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3.13 リモートコントロール装置
 ボートに搭載された船外機(エンジン)を操作する方法として、直接船外機に触れて操作するものと遠隔操作で操縦するものと2種類があり、この遠隔操作のための装置を「リモートコントロール装置」という。その一例として二ヶ所の操縦席と船外機2機を搭載したボートのリモートコントロール装置の配置を2・408図に示す。
 リモートコントロール装置には次の種類のものがある。
・機械式(ケーブル式)
・油圧式(静油圧式)
・電気式
 油圧式、電気式についても経路の途中からは何れもケーブルでエンジンに接続される。2・409図に油圧をケーブルの動きに切替えるアクチェータの概略を示す。
 
2・408図 配置図
 
2・409図 アクチェータ
 
1)機械式リモートコントロール
 その構成部品を2・410図に示す。
 操縦席にあるリモートコントロールボックスのレバーを操作すると、その動きがリモートコントロールケーブルを介してエンジンの作動部に働く。その動きは一般的に「プッシュ」と「プル」の動きで、ギヤシフトとスロットルの開閉をそれぞれのケーブルでコントロールする。
 
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2・410図 機械式リモートコントロール構成部品
 
2)油圧式リモートコントロール
 2・411図に示すように、ギヤシフトとスロットルの開閉をそれぞれ単独のレバーで操作するツインレバータイプのリモートコントロールで、ボックス(起動部)のレバーを操作することで油圧が発生し、アクチェータ(受動部)でその油圧を機械的な動きに変換し、ケーブルを介してエンジンの作動部を操作する。
 
3)電気式リモートコントロール
 2・412図に示すように、操縦席にあるリモートコントロールボックスのレバーを前側に倒すとギヤが前進にシフトされ、さらに倒すと前進のままで加速する。一本のレバーでギヤシフトとスロットルの開閉動作の両方を行うシングルレバータイプのリモートコントロールで、後に倒すと後進になり更に倒しても前進側ほど加速されないようになっている。図の操作レバーは右側が右エンジン用で、左側が左エンジン用である。油圧式と同様に、アクチェータで電子信号から機械的な動きに変換され、ケーブルを介してエンジンの作動部を操作する。
 スイッチパネルのボタン操作でフリースロットル操作と操縦席の切替ができる。
 
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2・411図 油圧式リモートコントロール
 
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2・412図 電気式電気式リモートコントロール







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