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平成14年度(2002年)研究報告

 事業名 医学医療に関する研究助成
 団体名 笹川保健財団  


IV 今後の課題
 今回、主要情報提供者である家族は2名とも患者の子供(壮年期)である。家族の悲哀の過程は死別した家族の位置関係(親、兄弟、配偶者など)によっても異なり、また死までの準備期間の相違など様々な条件で異なってくる。本研究は限定した主要情報提供者の体験を明らかにすることを目的としたため、本研究の結果を一般化することはできない。また、新しいカテゴリーがあらわれなくなり、すべてのカテゴリーの全要素が説明されるようになる飽和点まで達していない。しかし、武村は限定性は現象を的確に捉えるための肯定的条件でもあり、実践で活用できるか否かが重要な評価基準であると述べている28)。今後、情報提供者を選択し、研究を重ねながら、真実告知を拒否した状況下での終末期がん患者家族の看護モデルを確立していく必要があるだろう。
 また、今回明らかになったのは家族の体験のみである。しかし、終末期がん看護においては患者・家族・医療者の相互作用が折り重なりあっていることが考えられる。今後の課題として、患者自身の体験・そして医療者の体験を明確にしていくことで、臨床の場で日々おこっている現象の本質を明らかにしていく必要があるだろう。
 倫理的に難しい症例であり、母集団も少なく、対象者への同意が難しかった。今後症例を増やし、飽和化し、家族の体験として一般化していきたいと考えている。
 
V 研究の成果などの公表予定
 これまでの成果、2名の対象者の結果を分析し、平成14年9月発刊の米子医学雑誌に投稿することができました。
 また、平成14年、12月6、7日に開催された日本看護科学学会にて演題として発表しましたことを報告致します。添付資料としておつけします。また、誌上発表では笹川財団の助成金で研究がおこなわれたこと、発表ではその旨をお伝えしました。
 なお、現在、症例を増やし、インタビューを試みております。この結果をまた分析し、飽和化した時点で今後の家族看護学会への投稿を考えております。
 
 研究助成をありがとうございました。
 
文献
1)渡辺孝子. (1993)
私たち看護婦も同席しての告知. がん患者と対症療法 5、42−43.
2)辻谷俊一、前田迪郎、貝原信明. (1996)
消化器癌患者に対する質問票に基づくインフォームド・コンセント. 日本消化器外科学会雑誌 29、1992−1996.
3)坂本純一. (2000)
医師の視点からみた進行癌治療における告知とInfomed Consent. 日本癌治療学会誌 35、572.
4)小松浩子. (1996)
癌告知を受けた患者の主体的ながんとの共生を支える援助プログラムの開発に関する研究(1)告知に関連した患者の困難とその対処に関する分析 死の臨床 19、39−44.
5)浦門彰子、西沢葉月、大渕雅子、小松孝江. (1999)
数ヶ月の予後告知を乗り越えて、笑顔で退院した症例を通して学んだこと 死の臨床 22、245.
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9)中西睦子、浅岡彰子. (1977)
病院における終末期患者及び死亡患者の配偶者のニード. 看護研究 10、14−25.
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11)南平好美. (1999)
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