午前午後2回、担当緩和医療科医師と看護師らで情報を共有し、ケアの見直しとゴール設定を行った。検討が必要な患者については、リアルタイムに関連する専門職との合同カンファレンスを行い、問題点を検討し、解決へのゴール設定を行う。定期的にその結果を検証した。各病棟で看護師と緩和医療科医師らで週1回、新入院患者の紹介とデスカンファレンスを行った。週1回緩和医療科医師、臨床心理療法士、緩和ケア病棟看護師長、副師長と看護部の緩和担当副部長らで緩和医療科コアミーティングを開催し、チーム医療の問題点を検討した。これら検討結果、業務の依頼、指示そしてケア過程の評価は全て電子カルテを使い記録した。開院初年度の緩和医療科病床数と専属スタッフとしては、病院本棟4階病棟25床中17床、別棟緩和ケア病棟25床中17床、合計34床でスタートした。緩和ケア病棟専属スタッフは緩和医療科医師3名、臨床心理療法士1名、看護師は両病棟18名、計36名、病棟クラーク1名ずつ、看護助手1名ずつとなり、合計44名のスタッフ要員であった。
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