日本財団 図書館


2.2 アイドリング中の異常な振動
(拡大画面:19KB)
 
1)機関振動
(1)不整燃焼
 燃焼不良、タイミング狂いなどがあるとアイドリング中に不整燃焼による回転変動を起こして、機関に異常な振動を生じることがある。
 ハンチングや不整燃焼を修復しなければならない。
(2)ボルトナットの弛み
 据付ボルト、機関台などの締付けボルトナットなどが弛むと、機関振動が増加する。機関台や据付ボルトナットを増締めして、振動を軽減しなければならない。
(3)亀裂破損
 機関据付ブラケット、機関台などの据付部分に亀裂破損を起こすと、機関が異常に振動する。
 亀裂破損個所を探し出し、修復すると共にその原因を調べ、必要ならば補強をする。
(4)防振ゴムの変質亀裂
 防振ゴムは、長期間使用するとゴム質が硬化変質したり、亀裂を起こす。防振ゴムは2〜3年程度の寿命が普通であり、亀裂や変質硬化する前に交換しなければならない。
(5)軸芯の狂い
 発電機などのカップルの場合は、軸芯に大巾な狂いを生じると、異常な振動が起こる。軸芯の狂いは、カップリングの振れ寸法が、芯及び面振れともに0.08mm以内になるように軸芯を修正しなければならない。
 
2)共振
(1)機関台との共振
 機関が起振源となり、機関台の固有振動数と機関振動が合致すると、共振を起こして異常に大きな振動を発生する。機関台を補強して固有振動数を変えて共振を避けなければならない。
(2)船体との共振
 機関の振動数が、船体の固有振動数に合致すると共振を起こして、船体が異常振動を発生する。共振回転でのアイドリング運転を避けるか、機関台を補強して固有振動数を変えて、共振を防止する。
 発電機などの場合は、共通台板と据付台の間に防振ゴムなどを挿入して、機関振動波を吸収させる処置が有効である。
(3)ねじり振動
 周期的に変化する機関のトルク変動と、軸系の固有振動波が合致すると、振り振動による共振を起こして、振巾が増大する。共振すると歯車の噛合音が大きくなり、回転がおかしくなり、振動を発生する。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION