(1)機能
i)トリム&チルトアップ(2・383図)
リザーブタンクからフィルタ、チェックバルブを通ってギヤポンプから吐出されたオイルはメインバルブを通ってトリムシリンダ下部とチルトシリンダ下部に送られ、ドライブユニットをトリムアップ及びチルトアップさせる。チルトシリンダ上部のオイルはメインバルブを通ってギヤポンプに戻る。トリムシリンダ上部のオイルはリリーズバルブを通ってリザーブタンクに戻る。
完全にチルトアップ(チルトシリンダとトリムシリンダが一杯に伸びた状態)すると、油圧が上昇してアップリリーフバルブが開き、オイルはリザーブタンクに戻る。
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2・383図 トリム&チルトアップ
ii)チルト&トリムダウン(2・384図)
ギヤポンプから吐出されたオイルはメインバルブを通ってチルトシリンダ上部に送られ、ドライブユニットをチルトダウンさせる。一部のオイルはダウンリリーフバルブ、リリーズバルブを通ってリザーブタンクに戻る。チルトシリンダ下部のオイルはメインバルブを通ってギヤポンプに戻る。チルトダウンがすすむと吐出されたオイルはダウンリリーフバルブを通ってトリムシリンダ上部にも送られ、トリムダウンさせる。トリムシリンダ下部のオイルはチルトシリンダ下部のオイルと合流してメインバルブを通ってギヤポンプに戻る。
完全にトリムダウン(チルトシリンダとトリムシリンダが一杯引込んだ状態)すると油圧が上昇して、ダウンリリーフバルブが開き、オイルはリザーブタンクに戻る。
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2・384図 チルト&トリム&ダウン
iii)手動チルトアップ及びダウン
手動でチルトアップ及びダウンする時のオイルの流れは2・385図のようになる。
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2・385図 手動チルトアップ及びダウン
iv)トリムロッドを引っ込める(2・386図)
チルトアップした状態でボートを係留し、ロワーユニットが障害物に衝突すると、トリムロッドが突き出たままになっているとこれらが損傷する恐れがある。従ってチルトロックレバーによって、ロワーユニットを固定したままで、チルトスイッチを押してトリムロッドを引っ込める。
完全にトリムダウンすると、油圧が上昇してダウンリリーフバルブが開き、オイルはリザーブタンクに戻る。
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2・386図 トリムダウン
v)ショックアブソーバ
ロワーユニットが水中浮遊物に衝突するか、または浅瀬に乗り上げた時、チルトロッドは引き伸ばされる。この時チルトシリンダ上部のオイルが圧縮されて、2・387図に示すように、チルトピストンに内蔵されているショックアブソーババルブを開き、フリーピストンとチルトピストンの間へ流れる。これによって衝撃を和らげる。ロワーユニットが乗り越えた後、フリーピストンとチルトピストンの間のオイルは船外機の重さとプロペラスラストによって圧縮され、内蔵されているチェックバルブを通って、チルトシリンダ上部へ戻る。
2・387図 ショックアブソーバ
2・388図 チルトロッドの保護
vi)チルトロッドの保護(2・388図)
チルトロッドに大きな圧縮荷重が加わると、チルトシリンダ下部で圧縮されたオイルがチルトリリーズバルブを開き、オイルはリザーブタンクに戻る。これによってチルトロッドが引っ込み荷重を軽減させる。スイベルブラケットがトリムロッドに接触すると、チルトロッドに加えられる荷重が減少し、この作動は終わる。
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