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 3.12 ステアリング装置 
1)ステアリング装置の概要 
 2・401図に示すように操縦席に取付けられたホイールを回転させ舵(船外機)を思う方向に向けるための装置でホイールを右に回転させるとボートは右に旋回し、左に回すと左に旋回するようになっている。ボートの大きさ、操縦席の数などにより小さな力で操作できるものや複数の操縦席で操作できるようになっているものもある。 
  
2・401図 ステアリング装置 
  
2)ステアリング装置の分類(作動方式) 
(1)ロープ式ステアリング装置 
 2・402図に示すようにステアリングホイールの裏側にドラムがあり、ドラムにロープを巻き付けそのロープの出し入れで舵(船外機)部に左右の動きを作り船外機を動かすものである。 
(2)ケーブル式ステアリング装置 
 メカニカルステアリングとも言われており、アウタとインナからなるプッシュプルのケーブルで行うもので、ホイールの回転操作でインナケーブルの出し入れをして舵(船外機)部に左右の動きを作り舵を切る方式である。2・403図に示すようなドラム式とラック&ピニオン式のものとがある。 
 取付も比較的簡単で価格的にも安価であり、多く採用されているが、船外機二機掛けや高出力船外機搭載艇等には不向きである。 
(3)静油圧式ステアリング装置(手動油圧式) 
 ホイールを回転させると、これに直結されているヘルムポンプが駆動され油圧が発生する。ヘルムポンプから吐出されたオイルはシリンダヘ送られ、シリンダを介してステアリングアームを動かす。 
  
2・402図 ロープ式 
  
2・403図 ケーブル式 
  
(4)動油圧式ステアリング装置(電動油圧式) 
 静油圧式に比較するとDC電源にて作動する油圧ポンプが追加になり、この油圧ポンプで発生した油圧をソレノイドバルブで切換てシリンダに送り、このシリンダを介してステアリングアームを動かす。 
  
2・404図 静油圧式 
  
2・405図 動油圧式 
  
 
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2・406図 ステアリング装置 
  
3)その他 
 操縦席が一つのもと二つのもの、また船外機も1機搭載と2機搭載したもの等がある。これらの組合わせをステアリング装置の配置で見ると、2・406図に示すようになる。また船外機2機搭載時の連動については、2機の船外機間を2・407図に示すようなタイバでつなぎ、ステアリング操作によって2機の船外機が連動するようになっている。 
  
2・407図 タイバ(連結金具) 
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