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緩和ケアカリキュラム
医学部用
 
2003年1月13日
 
加藤 恒夫
かとう内科並木通り診療所 院長
 
斎藤 信也
岡山大学大学院医歯学総合研究科
消化器・腫瘍外科学 講師
 
斎藤 武
東京女子医科大学糖尿病センター チャプレン
宮崎市郡医師会病院緩和ケア病棟 チャプレン
 
佐藤 英俊
佐賀医科大学医学部附属病院
麻酔科蘇生科緩和ケア研究室 主任、講師
 
的場 和子
介護老人保健施設たいよう
 
的場 元弘
北里大学医学部麻酔科 専任講師
 
伴 信太郎
名古屋大学医学部附属病院
総合診療部 教授
 
吉田 素文
東京医科歯科大学
医歯学教育システム研究センター 助教授
 
大項目一覧
1. 緩和ケアの概念
2. 症状マネジメント
(1)疹痛マネジメント
(2)その他の症状マネジメント
3. 心理社会的課題
4. 緩和ケアにおける倫理的課題
5. サービスの供給
6. チーム・アプローチ
7. コミュニケーション
8. 他科とのかかわり
9. 家族のケア
10. スピリチュアリティ
11. 在宅ケア
12. 代替補完療法
13. ケアする人のケア
 
1. 緩和ケアの概念
(ア)態度
(1)生きることを尊重し、誰にも例外なく訪れることとして、死に行く過程にも敬意を払う
(2)身体面のケアに限らず、心理・社会面のケアやスピリチュアルな面のケアも行なう
(3)患者が病気で苦しんでいる間も、患者と死別した後も、家族の苦難への対処を支援する
(4)疾患、病期にかかわらず、緩和ケアの考え方の適応を心がける
(イ)技能
(1)基本的コミュニケーション技法が実践できる
(2)「一人称」「二人称」の死を語ることができる
(ウ)知識
(1)WHOの緩和ケアの定義について説明できる
(2)以下の言葉の定義について説明できる
1. 緩和ケア
2. ホスピスおよびホスピスケア
3. ターミナルケア
(3)わが国における緩和ケアの歴史と現状について説明できる
(4)安楽死、尊厳死について説明できる
 
2. 症状マネジメント
1)疼痛マネジメント
(ア)態度
(1)患者の訴えを素直に聴く
(2)まず痛みをとることを心がける
(3)痛みを単なる身体症状ではなく、感情的、社会的、スピリチュアルな問題としてとらえる
(イ)技能
(1)病歴と身体所見をとり、痛みのアセスメントができる
(2)アセスメントの結果をわかりやすく説明できる
(3)アセスメントの結果を記述できる
(ウ)知識
(1)痛みの原因について説明できる
(2)WHO方式がん疼痛治療法について説明できる
1. 鎮痛薬の使い方5原則
2. 非オピオイド鎮痛薬
3. オピオイド鎮痛薬
4. 鎮痛補助薬
(3)オピオイドの種類と用法・容量と作用と副作用(嘔気・嘔吐、便秘、眠気)とそれへの対処法について説明できる
2)その他の症状マネジメント
(ア)態度
(1)患者にとっての症状マネジメントのゴールを尊重する
(2)患者にとって言い出しにくい症状があることに配慮する
(3)症状マネジメントは予防が重要であることを理解する
(4)医学的介入には限界があることに常に配慮する
(5)患者・家族を含むチーム・アプローチを考慮する
(イ)技能
(1)病歴と身体所見をとり、症状のアセスメントができる
(2)アセスメントの結果をわかりやすく説明できる
(3)アセスメントの結果を記述できる
(ウ)知識
(1)症状の診断と治療について具体的に述べることができる
(2)症状の中にほ、治療により改善できるものとできないものがあることを説明できる
(3)死にむかっての症状の変化について説明できる
(4)症状には身体的原因以外に感情的、社会的、スピリチュアルな要因があることが説明できる
 
3. 心理社会的課題
(ア)態度
(1)誰でも心理社会的な問題を抱えているということを認識する
(2)身体面のみならず、心理社会的・スピリチュアルな面に常に配慮する
(3)患者や家族の心理的反応について批判しない
(イ)技能
(1)基本的コミュニケーション技法が実践できる
(2)患者や家族の表現や仕草から、感情の変化を評価できる
(3)正常な悲嘆反応と病的な心理的反応を区別できる
(4)患者や家族の杜会的な役割の喪失や変化を評価できる
(5)患者や家族と接するときの自分の感情の変化に気づくことができる
(6)自分の感情を的確に表現できる
(7)心理社会的課題にチームとして取り組むことができる
(ウ)知識
(1)しばしぱ遭遇する患者や家族の心理的反応について説明できる
 例;不安、恐怖、怒り、抑うつ、無関心、孤独感
(2)死の受容のプロセスについて述べることができる
(3)心理社会的課題とスピリチュアリティの関連について述べることが出来る
(4)正常な悲嘆反応について述べることができる
(5)病気の進行に伴う社会的な役割の喪失について述べることができる







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