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3)高圧筒内直接噴射(HPDI:HighPressure Direct Injection)
 高圧筒内直接噴射システム及びマイクロコンピュータ制御フルトランジスタ点火システムを採用している機種の一例を2・332図に示す。
 
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2・332図 高圧筒内直接噴射式船外機の例
 
(1)直接噴射方式
 直接噴射方式はフューエルインジェクタをシリンダヘッドに装備し、直接筒内に燃料を高圧力(5MPa)で噴射する方式で、2・333図に示す2サイクルガソリンエンジンの場合、排気孔が閉じる直前にシリンダ内に直接燃料を噴射し、均一混合を生成している。この噴射方式は有害な廃棄物であるCO、HC、NOxの排出量を低減し、低燃費を実現できる。米国環境庁の2006年の規制値に対しHC+のx排出量は十分下回り、燃費についても従来機種に対し約20%向上している。ドーム型燃焼室とピストン上面にピストンストロークによって、空気の縦流(タンブル流)を発生させ、そこに燃料噴射して燃料と空気を均一に混合している。タンブル流は、燃焼室内で容易に燃える空燃比の混合気を生成できる。さらに、燃料噴射時期は未燃焼ガスの吹き抜けを防ぐため排気孔が閉まる直前に噴射することで燃費も向上できる。
 
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2・333図 直接噴射方式の例
 
(2)電子制御方式
 電子制御方式の一例を2・334図に示す。
 電子制御ユニット(ECU)は、スロットルポジション、エンジン回転速度、大気圧、吸気温度、O2センサ、エンジン冷却水温、燃料圧力センサ等の燃焼に影響を及ぼす要素を検出し、必要なデータと演算の上、噴射時期、噴射量、点火時期等の制御を行っている。
 また、ノートパソコンと電子制御ユニットを接続し、電子制御ユニットの制御状態を数値として確認ができ、短時間でのトラブルシューティングも可能である。
 
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2・334図 電子制御方式







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