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II 研究の内容・実践経過
 
1. 調査内容
 調査項目は以下の通りである。
 
(1)基本属性
 年齢、性別、経験年数、所持資格、最終学歴について記入を求めた。組織上の位置付け、勤務形態(常勤・非常勤)、MSW配属数、兼任業務について尋ねた。また、ホスピス・緩和ケア病棟の有無を問い、有する場合は専任であるか、兼任であるかも尋ねた。
 
(2)所属機関におけるMSWの業務内容の現状
 MSW業務指針(1989)およびがんのEOLケアにおけるMSWの役割を記述した文献(e.g., Stark&Johnson, 1983; Archer&Boyle, 1999)を踏まえ、“制度活用”、“経済的問題”、“家庭問題”、“在宅準備”、“転院・施設入所選定”、“心理的問題”、“患者・家族・スタッフの関係調整”の8項目をMSWの主たる業務とした。医療スタッフからMSWへの援助依頼、患者・家族からMSWへ直接される相談について、上記8項目に関して依頼・相談の頻度を“ほとんどない”、“やや少ない”、“やや多い”、“非常に多い”の4件法で尋ねた。援助全般および末期がん患者への援助における依頼・相談の頻度について、それぞれ質問を設置した。
 さらに、先行研究から示唆されたがんのEOLケアにおけるMSWの役割である“心理的サポート”、“患者・家族・医療スタッフの関係調整”、“遺族ケア”を評価するために、援助経験の有無、対応時の評価等についての回答を求めた。
 
(3)MSWの認識
 上述したMSW業務8項目について、MSW自身が考える援助の重要度を援助全般および末期がん患者への援助それぞれに、“あまり重要でない”、“やや重要”、“まあ重要”、“非常に重要”の4件法で回答を求めた。
 さらに、がんのEOLケア全般(3項目)、心理的サポート(6項目)、患者・家族と医療スタッフの関係調整(2項目)、遺族ケア(2項目)に対しての現状認識および考えについて、“あてはまらない”、“ややあてはまる”、“だいたいあてはまる”、“非常にあてはまる”の4件法の質問を設置した。
 
(4)満足度
 “所属機関での位置付け”、“院内スタッフからの認識”、“業務内容”、“自己の知識・技術”の4項目についての満足度を“非常に不満である”、“やや不満である”、“まあ満足している”、“非常に満足している”の4件法で尋ねた。それぞれを順に、1点から4点に得点化して加算し、総合満足度を算出した。







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